Dusek ピアノ協奏曲 変ロ長調(キリアコウ(p))/
Stamitz ヴィオラ協奏曲ニ長調(ヴォルフィッシュ(va))/ファゴット協奏曲ヘ長調(G.ズカーマン(fg))


VOXBOX CDX2 5529 Dusek

ピアノ協奏曲 変ロ長調

レナ・キリアコウ(p))/カール・アウグスト・ビュンテ/ベルリン交響楽団(旧西/1969年録音)

Stamitz

ヴィオラ協奏曲ニ長調 作品1

エルンスト・ヴォルフィッシュ(va)(1967年録音)

ファゴット協奏曲ヘ長調(1965年)

ジョージ・ズカーマン(fg)/イエルク・フェルバー/ヴュルテンベルク室内管弦楽団(ハイルブロン)(1956年録音)

VOXBOX CDX2 5148 2枚組1,550円にて購入したうちの一枚

 音楽を大切に聴くこと、媒体としてのCDをていねいに扱うこと、それを心掛けるようにしております。オークションで在庫CDを処分することも、滅多に聴かなくなったものを日本のどこかの愛好家にちゃんと聴いていただきたい、ということです。新品で購入したもの、中古で入手したもの、すべてワタシのCDはぴかぴかの極上品質です。その姿勢はLP時代に培われたものでしょう。

 なるべくありきたりな名曲やら、著名なる演奏家を避けてきたが、21世紀を迎え「巨匠不在の時代」を迎え、いったいなにを以て”メジャー”と呼ぶのか、判断が難しい・・・VOXBOXはここ最近処分を開始したところだけれど、これだったら充分珍しいものでしょう。おそらくは1990年代後半、博多(タワーレコード)にて購入した2枚組。

 Dussek(ドゥシェーク 1760年〜1812年)は、Mozart 、Beethoven と同時代ボヘミアの人。この変ロ長調協奏曲はMozart 一連の名曲に負けない、多彩な旋律を聴かせて下さいます。可憐で微笑んだような旋律はBeeやん系強面ではなく、まさに我らがヴォルフガングの世界に接近して、もっと屈託がない。不健康なる暗転はないにせよ、天才のワザに見劣りする作品ではありません。全22分。

 レナ・キリアコウはギリシアのピアニストだけれど、VOXでしか録音を見掛けません。たっぷりと瑞々しい音色で良く歌うスタイルは、昨今の古楽器録音(シュタイアー辺り)からかなり離れたスタイルだけれど、愉悦に充ちて立派なソロでした。ビュンテ(この人来日してますね)率いるベルリン響は、旧西側の(かなり粗雑な/録音も〜いつもながら〜よろしくない)オケであって、たしか解散したんだっけ?違ったか。詳細情報はこちら

 Stamitz(1745年〜1801年)も 世代は近いですね。ヴィオラはジミな音色だけれど、ここでの作品はかなりの超絶技巧を要求して、ヴォルフィッシュのアツい演奏とあいまって「ボヘミア辺りの古典派でしょ?」的安易な先入観を打ち破ります。バリバリ弾いてますっ!といった雄弁なるヴィオラでして、フェルバーの伴奏もビュンテとは段違いに充実しております。ちょっと驚き。第1楽章カデンツァは浪漫さえ感じさせる壮絶なもの。第2楽章「アンダンテ・モデラート」の詠嘆の表情も同様。

 ファゴット協奏曲ヘ長調は、(ワタシにとって)馴染みのジョージ・ズカーマン登場。この作品も明るい表情が楽しい旋律だなぁ。ズカーマンの技巧は軽快軽妙で、あの巨大で不器用そうな楽器から想像も出来ない自在なソロで魅了します。Mozart ばかり有名だけれど、Stamitzも優劣付けがたいと思いますね。陰影に充ちた、聴き手を厭きさせない多彩なる旋律+雄弁なるソロ(低音〜超高音までスムース)は、当時のボヘミアの音楽的隆盛を偲ばせます。なんといっても我らがヴォルグガングも、ご当地では大人気だったそうだし。

 LP時代からの劣悪音質に慣れているワタシとしては、ずいぶんとマシと感じるが、まっすぐにこれだけ聴けば優秀録音とは言い難い。最近は優秀なる古楽器演奏が、もっとリズミカルな表現で愉しませて下さるでしょう。ちょっと後ろ向きの、時代遅れのマニアな趣味であります。

(2008年7月4日)


【♪ KechiKechi Classics ♪】

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written by wabisuke hayashi