Brahms 交響曲全集(カイルベルト)


TELDEC  WPCS-6050/51
Brahms

交響曲第1番ハ短調 作品68
ベルリン・フィルハーモニー(モノラル録音)
交響曲第3番ヘ長調 作品90
バンベルク交響楽団
WPCS-6051

交響曲第2番ニ長調 作品73
ベルリン・フィルハーモニー
交響曲第4番ホ短調 作品98
ハンブルク州立フィルハーモニー
WPCS-6050

TELDEC 各1,000円 1950年代中盤〜60年代初頭にかけての録音


 2002年に「録音」絡みで一筆啓上したが、ご批判もいただいたので、再度再度聴いてみることに。第2番は1962年2月5-6日録音とのこと。以下は、数年前にしては良いところを突いていると自分で思うし、一方で「Brahms に何を求めていたのか」と不思議に思う文章でもあります。

 Y氏の指摘によると、「LPもCDも音的にはそう変わらない」とのこと。強奏における甚だしい音の濁りはLP時代と変わらないのかな。それにしても第2番におけるベルリン・フィルが抜群に上手い。「上手さ」が上滑りしないで、ややガンコさを残していて極上に深いんです。カイルベルトは流麗さとは縁遠い存在だし、納得のBrahms SOUNDか?でも、強奏時の音の悪さはやはり気になる。

 第1番は、冷静に聴けば「モノラルとして出色の音質」でしょうか。「全体に地味でおカタい。窮屈で余裕を感じない」なんて、生意気言っちゃったが、第1番って、もともとそんな曲かも知れません。でも、最近(遅ればせながら)トスカニーニ/NBCで聴いたら、その歌うようなのびのびとした世界にすっかり魅せられて・・・・・〜というのと比べると「地味でおカタい」というのも、あながち外れていないかも。

 第3番は、広がりのあるステレオ・サウンドが嬉しいが、弦が美しくない。フレージングがぎこちない。カイルベルトの個性かも知れないし、オケの技術的な問題かも知れません。期待の第3楽章は「可もなし、不可もなし」といったところでしょうか。美しくないワケじゃないが、痺れるような〜という世界でもない。でも、これぞBrahms 、と感じる人がいても不思議じゃない。颯爽としないBrahms 。

 第4番はハンブルク国立フィルが頑張っていると思います。鳴らないし、パッとしないオケの響きだけれど、柔らかさがあるし、一種茫洋とした霧のような雰囲気もある。それが曲に合っているんです。バンベルク響との演奏より、ずっと余裕を感じさせてこれは「美しい演奏」と呼んで差し支えないでしょう。カイルベルトなりの、ちょっと生真面目な歌心もあります。

 Brahms の交響曲は名曲だし、それなりに聴く機会も多いが、正直やや苦手です。それに、ワタシが求めている世界がどんどん変わってしまうこともある。LP時代、ワタシがまだ若くて血気盛んな頃・息子がまだ赤ちゃんで生活がバタバタしていた頃、その時はカイルベルトに感動してたはずなんです。

 もっと録音状態がよろしいもの〜とは言わないが、すっきして見通しの良い演奏が欲しいのかも知れません。上手いものを食い過ぎて、歯応えのあるものは苦手になってしまったのか。この2枚は、どうもざわついた印象がつきまとって、それはワタシの心の問題なのでしょう。(2002年4月6日)以下、1999年の文書はそのまま。


 1997年に一斉に復活して、ほとんど買いそこねたカイルベルトのシリーズから。職場の近所の(しょうもない)レコード屋さんに売れ残ってまして、3枚ほど手に入れました。LP時代もまったく同じ組み合わせ、価格で所有していて、懐かしさいっぱい。Brahms の交響曲全集って、「LP4枚組、堂々豪華布張BOX入り!(不朽の名演!の黄金色したオビ付)」のようなイメージだったのが、いまや2,000円くらいでも簡単に手に入ってしまう。なんとなく、ありがたみが薄れたような・・・・・ てなことを口走ると「廉価盤CD推進協会(RSS)」から除名されかねない(ウソ!)・・・・・閑話休題。

 1999年の6・7月に買ったCDはほとんど外していて、どうも調子悪。このCDも「LP時代の感動よ、もう一度」と期待したのですが、どうもいけない。Brucknerは良かったんですけどね。音が悪い、響きが地味すぎ、アンサンブルもイマイチ、なんか不機嫌・・・・と好きになれない。楽しめない。これは聴き手であるワタシのスランプでしょうか。カイルベルトのファンの方はたくさんいらっしゃるでしょうから、ワタシへの叱責、激励、批判、助言をお待ちしております。

 まず第1番。モノラル録音とは知りませんでした。ワタシは第1楽章提示部が繰り返されていないと、損をしたような気分になります。1955年くらいの録音でしょうかね。もちろん後のカラヤン時代の音色とはずいぶん違っていて、たとえば、あの鼻声の透明なオーボエ(コッホ〜シェレンベルガー)は聴けなくて、フルートは可憐で色っぽいツェラーではなく、ニコレでしょうか。厳しくも禁欲的な音色。

 カイルベルトの趣味なんでしょうが、全体に地味でおカタい。窮屈で余裕を感じない演奏。・・・・と思うのはワタシのスランプ?

 第3番はカイルベルト縁のバンベルク響、しかもステレオ録音でっせ。地味で渋い魅力溢れるBrahms を期待させます。ところが、どうもオケが上手くない。弦楽器のアンサンブルに集中力を欠く。もしかしてベルリン・フィルと並べて比較してしまうからでしょうか。(いやぁ、そんなことないよな、ローカル・オケ大好き人間のくせに)

 ところどころ「!」とうところもあって、ホルンやオーボエの音色なんて、味わいがあって悪くないとは思うんですけど。どうも聴いていて、洗練されない響きに集中しきれないのは・・・・ワタシのスランプ?

 このなかでは第2番が一番楽しめました。さすが、弦も管も細かいニュアンスに満ちて、厚みのある迫力も一流のオケの技。とくにチェロの切々とした歌、木管群の朗々とした上手さは納得です。ティンパニの決まりかたも流石。

 ワタシはこの曲、最終楽章の怒涛の勢いに注目します。(クライバーのFM放送で聴いた演奏で開眼)なんかカイルベルト爺さんも、いつになく張り切って熱気があっていい感じ。重すぎず、派手すぎず、地味すぎず、力感があって、これはオケの力だなぁ・・・・・・・・・なんて思うのはワタシのスランプ?

 Brucknerでは力演だったハンブルク国立フィル(国立管弦楽団・・・・というウソ表記はやめて欲しい)による第4番。

 もともとパッとしないオケらしいのですが、カイルベルトとは相性が良いみたいで、「泣き」の入った節回しが決まっています。ベルリン・フィルのあとに引き続き聴くと、アンサンブルはやや散漫か?とも思いますが、なかなかスケールもあって決まった演奏。

 木管の音色なんて、奥行きが足りないんですが、ていねいに一生懸命吹いている感じは理解できて、けっこう心打ちます。金管の迫力もいまひとつ、弦も薄い(チェロとホルンはブラームスのキモだから)。でも、このオケって、なんとなく好きです。第2楽章は、抜いた音にオケの余裕が感じられず、にぎにぎしい第3楽章はリズムの躍動感イマイチ。最終楽章の木管も、金管も地味過ぎで迫力不足・・・・・なんて思うのはワタシのスランプ?(1999年更新)


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written by wabisuke hayashi