Sibelius 交響曲第2/7番(リーパー/スロヴァキア・フィルハーモニー)


Sibelius 交響曲第2/7番 Sibelius

交響曲第2番ニ長調 作品43
交響曲第7番ハ長調 作品105

リーパー/スロヴァキア・フィルハーモニー

NAXOS 8550198 1989年録音(4枚組2,780円で購入)

 このページ執筆時点、厳しい夏の暑さ真っ最中。こんなときは北欧の涼しげな音楽に限ります。このCDは、おそらく90年代前半に購入したもの。当時、こんな安価で全集はなかなか揃わなかったので、喜んだものです。4枚でレギュラー価格の一枚分。(現在はいろいろと選べる幸せ。ベルグルンド/ヘルシンキ・フィルだって、これと同じくらいの価格で手に入る)

 リーパーは初期NAXOSではそうとうに手広く録音してくれていて、最近は手兵グラン・カナリア・フィルとARTE NOVAにMahler を録音していますね。イギリスの中堅だそうで、まだ40代。ワタシはスケール感がなくて、手堅く保守的な表現をする人と思いました。

 スロヴァキア・フィルは最近録音が少ない。NAXOSでは、亡くなったコシュラーとの数枚+αくらいでしょうか。派手派手しい響きとはもともと無縁な渋い音、というか、洗練されない素朴な田舎臭さ、が特徴です。この録音時点でリーパーもまだ30代ですから、老練さとも無縁で、これはこれでひとつの実直な味わい。

 Sibelius の第2番は昔から人気があって、名録音も多い。第3番以降の、ちょっと難解・幻想曲風な世界とは違って、ずいぶんとわかりやすく、大衆的で悪くないと思います。けっこう好きです。この演奏は初めて聴いたとき「オケが上手くないなぁ」「テンポや間の取り方に落ちつきがない」と感じたものです。

 そりゃカラヤンの細部まで磨き上げた演奏とか、バルビローリがしっとりと「泣き節」で歌い上げたような、そんな技はないんですよ。でも、洗練されないオケのくすんだ田舎臭い音色、バランスもあまり良くないけれど、素朴で味わいはあって悪くないと思うようになりました。リーパーは、何もしないというか、自然体。自ずから滲み出る爽やかな雰囲気も有。

 最終盤は、ぜひ盛り上げていただきたい見せ場ながら、ちょっとオケが息切れした感じ。

 第7番は個人的には一番気に入っていて、その幽玄な味わいはいつ聴いても胸を打たれます。リーパーはあまりスケールの大きな人じゃないと思うので、こういった凝縮された幻想曲にはピッタリか?

 アンサンブルの密度はそれなりに高いけれど、オケの音色が地味すぎて魅力的な響きとは云えないし、力強い爆発もなし。メリハリと構成力に欠けますが、その控え目な歌いぶりは、寥々たる北欧の味わいは感じられました。

 コシュラーで聴いたときのスロヴァキア・フィルとは、少々音の感じが違うので、指揮者と録音の責任もあるんでしょうか。鮮明な録音ですが、音が硬いのと肌理も少々粗い。よく馴染んでいる曲なので「ここはもっと主旋律を強調しないと」「バックの単純な音形を浮き立たせた方が効果的」「ここは一発、思い切った爆発が欲しい」なんていう注文も出ます。

 そんなこんな・・・で、夏はやっぱSibelius だなぁ。ベルリン・フィルやフィラデルフィアなどによる、超豪華な響きも楽しいけれど、けっこうローカル・オケでも味わいあるのが嬉しい感じ。(1999年の夏)


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written by wabisuke hayashi