Dvora'k 交響曲第9番ホ短調「新世界より」
(エンリケ・ホルダ/ロンドン新交響楽団1951年)


NMLにて拝聴 Dvora'k

交響曲第9番ホ短調「新世界より」 作品95

エンリケ・ホルダ/ロンドン新交響楽団(1951年録音)

NMLにて拝聴

 毎度お馴染み、いつもの戯れ言更新であります。

 諸行無常というか、永遠と信じていたものが変遷していくことは哀しい現実であって、ほんまは皆ココロのどこかで気付いていたと思います。サラリーマン生活も長くなり、ノーミソ硬直化は甚だしいと謙虚に自覚して、過去の些細なる成功体験は捨て去りましょう。中年以降の男性には虚心坦懐力が必需であります〜というのも、1990年代泣く泣くLPを諦めてCDに乗り換えたのに、とうとう2009年も後半となってデータで音楽を聴くようになった、【♪ KechiKechi Classics ♪】 を更新するようになっちゃった・・・そんな時代の遷り変わりに感慨があったので。

 エンリケ・ホルダ(1911〜1996年)はスペインの指揮者であり、1954-1963年にはサンフランシスコ交響楽団の音楽監督も務めていた由。たしか、シンフォニー・オブ・ジ・エアと来日もしていたはず(→違いました。ご指摘情報有)。でも、ほとんど誰も知らないでしょ?ワタシらの世代ではコロムビア・ダイヤモンド1000シリーズ「三角帽子」にて(バーバラ・ホヴィットの絶叫が凄かった!)ちょっぴり馴染みです。あとはルービンシュタインとか、カーゾンの伴奏のイメージばかり。「新世界」交響曲の録音が存在することはネット検索して知っていたが、この不況下(たとえ不況じゃなくても)CD化してまず商売にはならぬ・・・と、いうのが旧態とした考え方。正解といえば正解。

 ま、これぞ隠れた壮絶名演奏!ということでもないようだし、よほどの好事家じゃないと太古中古LPを探そうとはしないですよね。カネもかかる。でもね、ちょっと聴いてみたいな?〜そんな思いが簡単に実現できるエエ時代になりました。おそらくは著作隣接権切れのLP板起こし音源でしょう。音質はそれなり、そこそこ、劣悪なものではないが、鮮明さとか奥行きを期待できぬ時代相応のもの。低音はちょっと弱い。オケはロンドン交響楽団じゃなくて、新交響楽団〜これはナショナル・フィルと同じじゃないのか、いずれ録音専用オケと類推します。技術的にはまったく問題なし。いったいどこのレーベル録音ですか?RCA辺りか。SP時代からLP時代に至って、新しい音源が必要になったのでしょう。収録時間的な制限はないはずなのに、繰り返しはありません。

(後述;英DECCAだそうです。オリジナルは英デッカのLXT2000番台。 おそらく録音特性はRIAAカーヴ以前のDECCAカーヴと推測されます。 http://www.ann.hi-ho.ne.jp/aria/amp/EQ-Label/EQ-Label-Decca-WEB.htm。NMLの音が鈍いのは、板起こしの際にそこらへんの配慮が足りなかったのだと思います。LPもRIAAカーヴで普通に再生するとちょっと不自然な音でした。
ところでロンドン新交響楽団ですが、1905年に創設されたオケで、一時ビーチャムも振っていました。 ランドン・ロナルドの時代が長かったのですが、一時はロイヤルアルバートホール管とも称していて、ロイヤルアルバートホールを本拠地として活動していました。その後ロンドン新交響楽団と名は変わりましたが、ホルダの録音の頃はフィストラーリが主に指揮していたようです。との詳細情報をいただきました)

 ものものしいスケールと推進力+アツい開始の第1楽章「アダージョ〜アレグロ・モルト」。優しくもしみじみとした歌(フルート)ではテンポを落とします。テンションの高い絶叫(金管)との対比も効果的でしょう。時代掛かった表現ではなく、ヴィヴィッドでしっかりとした構成を感じさせる立派な出足です。ロンドンでの演奏会が評判になって、この録音につながった?そんな想像をしたくなる熱血演奏也。圧巻のアッチェランドも決まって第2楽章へ。

 第2楽章「ラルゴ」は12:30だから標準的なテンポでしょう。繊細でサラリとした味わいであります。イングリッシュ・ホルンの懐かしい歌+さわさわとした弦は絶品の表現。中間部(嬰ハ短調)のほの暗い対比もさりげなく上手い。そのあと、第1楽章主題回帰の爆発も抑制的であって、冒頭の静謐に戻りました。ラスト弦のソロの掛け合い〜全員参加へ、虚心に聴けば感動的な楽章であります。

 第3楽章「スケルツォ」は、馬力のあるオケでごりごり演って欲しいところですね。ティンパニが遠方でどんより鳴っているのは残念至極(ホルダの責任ではないだろうが)。細部迄メリハリのある表現であり、やがって熱狂の盛り上がりがやってくる・・・が、ここはやはり音質的問題がネックになってくるでしょう。四角四面じゃなく、意外と柔軟なリズム感だと思います。生真面目にあちこちテンポ設定を微妙に動かして、アンサンブルは優秀。オケの響きも明るくてエエ感じ。

 終楽章「アレグロ」は断固として決然とした表情が勇壮だけれど、オケの響きにはもっと厚み、豊かさが欲しいところ。録音印象かも知れません。熱血演奏ですよ。表情は多彩に変化して、推進力にも文句はない。華やかなる演奏と評してよろしいでしょう。大見得を切るような”タメ”はないが、それはむしろモダーンな感覚であると思います。ラスト、文句ない感動の嵐!〜にはちょっと不足するが、埋もれた音源をちゃんと聴けた、という感謝の気持ちをいただきました。

(2009年12月11日)


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