Stravinsky 作品集(ラザレフ/ボリショイ劇場ソロイスツ・アンサンブル)Stravinsky
兵士の物語(演奏会用組曲1920年) ラザレフ/ボリショイ劇場ソロイスツ・アンサンブル VOX ALLEGRETTO ACD8185 1980年頃録音? @800で購入 MELODIYA原盤。アレクサンドル・ラザレフは、某誌にかつて「ロシアのクライバー」なんていう超・提灯記事が掲載されていて、一時ERATOにも録音を重ねていました。ボリショイ劇場とのいざこざで、そこを辞任して以来、少なくとも録音メディアからは姿を消しました。ま、こうして消息がわからなくなると、ワタシの手持ちのCDも気になるもの。どこかで活躍していることでしょう。 Stravinskyは「春の祭典」以来、たいへん気になる作曲家で、意外と手元に集まります。CBSの偉業である「自作自演全集」は、なんとか手に入れたくて価格の下落を待っているところ。いわゆる3大バレエ音楽だけでなく、いろいろ楽しめます。この人の作品は、どれもわかりやすく、親しみやすく、暴力的すぎず、破壊的すぎないのがシロウトであるワタシにはありがたい。 このCDでは「兵士の物語」が有名。もともと「演奏者が少なくても上演できる」ことを目指したそう(1918年語り付)ですが、この1920年版は9曲で、クラリネット、ファゴット、コルネット、トロンボーン、パーカッション、ヴァイオリン、コントラバス、の7人編成。5曲からなる、クラリネット、ヴァイオリン、ピアノ3重奏の1919年版も存在します。ま、演奏機会に合わせて、柔軟に対応していたのでしょう。(金を稼ぐためだったらしい) 30分弱かかっているので、「語りを抜いた全曲版」みたいな雰囲気ではある。荒唐無稽なおとぎ話のような、そんな楽しさはあって、はっきり言うと演奏云々のコメントは付けられません。ストコ盤全曲では、けっこう各パートに人工的な「奥行き」とか「残響」が付加されていて、効果的だった(もちろん、語りも〜言葉は理解できなかったが〜味わい有)記憶もあります。ラザレフ盤では、ま、普通の楽しげなアンサンブルです。ストコ盤では、もっとパーカッションが目立っていた印象がある。 七重奏曲は華やかで楽しい。(12分ほど)これはピアノが活躍していて、明るく楽しい楽想が支配します。「やさしい前衛」といった旋律で、平凡ではないが、難解さは皆無。編成は、クラリネット、ホルン、ファゴット、ピアノ、ヴァイオリン、チェロ。1952〜53年に掛けての作品というから、比較的新しい作品。でも、こんな少人数に指揮者って必要なんでしょうか。(よく理解できない) 「PRIBAOUTKI」って、きっとロシア語でしょうか。読み方もわかりません。クレジットがありませんが、メゾ・ソプラノの歌が入っています。1914年の作品で、「春の祭典」が1913年に完成しているから、あの時期特有のロシア風な粗野な旋律が楽しい。バレエ音楽/舞踊カンタータ「結婚」(これも声楽が入っている)によく似ている、と思ったら、やはり同時期の作品でした。(5分ほどの短い作品) 「ラグタイム」は、名前の通りジャズに影響された1918年の作品。サロネンの演奏がそれなりの大編成だったので、ラザレフの印象は少々異なります。もっと乾いているというか、そつがないというか、淡々としているというか。悪い演奏とは思いませんが、これ、きっともっとノリノリの弾むようなリズムでやってくれると映える曲のはず。わずか3分半。 収録が50分を切って少々贅沢だけれど、珍しい音源と思うので許します。肩がこらなくて、楽しめる一枚。音質は悪くありません。ラザレフは、ここ最近ERATO/TELDECの廉価盤の音源として一部復活しています。(2000年10月27日更新) Yさんより情報をいただきました。 Lazarevは現在、イギリスのRoyal Scotish Nationalというオーケストラで、プロコフ ィエフやショスタコーヴィッチ、ラフマニノフなどのやや新しめのレパートリー を振っています。また時々来日しては、読売日本や日本フィルに客演していま す。最近は3月13、14日に日本フィルに客演してショスタコの11番とラフマニ ノフPコンの1番という、やや珍しい曲を振っていましたが、ショスタコには大 感激でありました。 (2003年3月) Uさんより更に情報。
件名の中で、「PRIBAOUTKI」というのがありましたけれども、私もロシア
語であろうと思います。 прибаутка 【口】しゃれ、地口、ことわざめかした警句
林さんが引用されていた単語は、語尾が「I」で終わっておりますので、多分複数形
じゃないでしょうか。生格の可能性も考えられますが・・・・・・・・。
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