Sibelius 交響曲第5番(リーパー/スロヴァキア・フィルハーモニー )


Sibelius 交響曲第5番〜リーパー/スロヴァキア・フィルハーモニー NAXOS 8.550200 Sibelius

交響曲第5番 変ホ長調 作品82(1990年録音)
交響詩「伝説」作品9(1989年録音)
演奏会組曲「ベルシャザールの饗宴」作品51(1990年録音)

リーパー/スロヴァキア・フィルハーモニー

NAXOS 8.550200 (4枚組2,780円で購入したウチの一枚)

 「夏はSibelius 」と決めていましたが、2000年夏の猛暑はマーラーで乗り切りました。秋になって、ようやくSibelius をゆっくり聴いております。「なぜリーパーか」というと、これ数年間に渡ってワタシの「標準盤」としてきたのに、NAXOSさんは廃盤にしたみたいなんです。(2000年版カタログから消滅している)

 Beethoven の全集みたいに、旧録音を衣替えして激安販売してくるようなら許すけど、もったいない。サカリ/アイスランド響の新録音は評判良いらしいけど(未聴)、まだ全集は発売されていないのに、非情なもんです。もし、店頭在庫を見かけるようなら買っておいて下さい。

 Sibelius は特異なシンフォニストで、B.B.B.とか、マーラー、ショスタコと比べるとずいぶんと地味というか、渋いというか。それでも、日本じゃ人気高いですよね。渡辺さんがステレオで2回も全集出しているし、演奏会でもけっこうお客を呼べるでしょ?第3番以降でも。この第5番も、細かい音型が幻想的に積み重なっていく、一見分かりにくい曲。3楽章30分間、繊細な味わいがたまらない名曲。ハマるとたいへん。

 ベルグルンド(ヘルシンキ・フィル盤全集)、バルビローリ(主に旧録音)、カラヤン(DGの第4〜7番)、マゼール(ウィーン・フィルとのアツい第5・6・7番)、手元のCDはどれも個性的で素敵です。リーパー盤は安かったし、録音も新しく、全集で揃って売っていたので買ったもの。なんと控えめな存在でしょう。

 スロヴァキア・フィルは、艶やかな響きとは無縁で、洗練されないがほのぼのとした雰囲気が快い。リーパーは最近ARTE NOVA で大曲に取り組んでいるが、この時期はまだ30歳代だったはずで、いかにも誠実だけれど工夫が足りないと言えば足りない。スケールも小さい。でも、この演奏、悪くないと思うんです。

 リーパーは、Sibelius 演奏には歴史と定評あるイギリスの伝統を引き継いでいます。荒涼として、涼やかな音色、響き。どんな音量の大きなところでも、無用に激高しない(「伝説」における中盤など)こと。大仰な節回しとか、泣き、などとは無縁で、清楚。

 リーパーはこの時点では大曲は不得意のようで、初期の第1・2番より適正があると思います。古今東西の巨匠が演奏した、第2番の圧倒的迫力と輝き(それは作曲者が望んだものらしい)の前では、いかにも頼りなく思えたリーパー。第5番の、神経質で細かい旋律の積み重ねは上手くいっていて、なにもせず淡々としているようでも雰囲気があって楽しめます。アンサンブルも精密。

 交響詩「伝説」は、延々と降り続ける雪景色を環境ビデオで見せられているような曲。ほんの少しの風の変化や、単色の森の木々の動きにストーリーを見つけられたら、きっと好きになります。

 「ベルシャザールの饗宴」は、珍しい曲でしょう。数分の短い4曲の組み合わせ。はかなくて、幻想的で、囁いているような美しい曲です。(2000年10月21日更新)


Sibelius
交響曲第2/7番〜リーパー/スロヴァキア・フィルハーモニー


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written by wabisuke hayashi