Brahms 交響曲第1番ハ短調 作品68/ハイドンの主題による変奏曲/悲劇的序曲
(ヴォルフガング・サヴァリッシュ/ロンドン・フィル)


EMI  5 75502 2  7枚組 1,600円にてオークション入手 Brahms

交響曲第1番ハ短調 作品68(1991年)
ハイドンの主題による変奏曲/悲劇的序曲(1990年)

ヴォルフガング・サヴァリッシュ/ロンドン・フィルハーモニー

EMI 5 75502 2 6枚組1,600円にてオークション入手

 子供の頃LPは贅沢品であって、とくにクラシック音楽は集め出したらキリがない、もっとも金の掛かる趣味でした。今は昔、現代の価格破壊→ネットにてデータ入手時代を迎えたことは千度【♪ KechiKechi Classics ♪】にて(しつこく)言及済。記憶を辿ればかつてBeethoven の交響曲をひとつひとつ攻略、Brahms だって当時はLP4枚、しっかりじっくり聴いて細部旋律が暗記できるほど拝聴して”身に付けた”といった実感手応えがあったものです。あれはカラヤン/ベルリン・フィルの最初の録音でしたっけ・・・第4番だったらベイヌム/コンセルトヘボウ(900円グロリア・シリーズ)が間違いない出会いでした。

 やがて幾星霜、似非金満中年は真摯な謙虚さを失いました。好きなだけCDを買える身分となり、挙げ句、あちこちデータをフリー入手したり・・・=豊かなMusicLifeに非ず。”Brahms なんて、聴いてられるかい!”的苦手意識ばかり(室内楽ピアノ・ソロだったら話は別)。数年前、CD整理(オークション処分)もそれなり進んだし、著名管弦楽+協奏曲作品のリファレンスとしてこの6枚組を入手しました(2008年)。ひととおりサラリと聴いた印象は”なんと薄味”〜サヴァリッシュさん枯れ過ぎやないの?ロンドン・フィルがあかんのか、それともEMI録音が悪いのか。その後、1962年ウィーン交響楽団との旧録音を拝聴する機会を得たけど、なんとも言いようがないというか、コメントしようもない”真っ白な”演奏(との手応え)。

 そして入手4年経過。ピアノ協奏曲第1番ニ短調(コワセヴィッチ(p))への言及は残っているけれど、ほとんど聴く機会を得ず、そもそもBrahms をあまり聴いていない。お仕事にも人生にもお疲れ気味なある日曜日の夜、この交響曲第1番ハ短調(1991年)を拝聴いたしました。

 薄味、枯れ過ぎ、真っ白、すかすか(!?)、オーケストラの響きも薄い〜所謂、筋骨隆々たる名演奏じゃない、流麗さとは無縁、キレ味鋭いこともなし、さっぱりと落ち着いたテイスト〜それこそがこの演奏の魅力じゃないのか。もとより作品旋律は子供時代より細部迄お馴染み、こんな淡泊な演奏が粛々と聴き手の心底に染み入る経験も久々、いやこんな威圧感のない散漫な響きこそ、むしろ爽やかに素直に受け止められる驚き。聴いていくウチに血湧き肉躍り、ノリノリに滾るものがある・・・わきゃないでしょ。

 もう楽章毎の言及は空しいばかりなので、やんぴ。録音の良し悪しはオーディオが安物なので言及資格なし、但し、市井のサラリーマンに数百万のセットはムリでっせ。ましたや専用オーディオ・ルームなんて夢のまた夢。ワタシは芯の感じられない音質と感じました。茫洋とした広がり有。蛇足ながら、交響曲以上に聴く会の少ない序曲も同様の素直な響きを聴き取りました。

 じつは宿題がありまして、まずはベルナルト・ハイティンク/ロンドン交響曲による全集ライヴ、じつは他もろもろ棚にいくつか眠っていて、さらにはネットで確保した音源はそのままDVDに保存して眠っている・・・

(2012年5月13日)


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written by wabisuke hayashi