ENGLISH STRING FESTIVAL
(エイドリアン・リーパー/カペラ・イストロポリターナ)


NOXOS 8.550331 1989年録音 Dowland

5声のガイヤルド(ガリアード)

Elgar

エレジー 作品58
序奏とアレグロ 作品47
弦楽セレナード 作品20

Bridge

ラメント

Parry

イギリス組曲
組曲「ラドノール夫人」

エイドリアン・リーパー/カペラ・イストロポリターナ

NOXOS 8.550331 1989年録音  800円で購入。

 エイドリアン・リーパーは英国の中堅であり、NAXOS初期のレパートリーを数多く支えた指揮者。その後、グランキャナリア・フィルのシェフとなって(これまた廉価盤レーベルである)ARTENOVAに多く録音を残しております。ちなみに、カペラ・イストロポリターナはブラティスラヴァ(スロヴァキア共和国)の室内管弦楽団であって、当時は大活躍でした(2006年に来日)。このCDは1990年代前半に購入していて、こういった地味な英国音楽作品は当時、廉価には入手しにくかった記憶もあります。もしかして今でもそうか。それにしても、当時からかなりマニアックな嗜好だ。

 ザラリとして艶々ではないサウンド、リーパーの表現はかなり常識的であって、変化や詠嘆方向ではないが、細部ていねいに仕上げております。Dowlandは16世紀英国の作曲家だけれど、もしかして原曲はリュートか?わずか2分弱、このCD一枚の厳粛かつアルカイックな序曲となっていて、期待は高まります。偉大なる先人に対する敬意の一曲収録。

 このCD中では知名度高いElgarは「エレジー」から始まっていて、題名から連想されるような「哀歌」ではなく、あまりの悲しみを通り過ぎて抜け殻のような境地にたどり着き、微笑みさえ浮かべている〜静寂なる名曲。「序奏とアレグロ」は、弦楽と弦楽四重奏の詠嘆合戦であり、リーパーはテンポの緩急をあまり付けずに清潔に表現しております。弦楽四重奏部分ではもっと”泣き”があっても良いだろうが、繊細な呼吸を感じさせる立派な演奏也。

 「セレナード」も同様ですね。かつて、激遅濃厚な演奏に出会ったこともあるけれど、この作品は短いし、サラリとフツウに演奏して下さって似合わないことはない。以下、なかなかふだん出会わない作品連続。若き自分はこの辺りが狙いで購入したんだろうな、きっと。

 Bridge一般に(日本では)人気のない英国作曲家の中でも、いっそう聴かれる機会の少ないもの。弦楽合奏のための「哀歌」:ルシタニア号沈没の犠牲者キャサリンの追憶に Lament for string orchestra (1915)・・・わずか4分ほどの作品だけれど、幻想的静謐であり、かつ前衛的な旋律は”英国穏健ではない”感触があります。

 Parryも人気ないかな。イギリス組曲は第1楽章 「前奏曲」ト長調 4/4 /第2楽章 「メヌエット様式で」 ト長調 3/4 /第3楽章 「サラバンド」ホ短調 3/4 /第4楽章 「カプリース」 ハ長調 3/4 /第5楽章 「パストラル」 ハ長調 2/4 /第6楽章 「エア」 ト長調 4/4 /第7楽章 「フロリック」 ト長調 4/4からなる擬バロック的楽しい、わかりやすい音楽です。(ワタシは”擬バロック”大好き!)華やかさとか、ここは一発!盛り上がり、みたいなものとは無縁の淡々とした音楽・・だけれど、「皿バンド」にはうっとりと哀しみが漂いました。

 組曲「ラドノール夫人」も珍しい作品ですね。これも同様の擬バロック作品であって、「前奏曲」「アッレマンド」「サラバンド」「ブーレ」「ゆったりとしたメヌエット」「ジーグ」よりなる15分ほどの親密なる作品。こうしてみると、冒頭のDowlandとの整合性がちゃんとあるのかも。どれも懐かしく、激高しない、粛々と若き日の思い出を語るような懐かしい旋律続きました。

(2008年9月5日)


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written by wabisuke hayashi