To CLASSIC ちょろ聴き
CLASSIC ちょろ聴き(24)
Beethoven 交響曲第3番「英雄」〜オットー・シュミット/ハンブルク交響楽団(録音年不明)
年末大掃除で拝借もの棚奥から発見!針音も傷も嬉しい板起こし。(第二楽章で途切れた感じがリアル)けっして良い音質とは言えないが、妙にリアルで、しかも燃えるような演奏です。速めのテンポ、グイグイとした推進力。アツい歌心。「セクシーでよく鳴るオーケストラ」ではないだろうが、意外なほどの好演!アンサンブルの水準!(というか、勢い命!)自信!葬送行進曲の劇的なこと。最終楽章変奏曲の堂々たる迫力。叩きつけるティンパニの衝撃。(2003年12月31日)
Brahms 交響曲第4番ホ短調/大学祝典序曲〜ハラース/スロヴァキア・フィル(1988年録音)
名曲を名曲として経験する〜そんな意味に於いてなんの不足もない一枚か。著しい個性があるわけでもないが、素朴で虚飾ない誠実さを感じさせます。スケールはあるが色気はない。ここでのオーケストラは、いつになく"鳴らない"印象有。弦がずいぶんと薄い。中音域がすっぽり抜けているようであり、これは録音問題かな。「大学祝典序曲」にはもっと元気が欲しいところ。(2003年12月19日)
Mozart ハフナー・セレナード K.250+行進曲ニ長調K.249〜西崎崇子(v)/ヴィルトナー/カペラ・イストロポリターナ(1990年録音)
NAXOS初期の主要なレパートリーを埋めていた西崎崇子のヴァイオリンは骨太で魅力的です。ナマのコンサートも聴いたことありますよ。しっかりしたテクニック、派手ではないが落ち着いて豊かな味わい有。ちゃんと楽隊の入場行進まで入っているし、イキイキとしてウキウキした楽しい曲だし、存分なる躍動感もあります。オーケストラは"うん!と極上"とは言いかねるが、この推進力に免じて許して下さい。西崎さんのヴァイオリンは文句なし〜アンダンテにおける朗々たる歌も、カデンツァにも惚れ惚れします。問題は、なんやらやたらと金属的な響きがキツイことくらいか。(2003年12月19日)
Sibelius 交響曲第3/4番〜リーパー/スロヴァキア・フィル(1990年録音)
NAXOSではサカリの新録音が出て実質上廃盤の憂き身か?この二曲はとくに辛気くさい雰囲気を漂わせているが、好きな人にはたまらん世界だろうな。(ちなみにワタシは嫌いではない)荒涼とした大自然の猛威に人間の存在などほとんど消えていますね。ワタシはこのちょっとだけ田舎臭い、洗練されない、雄弁になりすぎない演奏スタイルを評価しております。(再掲)同じオーケストラながら、上記、ハラースのBrahms よりずっと親密なサウンドでした。(2003年12月19日)
Rachmaninov ピアノ協奏曲第2番ハ短調/パガニーニ狂詩曲〜カッチェン(p)/ショルティ/ロンドン響(1958年録音)/ボウルト/ロンドン・フィル(1959年録音)
「とても絢爛豪華、というか、明るく華やかで、ショルティの切れ味鋭い伴奏がいっそうその印象を強めました」(音楽日誌より)カッチェンは1969年42歳という若さで逝去。英DECCAにはBrahms のピアノ作品全曲が残されていたはず。この作品は「ロシアの憂愁」といった印象があるが、バリバリ弾いてまっせ!的推進力に溢れて一風異なります。しかし1950年代アメリカの「明日という日は明るい日と書くのね」的ノーテンキさとは一線を画して、こちらのほうがワザが細かい。表現に奥行き有。ちょっとオーバーなくらい劇的。ド迫力。ボウルトのバックのほうがやや抑制が効いております。でも、トラックひとつは不親切か。(2003年12月19日)
【♪ KechiKechi Classics ♪】
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