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Mahler 交響曲第5番(コンドラシン)



Mahler

交響曲第5番 嬰ハ短調

コンドラシン/ソヴィエット国立交響楽団

1974年録音 図書館で借りたCD(メロディア)

 本にしても、CDにしても、ま、酒にしても自腹で〜というのが基本です。自分で金を出さないと、真剣に身に付かない。もう、6〜7年FM放送を聴いていないので、廉価盤で手に入らない音源とか、話題の若手の演奏は図書館で借りるようにしております。いちおうの一般教養のつもりだが、コンドラシンのMahler はとてもおもしろかったので、掟破りで「外伝」掲載します。

 Mahler は好きですね。旋律が美しいし、演奏家によって驚くべきほど違いが出るのも興味深い。録音状態を気にする方面の曲ではあるけれど、旧い録音でも意外と楽しめることも有。「コンドラシンのMahler 」ということ自身「おっ!?」と思えるし、この第5番は普段指揮しないソヴィエット国立響でしょ。看過できません。

 これ、相当な違和感溢れる演奏です。とくに第1楽章から、なんかへん。トランペットの音色がフツウじゃないんですよ。アクがあって、強烈で全体の響きに溶け合わない。いや、正直、最初のウチ、すべてのパートが独自の色合いでバラバラのような印象がありました。この曲特有の官能性とか、深い影のある甘さとか、そんな世界とはまったく異なる硬派の音楽。

 第2楽章からはもう少しアンサンブルにまとまりが出てくるし、テンションの高さが良い方面に向かいつつあるのを感じました。それにしても、金管の洗練されない無骨なチカラ強さ(というか、なんというか強烈というか)は異形で超個性的。ホルンのヴィヴラートを先頭にして、怪しい響きがゴロゴロ続きます。

 「アダージエット」は独自の解釈らしくて、ソロの弦楽器(ヴァイオリン?チェロ?)が出てくるんです。この楽章には、むせ返るようなエッチな雰囲気を求めたいが、アンサンブルの肌理が粗くて、濃密な雰囲気ではない。でも、呼吸が深くて揺れ動くこと、アクセントが個性的であることで、かなり楽しめる演奏です。

 終楽章。これもなんかへんな演奏です。オケがちっとものっていないというか「もう帰ろうよ」(むかし、そんな漫才があったな)みたいな感じもあって、コンドラシンが叱咤激励すると突如金管が爆発する、といった風情。アンサンブルはあちこちでギクシャクとして、オケがこの曲に慣れていないのかも知れません。こういった硬質な音色を好む人はいるだろうと想像されますが。

 全体に早めのテンポで、あか抜けない演奏振りでしょうか。ソヴィエット国立響のサウンドが良く理解できる演奏でもあります。コンドラシンは正規録音としては第1・3・4・5・6・7・9番が残っていて、どれもなかなか骨があって楽しめます。指揮者は緻密な解釈を求めていると思うが、オケの色合いが(シロウト目にもわかりやすい)ロシア臭プンプンでなんともいえません。「Mahler は聴きすぎて飽きたぜ」といった人々にお勧め。(2002年5月31日)  


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written by wabisuke hayashi