Franck ピアノ五重奏曲ヘ短調/前奏曲、コラールとフーガ
(ジャクリーヌ・エマール(p)/レーヴェングート弦楽四重奏団)


PHILIPSのLP Franck

ピアノ五重奏曲ヘ短調
前奏曲、コラールとフーガ

ジャクリーヌ・エマール(p)/レーヴェングート弦楽四重奏団

1955年/1953年録音

 以前、FaureのVOX録音関連にちょっぴり言及していたもの。エマールはこちらの録音に馥郁たる上品な個性がよう出ていると思います。少々昔のモノラル録音だからネットから自由に音源入手可能、ジャクリーヌ・エマール(Jacqueline Eymar、1922-2008)は往年のフランスの女流らしい。夢見るようにやわらかいピアノの響きはプレイエル?ド・シロウトなんで違っていたらごめんなさい。レーヴェングート弦楽四重奏団は1929年結成、長く50年ほど活躍したとか。ほんのちょっぴりポルタメントの痕跡?有。音質はかなり良好です。

 第1楽章「Molt moderato quasi lento」。冒頭、弦による決然とした序奏(誘い)に、ピアノは躊躇いがちに応える・・・男女の情熱的な愛の会話の始まりであります。やがて激情は高まってAllegroへ、ここのピアノと弦楽四重奏の掛け合いはアツいもの、例の如し循環主題が繰り返されて、ド・シロウトにもわかりやすい音楽であります。(15:35)

 第2楽章「Lent.con molto sentimento」ここの主題も第1楽章に登場した循環主題の派生とのこと。静謐瞑想の楽章はたしかに聴き覚えのある旋律が淡々と歌っております。ヴァイオリン・ソナタにも似て、やがて儚く消えていきました。(10:57)第3楽章「Allegro non troppo ma con fuoco」。不安げな第2ヴァイオリンは風雲急を告げる不安定なトレモロ開始、やがて厳しいリズムを確立して、ピアノは細かい音型を刻みます。ここでも前楽章前々楽章の旋律が木霊して、やがてスウィングしながら高まる情感!(9:10)  エエ曲やなぁ。最高。

 火照ったノーミソに前奏曲、コラールとフーガは最高のクールダウン。(18:57)これもエッチな甘い作品でっせ。Bachの衣鉢を継いだんだろうなぁ、オルガンを連想させる荘厳な作品です。

(2017年9月10日)

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written by wabisuke hayashi