Haydn 協奏交響曲 変ロ長調/Pleyel 協奏交響曲第5番ヘ長調
(ヴォフダン・ヴァルハル/スロヴァキア室内管弦楽団)


OPUS A 91511096 Haydn (1732-1809)

協奏交響曲 変ロ長調 Hob.T/105
ヴァイオリン、チェロ、オーボエ、ファゴットと室内管弦楽のための

Pleyel(イグナツ・ヨゼフ・プライエル 1757-1831)

協奏交響曲第5番ヘ長調
フルート、オーボエ、ファゴット、フレンチホルンと室内管弦楽のための

ヨーゼフ・コペルマン(v)/ユライ・アレクサンデル(vc)/ローター・コッホ(ob)/クラウス・トゥーネマン(fg)/ズデニェク・ティルシャル(hr)/ミロ・ユルコヴィツ(fl)/ヴォフダン・ヴァルハル/スロヴァキア室内管弦楽団

OPUS A 91511096 1980年録音

 この間、集中的にヴォフダン・ヴァルハル/スロヴァキア室内管弦楽団の録音を拝聴する機会を得、モダーン楽器による端正なアンサンブルに感心しておりました。十数年前、Vivaldiの録音にガッカリしたのは幻か、大勘違いだったのか?CDを処分した今となってはなんとも・・・どこかにありませんか?このCDの主眼は(珍しい)Pleyel(プライエル)を聴きたかったため。Haydnも大好きな、屈託ない愉悦に充ちた名曲、さて棚中にはどんなCDが揃っていたか・・・記憶飛んでおります。

 アダム・フィッシャーとアンタル・ドラティは全集だから当然含まれているとして、ヴァーツラフ・ノイマン(ゲヴァントハウス)、ロス・ポープル、この辺りは全部処分したっけ。閑話休題(それはさておき)これはMozart に負けぬ名曲!ぼんやり聴き始めたら、なんて素敵な作品、演奏なんだ!慌ててソロを確認したらベルリン・フィル(コッホ)、北ドイツ放送交響楽団(トゥーネマン)、チェコ・フィル(ティルシャル)、各々錚々たる名手が参加しておりました。そんなことに気付いたのは拝聴後のこと。おそらくはディジタル導入直前のアナログ録音はしっとり、耳あたりマイルドなもの。

 ザロモン・セット(後期12作品の交響曲)と同時期、Haydn晩年の傑作は1794年ロンドンでの初演。明朗シンプルな第1主題提示、堂々とした構えの第1楽章「アレグロ」はヴァイオリンを先頭に、オーボエ、ファゴット、チェロが愉しげに、控えめにからみ合って表情豊かであります。ソロ・パートは特別に”各々色”を強調するわけでもなく、バランスと繊細重視な存在感〜やはり主役はヨーゼフ・コペルマン(v)か。ヴァルハルのオケは立派やなぁ、作品が作品だから大仰にスケール大きな表現に非ず、ちょうど聴き馴染んだ後期交響曲の現代楽器アンサンブルの雰囲気であります。

 サウンドに奥行きを加えているのはトゥーネマンのファゴットか。ヴァイオリン別格としてコッホのオーボエは華ですね。コペルマンも含め、しっとりとヴィヴラートなど強調せぬサウンドであります。第2楽章「アンダンテ」の各ソーロ・パートは、しみじみ静謐な絡み合いが絶品でしょう。この楽章は陶然と拝聴すべき名旋律の宝庫でっせ。

 第3楽章「アレグロ・コン・スピーリト」は快活なオケが賑々しく第1主題を提示し、ヴァイオリン・ソロがレシタティーヴォ風に受けるといった、まるで声楽作品風。すぐに第1主題を歌い出して、各ソロがそこに華と色を添える、といった楽しいもの。やはり、ファゴットのソロがなかなか凄いじゃないっすか。ここに至ってチェロも細かい音型を披露して、腕の見せどころ。短調に崩れていく風情はMozart を連想させますね。真作かどうか疑われている名曲、協奏交響曲 変ホ長調 K.297b (K.Anh.C14.01)は1778年作曲?とされるから、その影響ありましょうか。それに負けぬ名曲であります。

 もともとこの一枚の主眼はPleyelの協奏交響曲第5番ヘ長調でして、てっきり仏蘭西の方かと思ったらオーストリア出身、イギリスにて財をなし、晩年は仏蘭西にて企業家として過ごしたとのこと。例の(製造中止になった)「プレイエル」のピアノはこの人が創立したのですね。我らがヴォルフガングとほぼ同い年。第1楽章「アレグロ・コン・ブリオ」は、Haydnとはうって変わって、オーボエ、フルート大活躍、そしてホルンの厚みが圧倒的な存在感となります。ローター・コッホもようやく”ベルリン・フィルの音”発揮して、古典的に端正なHaydnに比べ、ずっと賑々しく華やか、ウキウキするような愉悦はMozart を連想させます。各ソロの技量全面発揮といったところ。

 第2楽章「テンポ・ディ・メヌエット・グラツィオーソ」も、優雅なソロ前面に活躍して、バランス重視な前作と大きく異なります。ヴィヴラートたっぷり、雄弁なティルシャル先頭に〜それを受けるファゴットも纏綿と歌います。それに絡む明るいオーボエ、そしてフルート・・・(音色的に)着飾った名人たちの競演、腕の見せどころ合戦といったところ。終楽章「プレスト」はわずか2:26。忙しく囁き合うようなソロのレビュー風情。ラスト、テンポを落として名残惜しく、短いご挨拶も微笑ましい。(伝)Mozart 、Haydnに負けぬ名曲でありました。

(2014年1月18日)


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written by wabisuke hayashi