岡大響2002サマーコンサート2002年7月6日(土)PM 6:30〜岡山シンフォニー・ホール
Wagner 指揮 秋山 隆
Gounod
Beethoven
保科 洋/岡山大学交響楽団 チケット代800円(当日券) 若い人達の演奏会は気持ちがよろしい。新しい団員が増えたみたいで、ずいぶんと大人数でした。客も多くて、1400人はいたでしょうか。ことしのコン・マス君は優等生タイプを絵に描いたような(ちょっと融通利かなさそうな)真面目風で、背筋を伸ばしてアンサンブルをキチンとまとめておりました。立派。今回は第2ヴァイオリンが右に陣取る「対向配置」(最後まで)。 ま、ワタシは演奏の方はさっぱりだからわからんが、いきなりWagnerなんてムズかしそうじゃないですか。ゾロゾロと、例えばコントラバスは10人くらいかな。なんやら大人数でした。お馴染みの秋山さん登場。ゆったりとしたテンポで「名歌手」開始。スケールが大きくて良く鳴るオーケストラ。途中の木管登場の部分のテンポを落としたのは、演奏上の配慮かも知れないが、これが効果的でした。 ヴァイオリンがユニゾンで下降旋律を歌うところは、やや足並みが揃いませんでした。でも、楽しげなアンサンブルに些細なキズなど気にならず、悠々と気持ちよく演奏してくれて、雄弁な金管も立派。ワタシは堪能しました。ラスト、シンバルが鮮度抜群の衝撃。 「ファウスト」は、甘い旋律が華やかですよね。ふだん好んで聴く音楽じゃないが、これほど弦が甘やかに歌う曲であることを再確認しました。打楽器が多彩に活躍するし、「名歌手」よりずっとアンサンブルもまとまって美しい演奏に仕上がっていました。 (休憩15分有。このところアルコールが続いているので、本日はコーラなどで) Beethoven の交響曲第7番は、激しい音楽ですね。ワタシは、日常滅多に聴きません。中学生時分は第2楽章を「世の中にこれほど美しい旋律があろうか」と思っていたのに、そんな感性はすっかり摩滅しました。気力充実した若者には相応しい音楽でしょうか。きょうは昔の感動を思い出しましたね。 「音楽と魚は鮮度が勝負」(ヘーゲル〜ウソ)という有名な格言があるように、音楽が今、目の前で生まれている鮮度に驚くばかり。この曲、2管編成でトロンボーンはないし、打楽器はティンパニのみ。前2曲よりずいぶんと編成は小さいんです。でも、それと「音楽の大きさ」はまったく別世界。 第1楽章冒頭の一撃からの迫力。木管のやや粗々しい響きもかえって効果的で、若者の激しい音楽に相応しい。どの楽章もリズムに溢れていて、しかもそれが強烈〜なんて話し、誰でも知っているでしょ。でも、ワタシは「第7交響曲ナマ初体験」でそれを初めて実感しました。だいたいティンパニ君の(休む間もない)活躍ぶりを見ていればわかるが、裏打ちのリズム・バリバリで躍動する音楽。 これは第2楽章でも変わらない。保科さんの友人追悼で、アンコールで再度葬送音楽としてしめやかに、心を込めて演奏していただいたけれど、やはり強烈なリズムが根底にあって興奮します。ましてや第3楽章スケルツォ、そしてフィナーレの大爆発。トランペット+ホルンのみという金管でも不足はまったく感じない。 これはCDで聴く音楽じゃないな。マンネリ感も一発で吹っ飛ぶ熱狂。この曲でこれほど感動したのは、おそらく20年以上ぶりでしょうか。アンコールでヨハン・シュトラウスのポルカを演奏してくれたが、曲名を失念しました。素晴らしい演奏会をありがとう。
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