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「ワタシの好きな曲」

【♪ KechiKechi Classics ♪】 外伝


 こちら市井の無名市民ゆえ「貴方の好きな曲は」とか、「無人島へ持っていく3枚のレコードは?」(無人島には電気もプレーヤーもないって)なんて訊かれることもありません。で、自分のHPに勝手に掲載することに。ふだん、そんなことを考えたこともありません。いざ、思い浮かべてみると、小品しか出てこない。

 それと、子供時代から知っている曲ばかりでもある。素敵な音楽との出会いは毎日のようにあるが、「お気に入りは?」と振り返ってみると、昔馴染みになってしまう。やはり子供時代の経験は大きいのでしょう。「お気に入り」というより「馴染み」といったほうがよろしいでしょうか。以下、思いつくままに、順不同で。

1) Mozart ロンド イ短調K511

 この透明な悲しみは底知れない。激高して泣き叫ぶのが本当の悲しみではなくて、微笑みの中に噛みしめている悲劇。聴いていて切なくなる。
 この曲、LP時代からブレンデル(BRILLIANT 99353 1968年録音〜ヴァンガード原盤)で聴いていて、ふっくらとした暖かい音色がたまらない。CDはあまり持っていなくて、ほかピレシュ(DENON C37-7388 1974年録音)くらいしかありません。化粧っけがなくて、素っ気ない表現だが、これも悪くない。

2) Beethoven 「エリーゼのために」イ短調 WoO 59

 あの厳つい顔つきで、こんな可憐な旋律を書いていたかと思うと不思議でならない。曲もいいがネーミングも最高。誰でも知っている3分くらいの作品ですが、深淵なる思いに駆られます。グルダ(AMADEO PHCP-9013 1961年)の演奏で。ちょっとためらいがちに揺れるテンポに痺れます。

3) KREISLER 「愛の悲しみ」

 クライスラーはなんでも好きだが、この曲は別格。甘く、切ないメロディ。青春の胸の痛み、みたいなものを感じます。演奏はどんなんでもOK。かなり以前にウィーン・ハイドン・トリオが来日して、FM放送のアンコールでこの曲を演奏していました。チェロの伴奏がとても効果的で、素晴らしかった。

4) Bach 「主よ、人の望みの喜びよ」

 「至福」。この曲を聴いていると「本当の幸せとはなにか」を考えてしまいます。物質ではない、こころの豊かさ。原曲でも、ヘスのピアノ編曲でも良いけれど、ワタシはストコフスキーの編曲でこの曲と出会い、ずっと愛聴してきました。(VANGUARD KICC2166 )

5) Brahms ワルツ 変イ長調 作品39-15

 なんと懐かしく、やさしい。ブラームスはヨハン・シュトラウスのワルツを愛していたとのこと。あの、むさ苦しい爺さん(会ったことはないが)から生まれたとは、信じられない可憐で優しい世界。ビレットのCDが手に入りやすいでしょうか。(NAXOS 8.550355)

6) VAUGHAN-Williams グリーンスリーヴスによる幻想曲

 弦とハープ、フルートのみで演奏されます。爽やかな風が吹き抜ける、イギリスの田園風景がどこまでもひろがります。演奏は誰のでも良いけれど、録音は新しいほうが良いでしょう。ボートン/イギリス弦楽オーケストラ(NIMBUS NI5210/3)の囁くような、サラリと控えめな演奏はいかがでしょうか。(蛇足ながら、次に収録されているHolst「セント・ポール組曲」作品29-2のフィナーレに「グリーンスリーヴス」の主題が絡んで、けっこう感動もんです)

 音楽はなんでも好きだけど、思いついた6曲は別格だなぁ。これ以上、取り上げ出すと数百曲の水準になってしまうので、ここらで止めておきましょう。貴方の好きな曲も教えて下さい。(2000年9月30日)


【♪ KechiKechi Classics ♪】

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written by wabisuke hayashi