Bruch チェロのための協奏的小品集
(オステルタグ/ボーダー/南西ドイツ放響)
Bruch
コル・ニドライ〜ヘブライの旋律によるアダージョ〜作品47
ケルトの旋律によるアダージョ 作品56
アヴェ・マリア 作品61
チェロと管弦楽のためのカンツォーネ 作品55
オステルタグ(vc)
ヴィオラとクラリネットのための二重協奏曲 作品88
シュロイファー(va)シュレヒタ(cl)/ボーダー/南西ドイツ放送交響楽団
AURAPHON LC 7709 1989年録音 970円
MAX Bruch (1838 〜 1920)は、ヴァイオリン協奏曲とかコル・ニドライくらいしか知られていないと思います。Brahms が (1833〜1897)だから、ほぼ同世代で長生きしたんですね。マズアが交響曲を録音してくださったはずだけれど、聴く機会を得ません。このCD「珍しくて安いもの」専門にしてきたワタシが10年間暖めてきたもの(って、真面目に聴け!ってか?)。
いやもう、コレ、とろとろに甘くて切なくて静謐で、最高!チェロと管弦楽のための作品4曲は、いずれ10分以内で気持ちよく時間が過ぎ去ります。激高しない、爆発しない、声高に叫ばない、ひたすらゆったりと、シミジミと歌い続ける旋律。Brahms の室内楽やらピアノ曲は威圧感が少なくて好き(少々根暗だけれど)だけど、管弦楽+協奏的作品は少々立派すぎてご遠慮することも〜それに比べBruch は、なんと親密で身近であることか。
コル・ニドライは「詠嘆と癒し」、ケルトのアダージョは「切ない想い出」、アヴェ・マリアは「懺悔」、カンツォーネは「安寧」〜勝手なことを書いたけれど、平安でありながら、ちょっと胸の奥が痛むような世界に変わりありません。二重協奏曲は16分ほどの作品だけれど、ちょっと劇的で有名なるヴァイオリン協奏曲を連想していただけると近いかな?
でも、ずいぶんと静かで、クラリネットが加わっているぶん彩りがプラス。終楽章の華やかな盛り上がりにも満足です。このCD、以前聴いたときには、デジタル初期臭いカタい音質が気になったものですが、その後ワタシのオーディオ環境が変わったためかな、そう気にならない、鮮明な録音でした。
オステルタグというチェリスト、日本では知名度がないけどたいした技量です。(来日しているらしい)1725年のグァリネリウス使用。表現が大仰になったり、逆に地味になりすぎることもなく、しっとりとした抑制された持ち味か。繊細です。シュロイファーのヴィオラは豊かで深い音量、シュレヒタのクラリネットはやや硬く、華やかな音色はどこかで聴いたことが・・・と思ったら、マンハイム楽派のクラリネット作品で所有しておりました。(2003年11月7日)
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