Mahler 交響曲第7番ホ短調(クルト・マズア/ゲヴァントハウス管弦楽団)Mahler 交響曲第7番ホ短調 クルト・マズア/ゲヴァントハウス管弦楽団 BRILLIANT 99549-9 1982/3年録音 11枚組4,290円で購入したウチの一枚 「マズアには、第7番のめくるめく夜の怪しげな幻想は表現できません。淡々として、曲に対する愛情は感じられない表現。オーケストラのアンサンブルは優秀。どうしようもない終楽章は何故か上出来。」〜いつもながら乱暴な言い切りが稚拙な某サイトのコメント。いったい誰?>ってワタシ。で、この度、再聴で見直しました〜となってくれればよろしいが、そうは問屋が卸さない。 これ、もともとCDを買い始めた1990年代初頭・「CDでMahler 全曲を集めるぞ!」と決意したときに買った演奏でした。第7番は廉価盤がほとんどなかったし、一枚に収まってくれるのもこれ以外なかったはず。中古で1,000円くらいだったんでしょう。その後、クーベリックとかテンシュテットの全集を買ったときに、当然の如く売り払いました。(なんど聴いてもようワカランかったので) で、2000年に偉大なるBRILLIANTが激安全集を発売、嬉しくも喜ばしく購入したら、マズア氏と再会しました。この方、日本では人気高いし、海外でも評価高いでしょ?ニューヨークでのMahler 録音はどんなもんですか?聴いていないんですよ。どなたか教えてください。
この演奏は結論的に言うと、とても綺麗。淡々と破綻なく進めていって、アンサンブルも優秀。ゲヴァントハウスもなかなか快調でした。音質もよろしいんですよ。これはこれとして、「なんか文句あるの?」といった顔で、味わいの足りない演奏でした。以上終了・・・・・では、オモロくないので以下蛇足。 この曲、冒頭のテノールホルンがなま暖かく、妙に中途半端な色気を発してエッチなんです。やる気のないような、ズルズル引きずるような「不健康さ爆発」でやって欲しい第1楽章。これがとても健全。小走りで、キッチリ表現してしてみました、という真面目な姿勢崩さず。 第2楽章〜4楽章は、この曲の白眉だけれど、朗々としているし、控え目ではあるし、どのパートもなかなか艶消しのよろしい音色で鳴っております。でも、よくもまぁ、ここまでどの楽章も同じような感じで、淡々と演奏できるもんですね。いつも同じこと言って申し訳ないが、ここは「濃密な闇が霧のように立ちこめる」そんなアヤしく演奏してほしいところなんです。 「夜の歌(1)」の軽薄なリズム感、なんの感興もない流れの良い「スケルツォ」、落ち着きなく牧歌的な「夜の歌(2)」。オーケストラは一流で美しいんですけどね、Mahler の苦悩、狂気、懊悩、固執〜そんなものどこにも存在しない。 従って、終楽章が軽快でひじょうによろしい。どこかのBBSの書き込みで「この楽章はマイスタージンガー前奏曲のパロディ」と見破った方がいらっしゃったが、まさにその通り。ここはどう考えても違和感のあふれ出るところで、むしろ真っ正面から正攻法でキッチリやったほうが納得できます。 マズアは期せずして、この難曲の「終楽章解決法」を明示していると言えるでしょう。この勘違いぶりがなんとも素晴らしくも、とことんツマらない演奏。正直ワタシはわかりませんが、とんでもないミスもあるという。負けました。文句あるか。(2002年6月28日)
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