To おたよりありがとう

保科氏と兼田氏

堀さん、お手紙ありがとう

 先日、岡大響2002サマーコンサート(2002年7月6日)で、アンコール演奏について触れていたら、その関連で詳細メールいただきました。ちゃんとワタシのサイトを読んでいただいているようで、嬉しい。以下、了承を得てそのまま掲載します。


岡大響の更新内容に反応してしまいました。

>保科さんの友人追悼で、アンコールで再度葬送音楽としてしめやかに、心を込めて演奏していただいたが、

この友人とは、先日亡くなられた作曲家、兼田敏 氏かと思います。 保科洋氏は、管楽器(吹奏楽)をやってると出会わざるを得ないほどの 著名な作曲家なのですが、その友人の兼田敏 氏となると、 更に有名で、かつ興味深い作品をたくさん書かれた作曲家です。

保科氏と兼田氏は、東京芸大の同窓だそうで、保科氏は 兼田氏の存在がなければ今ほど吹奏楽の作品を書くことは なかったと公言されています。それから、二人の友情を示す 愉快な、そして悲しい逸話がありまして・・・。

二人は冗談で、お互いの葬送曲を創る約束をされたそうです。 そして兼田氏に機会があり、先に「嗚呼!(保科洋君!)」と いう葬送行進曲を創られました。括弧内は楽譜には表示されて いませんが、保科氏には曲の趣旨は伝えていたそうです。

そして二人ともまだまだ死にそうにないので、保科氏ものんびりと されていたのですが、兼田氏に入院する機会があり、その時に 保科氏は慌てて「Lamentation to・・・」という作品を書き上げた そうです。その折の兼田氏は大事無く退院されたそうですが。

エピソード自体は愉快な話なのですが、二つの作品の内容は 重く悲しみがいっぱいの曲なんです。二人の間をわかつであろう まだ来ぬ死の瞬間、それを悼む気持ちが込められているようで、 どちらの曲にも本当に感動してしまいます。

どちらも、演奏され続けていく作品となりそうです。

そしてついに、兼田氏は亡くなってしまわれました。 先月の末には音楽葬が行われたそうです。 保科氏の気持ちを思うと、私の兼田氏への悲しみなど、どことなく 的外れというか、場違いのような気がしてなりません。 保科氏の悲しみの深さ、それは「Lamentation to・・・」の 中にある気持ちなのですから・・・。兼田氏の「嗚呼!」と ともに、つらい作品となってしまいました。

二楽章を友人に捧げられたという逸話、 悲しく読ませていただきました。

長々とすいませんでした。


(更に追加のメールをいただきました)

先月末に、兼田氏の音楽葬が行われたと書きましたが、 その葬儀委員長を、やはり保科氏がされていたそうです。 こちらに詳細情報があります。

http://hiroki.lib.net/bin/ongakusou.html

私も参加したかったのですが、会場が岐阜でしたので参加は諦め、 手元にあるCDを聴くことで、追悼の思いを届けることにしました。

保科洋氏は、吹奏楽作品の作家としては重要な方だと思います。 規模の大きい曲もいくつか手がけていますし、 コンテストの課題曲などにも、氏の作品がいくつかあります。 私も保科氏の「風紋」という作品を演奏したことがありますが、 綺麗な旋律いっぱいの曲でした。作風は、いわゆる現代的な ものではなく、叙情的な側面が強いかと思います。

既にご存知かも知れませんが、氏のホームページがあります。

http://www.hoshina-music.com/

またも長々とすいません。 それでは、失礼致します。

堀健太郎

(2002年7月14日)


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written by wabisuke hayashi