Haydn 交響曲第13番ニ長調/交響曲第14番イ長調/
交響曲第15番ニ長調/交響曲第16番 変ロ長調
(アダム・フィッシャー/オーストリア=ハンガリー・ハイドン管弦楽団)


BRILLIANT BRL 99925 Haydn

交響曲第13番ニ長調
交響曲第14番イ長調
交響曲第15番ニ長調
交響曲第16番 変ロ長調

アダム・フィッシャー/オーストリア=ハンガリー・ハイドン管弦楽団

BRILLIANT BRL 99925 1991年録音

 アダム・フィッシャーによる全集録音より。コンサート・マスターはRainer Honeck。残響豊かな収録会場、全般にマイルドに洗練されやや線の細い、バランス重視なサウンドと感じます。この全集CDボックスを購入したのはもう20年ほど前?その当時はそれだけで嬉しく聴いていたけれど、やがていろいろ(古楽器演奏も含め)幾種もあちこち聴いて、こちらちょっと個性やメリハリが弱いかなとも感じるようになったものです。100曲を超える膨大なる作品は日々徐々にお勉強中です。以前に比べると拝聴機会は増えました。

 交響曲第13番ニ長調はフルートは一本だけど、ホルンは4本(そのワリに活躍場面は少ない)ティンパニも入ります。第1楽章「Allgro molt」は快活素直に躍動して、ホルンの強奏は一回のみ。第2楽章「Adagio cantabile」は弦のみの演奏、チェロ・ソロが静かに優しい旋律を歌います。第3楽章「Menuett-Trio」は優雅にノンビリとした3/4拍子の舞曲。トリオは牧歌的なフルートの鳥の声?+ヴァイオリンやチェロが掛け合います。ティンパニのリズムも効果的。第4楽章「Finele, Allegro molt」はジュピター音形が幾度登場して、元気よく締め括られました。(3:45-5:51-5:13-3:25)

 交響曲第14番イ長調はフルートもティンパニもなし、オーボエ、ホルンが各々二本。第1楽章「Allgro molt」管楽器が少なくてもホルンも効果的にヴィヴィッドな始まり。わずかな暗転が色彩を加えます。なかなかの名曲。第2楽章「Andante」は弦のみによる緩徐楽章は、落ち着いたスタッカート旋律。この風情はHaydnの個性を強く感じさせます。第3楽章「Menuett-Trio;Allegrett」ここはホルンが効果的な3/4拍子。拍子は違うけれど前楽章の牧歌的な風情は似ていて、トリオはオーボエによる暗転も印象的でしょう。第4楽章「Finale, Allegro」は第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンの旋律が掛け合って、フーガのような効果を上げているところ。ちょっぴり陰影もあって、Haydnの革新的なトライヤルが感じられるところでした。(4:15-3:39-3:40-3:29)

 交響曲第15番ニ長調の編成は前曲と同じ。第1楽章「Adagio-Presto-Adagio」は弦とホルンによる静かに優雅な序奏に始まって、ここはなかなか美しいところ。やがて快活なPrestoに突入して、わずかな暗転も効果的でしょう。そして冒頭を再現して名残惜しく終了。第2楽章「Menuett-Trio」は典型的な3/4拍子、ゆったりとした舞曲。途中トリオではチェロ、ヴィオラ、ソロの掛け合いが聴かれます。第3楽章「Andante」は弦のみ。デリケートにシンプルな旋律がそっと続いて、途中情感の高まりも感じさせました。第4楽章「Finale, Prest」は3/8拍子。堂々とリズミカル、中間部ニ短調の寂しい旋律が色彩を添えております。(6:37-5:00-4:37-3:42)

 交響曲第16番 変ロ長調も同じ楽器編成。緩急緩の3楽章制。第1楽章「Allegro」の下降音形はなかなかモダーンな感じ。陰影豊かな名曲でしょう。第2楽章「Andante」は弦のみ。シンプルに飾りのないヴァイオリンの旋律はHaydnの魅力を端的に示しているところ。第3楽章「Finale, Presto」は快活リズミカルな躍動が続きました。(3:54-4:57-3:19)
*後で気付いたけれど、2007年に一度コメントをしておりました。

(2023年9月30日)

【♪ KechiKechi Classics ♪】

●愉しく、とことん味わって音楽を●
▲To Top Page.▲
written by wabisuke hayashi