Bruckner 交響曲第4番 変ホ長調
(ラインスドルフ/ボストン交響楽団)


EYEBIC  ECD-50025
Bruckner

交響曲第4番 変ホ長調「ロマンティック」(ノヴァーク版)

ラインスドルフ/ボストン交響楽団

EYEBIC ECD-50025 1966年録音 250円で購入(中古)

 2005年に正規CD化されました。(タワーレコードによる1,050円盤)未聴です。棚奥からこのCDが出てきたので、久々再聴しました。

 これは”板起こし”(LPからの勝手にCD化)なのでしょうか・・・そうでしょうねぇ、この時点正規未CD化だから。以前は「金管を開放させない(奥の方で鳴っている)」との感想だったが、そんなことより強奏で音がかなり濁る(すっきり抜けない)のが気になります。ま、ややぼんやりとしたノイジー音質だけれど、鑑賞に支障あるものでもない水準・・・と思いつつ、作品が進むに連れ、少々耳障りになってくるのもたしか。(正規盤じゃないので、本来の音質はわかりません)

 表現的には、ざっくりとして素っ気ないようでもあり、緻密入念なる集中力方面でもなく、燃えるような情熱奔流!では(もちろん)なし。要所要所ツボを押さえながら、要領よくまとめている・・・そんな感じでしょうか。ホルン(ジェームズ・スタリアーノ)とか木管とか、ほんまに深く、美しく、このオケは立派。でも、表現的に妙に落ち着きに欠けます。つまり「ロマンティック」な表現ではない。

 テンポの微妙な揺れが、独自な情感を呼ぶ・・・こともなくて、この乾いて割り切った表現を好まれる方もいらっしゃるでしょう。以下、2002年当時ワタシはこの作品を敬遠気味だった記憶もあって、かえってこのザッハリッヒな表現を、素直に受け入れることが出来たのかも知れません。こうしてみると、彼の表現は1950年代のMozart とそう変わることはない。

 こうして正規盤が出てみると、こうした”駅売海賊盤”でのコメントは少々気が引けるものですな。ワタシが”音質云々”するのは掟破りだけれど、(意味もなく)比較対照に取り出したティントナー/ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団盤(1996年)(NAXOS 8.554128)を聴くと、その微細な味付け、揺れ、鮮明な録音(といっても、別な意味で万全ではないのだけれど)に、胸の支えが取れたような錯覚に陥ったものです。

(2006年4月21日)


 ラインスドルフの「ロマンティック」は、1970年頃RCAの1000円盤LPで出ていたし、このCDもなんども見かけていました。ま、いつでもどこでも買えるわい、なんて思っていたけど、じつは希少価値だったみたいですね。「エリック・レインスドルフ/ボストン・フィル」との表記。(マイりました)

 例の如し、ご近所BOOK・OFFの「→250円へ値下げ」〜即全部買い占め中の一枚でした。「ええっと、正規盤はどうだっけ?」なんてインターネットで検索してみるが、例の中古廉価国内LP激安収集原理主義者である安田さんのサイトに出現するのみ。正規CD化はされていないらしい。なんとなく優越感に浸って嬉しいもの。

 安田さんは
 「録音のかげんからか全体的に音がダンゴ状態に聞こえるけど、よく聴くと内声部はしっかり鳴っている、また金管ファンファーレがぼわ〜んとした音で横に広がって聞こえるのも違和感がある。 しかし決して手抜きではなく十分に熱いしちょっと不思議な感じを持った」(おお、長い引用)とのこと。

 このCD、音の状態がかなり改善されているようで「ぼわ〜んとした音」じゃありません。もっと音響的に奥行きは欲しいけれど、それなりに細部までわからないことはない。金管を開放させない(奥の方で鳴っている)のは彼の考えでしょうか?それとも単なる録音問題か。ところが管がソロ(ホルン!これは美しい)になると、ちゃんと聴こえてくるから不思議。

 これ評論家の出谷さんが「標準」としたそうで(但し1973年のお話し〜やはり安田さんサイトより)、当時はこれが「標準」だったのでしょうか。(なんの評価にもなっていない!!)Brucknerに特有な素朴な和音が生かされているし、オケの分厚い響きは一流。しかも、やや前のめりのノリもちゃんとあって、立派な演奏なんです。

 ボストン響は、後の小澤のイメージが強いけれど、アンサンブルがピタリと合ったクールなイメージとはずいぶん違います。神経質じゃなくて、良い意味でもう少しラフ。例の付点リズムにもアクセントが強調されて、いきいきとした味わいが溢れます。第2楽章「アンダンテ」は上質なオケの各パートが堪能できて、とくに弦が痺れるように深い。

 いわゆるアメリカの音じゃないんです。金管が活躍する第3楽章「スケルツォ」も、豪快というより繊細な抑制が感じられて、しかも迫力に不足しません。やはり、躍動するリズム感は素晴らしくアツい。細部のニュアンスに配慮が感じられるのは、伝統ある独墺系のオケを連想させます。

 終楽章は速いテンポによるラッシュで、やや貫禄には欠けるがこの勢いは貴重。ラインスドルフは、金管の輝かしい絶叫に、他のパートが埋もれるのを嫌ったのかな。デジタル時代以降の、切れ味鋭い金管の咆哮に慣れていらっしゃる方には地味に聴こえるかも知れません。それでも、最終盤精一杯の迫力は壮絶。(音が少々濁るのは残念)

 結果として、弦主体、木管(+金管ソロ)が良く歌う演奏に仕上がっていて、これはひとつの個性なんです。でも「標準」じゃないわな。(2002年7月17日)


【♪ KechiKechi Classics ♪】

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written by wabisuke hayashi