Hindemith 管弦楽のための協奏曲/
ヴァイオリン協奏曲(イヴリー・ギトリス(v))/
Ligeti アトモスフェール(ハンス・ロスバウト)


Membran 600487 Hindemith

管弦楽のための協奏曲

ニューヨーク・フィル(1960年ライヴ)

ヴァイオリン協奏曲

イヴリー・ギトリス(v)/バーデン=バーデン南西ドイツ放送交響楽団(1962年)

Ligeti

アトモスフェール

バーデン=バーデン南西ドイツ放送交響楽団(1961年)

ハンス・ロスバウト

Membran 600487

 Hans Rosbaud(1895-1962墺太利)は同時代の音楽に一家言あったクールな表現の人。ニューヨーク・フィルにも客演したのですね。Hindemithの管弦楽の協奏曲はBartokに先行して1925年初演、二管編成バロック風合奏協奏曲を意識した4楽章の作品なんだそう。こちらも名曲ですよ。第1楽章「Mit Kraft, masig schnelle Viertel, ohne Pathos und stets lebendig」(3:11)第2楽章「Sehr schnelle Halbe」(3:16)第3楽章「Marsch fur Holzblaser: Nicht zu langsame Viertel」(3:46)第4楽章「Basso ostinato: Schnelle Viertel」(2:21拍手有)1960年のライヴとしてはちょいと曇り過ぎな音質にがっかり、それでも馴染みの薄い作品は粗野に野蛮、息も付かせぬ緊張感に充ちて、なかなかカッコよろしい作品であり演奏でしょう。題名からの作品印象はBartokよりいっそう顕著、バーンスタイン時代のニューヨーク・フィルは管楽器パート派手に存在感を主張して打楽器も効果的、明るく力強い響きは躍動しておりました。

 ヴァイオリン協奏曲は1940年の初演(フェルディナント・ヘルマン(v)/メンゲルベルク)。ジミな存在にあまり録音も多くないけれど Ivry Gitlis(1922ー2020以色列)はこの作品を得意としたらしくて1962年の録音も存在します。第1楽章「Massig bewegte Halbe」(7:58)第2楽章「Langsam」(8:48)第3楽章「Lebhaft」(8:54)この作品も気分感情の読めぬ乾いた情感に溢れて、例の如く辛気臭い旋律には力感はあっても、甘さの欠片もない辛口、かなりハードなヴァイオリンの技巧際立つ作品。音色は艷やかに美しいですよ。終楽章「元気よくいきいきと」には冴えたテクニックと軽快な疾走が待っておりました。時代を勘案するとわかりやすい、平易な作風かと。ロスバウトは緻密なサポートぶり。

 Ligetiの「アトモスフェール」は初演辺りの録音でしょうか。(1961年ロスバウトが担当)映画「2001年宇宙の旅」にも使われ、トーン・クラスター(ある音から別の音までのすべての音を同時に出す房状和音・・・とやら)オルガン鍵盤を手のひらでべったり押したような、不気味に怪しくも不安な叫びが延々と広がりました。(8:34)

(2023年12月16日)

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written by wabisuke hayashi