NEWYORK PHILHARMONIC
The Mahler Broadcasts(1948-1982)


NEWYORK PHILHARMONIC The Mahler Broadcasts(1948-1982) Mahler

交響曲第5番 嬰ハ短調〜第1楽章(テンシュテット 1980年)
交響曲第2番ハ短調〜第4楽章「原光」(メータ/フォレスター 1982年)
交響曲第7番ホ短調〜第3楽章(クーベリック 1981年)
交響曲第6番イ短調〜第3楽章(ミトロプーロス 1955年)
若き日の歌〜「彼女の青い目が」(スタインバーグ/フィッシャー・ディースカウ(br)1964年)
交響曲第1番ニ長調〜第4楽章(バルビローリ 1959年)
(インタビュー「私はマーラーを覚えている」)

以上 ニュー・ヨーク・フィルハーモニック

NYP 9813 中古@250

 見ている人は見ているものでして「このCDを買った」と音楽日誌に書いたら、即「全曲セットを買うべき!」とのメールをいただきました・・・でもさぁ、高いじゃない。ワタシってビンボー症だしぃ。でも、その魅力誘惑は想像付きますね。@1998時点音楽監督だったマズアと、高名なるワルター、バーンスタインが含まれないのは契約の関係でしょうか。(全曲盤では収録されてますか?)それにしても作曲者自身が指揮した伝統あるMahler オケとしての面目躍如。スタインバーグを除いて、すべて別オケとの録音が存在するが、ひと味もふた味も異なるアツき演奏ばかり。

 ニューヨーク・フィルは、やや明るく厚みとコクがあり、硬質ではない粘着質な響きが特徴だと思います。鋭すぎない。アンサンブルは指揮者によってガラリと水準を変え、バーンスタインとの第5番には少々驚きました。官能性は薄くて、艶やかでセクシー方面ではない、もっと健康的なサウンド。興に乗ったときの迫力は筆舌に尽くしがたい・・・そうです。

 まずテンシュテット。ワタシはロンドン・フィルとのスタジオ録音しか聴いたことはありません。録音の性癖か、オケの責任かわからんが、時として響きが少々薄く感じたりする印象がありました。彼のサウンドはいつも音が悲劇してまして、そのままニューヨーク・フィルの充実したアツい響きが加わったと思ってください。(念のため1978年録音を確認したが、こちらニューヨーク・フィルでは音にしっかり”芯”が感じられる)

 メータの「復活」は十八番(おはこ)ですね。録音もたくさんある。ここでの主役はフォレスターでして、この人フリッチャイ、ワルター、ライナー辺りとの録音もあるから大ヴェテランのメゾ・ソプラノ(コントラルト?アルト?)。ここでの自信に充ちた風格は筆舌に尽くせぬ完成度。「クーベリックはライヴでこそ!」とのご意見もあるが、それも一理有〜第7番の妖しげな味わいは、バイエイルン放響(1970年)よりスケールも加わって深まります。ティンパニの一撃は衝撃的。

 第6番はケルン放響(1959年)との録音も存在するから、ミトロプーロスにとっては得意な作品だったのでしょう。怜悧で端正〜1955年で、しかもライヴでここまでの完成度を誇る演奏が実現していた驚き。バーンスタイン登場前(なんども指揮はしていたろうが)のニューヨーク・フィルのアンサンブル充実ぶり、暖かく、明るい厚みそのままに、濃厚な集中力が持続します。それは官能へと至る驚きの水準。この収録では一番旧い年代だけれど、聴きやすい音質です。

 スタインバーグの評価は日本ではさっぱりだけれど、ピッツバーグ響での評価は高かったと聞いております。録音も多い。ニューヨーク・フィルにも定期的に登場していたのでしょうか。当然フィッシャー・ディースカウがメインだけれど、この時点で精緻を極めた表現の完成度高いですね。但し、若い(39歳)から巧緻さよりのびのびとした、素直な表現が勝った歌ではあります。それにしても彼は音域が広くて、高音から、低音までムリがない。 

 バルビローリにはハレ管との1957年(ステレオ)録音が存在して、これは2年後の「巨人」となります。爽快体育会筋肉系に仕上がりがちの最終楽章は、ひと味もふた味も変わっちゃう〜オケだって、ちゃんと”泣き”が入りまっせ。在任期間(1937〜43年)は評判よろしくなかったらしいが、こうやって時々呼ばれていたんですかね。「うるさいだけの終楽章」にならず、(ニューヨーク・フィルの持ち味のまま)味が付加された、というか、正直ミトロプーロスよりアンサンブルは乱れて、でも全曲は聴いてみたい、と思わせる熱気があります。音質まぁまぁ。(熱狂的な拍手有)

 インタビューはワタシ、外国語は苦手でようわかりません。12枚組全巻、激安にてどこかにころがっていませんか?(2005年1月7日)


早速、読者から追加情報をいただきました。

バーンスタインの録音が含まれていないのは、ニューヨークフィルと商業録音が残されているので、この企画では他の指揮者の演奏を聞いて貰いたいという主旨だそうです。マズアがないのも同様で、商業録音にニューヨークフィルとの演奏があるからです(1番と9番)。なお、バーンスタインとマズアについてはそれぞれ別にボックスセットが出ています。

ワルターの録音は、フェリアー、スヴァンホルムとの大地の歌がしかっりはいってまっせ。ワルターは同楽団とマーラーの録音を残していますが、別格ということでしょうか。

値段については種々ご意見はあるでしょう。しかし、作りは丁寧です。分厚い二冊のブックレット、貴重な写真の数々、特にマーラー本人の書き込みの入ったスコアなど。オーケストラによる自主制作のCDのなかでも模範と言えるものだと思います。さらに、オーケストラという文化的な資産を守るための寄付だと思えば、安いものではないでしょうか?

収録されている曲と演奏家は以下の通り。

No. 1 Sir John Barbirolli January 10, 1959

No. 2 Zubin Mehta Kathleen Battle, Maureen Forrester March 7, 1982

No. 3 Pierre Boulez Yvonne Minton October 23, 1976

No. 4 Georg Solti Irmgard Seefried January 13, 1962

No. 5 Klaus Tennstedt June 18, 1980

No. 6 Dimitri Mitropoulos April 10, 1955

No. 7 Rafael Kubelik February 28, 1981

No. 8 Leopold Stokowski Frances Yeend, Uta Graf, Camilla Williams, Martha Lipton, Louise Bernhardt, Eugene Conley, Carlos Alexander, George London, Schola Cantorum (Hugh Ross, director), Westminster Choir (John Finley Williamson, director), Boys' Chorus from Public School No. 12, Manhattan (Pauline Covner, teacher) April 9, 1950


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written by wabisuke hayashi