Handel 合奏協奏曲 作品6より(ヘルベルト・カラヤン/ベルリン・フィル)
合奏協奏曲 ヘルベルト・カラヤン/ベルリン・フィルハーモニー(一部カラヤン自らチェンバロを弾いていたはず) KARLSKOGA DISKS(DG録音の海賊盤) KC0027 1966/7年録音 600円で購入。 「カラヤンのバロックは素晴らしい」(誰も賛同してくれない)原則を証明する凄い一枚。ブランデンブルク協奏曲を上回る迫力、リッチぶり。全曲欲しいような気もするが、食傷気味になる予感もあって怖い。 久々に聴いたけど、あまりの迫力に声も出ない。高級フランス料理の「食い放題」(そんなのないか)みたいなもの。 ニ長調協奏曲の冒頭、シュヴァルベの独奏ヴァイオリンが鬨の声をあげると、一気に音楽の喜びの淵に叩き込まれる思い。ゴージャスで深く、輝くようなアンサンブルの響きに埋め尽くされ声も出ません。ラルゴにおける神秘的と云っても過言ではない静謐な響き、アレグロにおける怒濤のラッシュの迫力と、メヌエットの堂々たる歩み。(チェンバロの迫力が、ギターのストロークを連想させます) ロ短調協奏曲における序曲の甘美な悲しみ。アレグロにおけるベルリン・フィル主席達の、あまりに流麗な掛け合いの妙。アリア〜ラルゴのムーディ過ぎる耽溺、アレグレットにおける、粛々と静かに迫る優秀なアンサンブルの寂しさの表現。(石川さゆりバリの、弱音で繊細な節回しに近い) ニ短調協奏曲。悲壮な序曲の重さ。アレグレットにおけるフーガの分厚い響きの渦、エアの繊細で濃厚な歌の深さ、再びアレグレットのフーガに戻り、鋭く磨かれたシュヴァルベの艶やかなソロを呼び水に、奥行きのある合奏が全開へ。最後はゆったりとした安らぎで華やかに終わります。 いまや絶対に聴かれない超豪華バロック。最近流行の「オリジナル・スタイル・バロック」とは一切無関係。貴重です。重要無形文化財。(CDは形があるけれど)とにかくオーケストラが上手い。カラヤンが磨き上げたアンサンブルが輝かしい。奥行き深く、瑞々しく、厚化粧バッチリ。超重量戦車。お金持ち!理屈抜きのムード音楽。録音最高。 こんなのばっかり聴くから、フツウのHandel では満足できないカラダになってしまうワタシ。カラヤンはメジャーの代表だけれど、彼のバロックはマイナー中のマイナーでマニアック度はそうとうなもの。そんじゅそこらのヤワな演奏はもう聴けません。困った。
●カラヤンのブランデンブルク協奏曲も好きです。
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