Brahms 交響曲第1番ハ短調
(エルネスト・アンセルメ/スイス・ロマンド管弦楽団)


これはLP時代のジャケット Brahms

交響曲第1番ハ短調

エルネスト・アンセルメ/スイス・ロマンド管弦楽団

1963年録音(ネットより音源データ入手)

 エイドリアン・ボウルトのボックス入手辺りから苦手意識は抜けて、新旧いろいろBrahmsの交響曲は聴いてきたけれど、ここ1年ほど嗜好はやや混迷に至って拝聴機会は減りました。結果的に贅肉削ぎとったベルグルンドを別格に、あとはどれを聴いても・・・てな感じ=マンネリなんです。ここは一発温故知新、Beeやんの印象が思いのほか新鮮であったエルネスト・アンセルメ(1883-1969)の自主CDでも聴きましょう。とくに仏蘭西露西亜ものに定評があった往年の巨匠、英DECCAの恵まれた録音環境もあって、LP時代けっこう人気がありました。Stravinskyとか現代水準のリズム、アンサンブルに馴染んだ耳にはややツラい→オケが上手くないというのも事実かと。

 もの凄く立派な第1楽章「Un poco sostenuto- Allegro」、ティンパニ連打、物々しくも威圧感たっぷりな出足は高校生時代だったら”カッコよい!”と思ってましたよ。提示部繰り返しなしは残念、重低音を効かせたサウンドは(録音の加減か)意外と厚みもあり、表現は中庸オーソドックスに明晰であります。響きが重苦しくもダンゴにならぬのは録音のマジックのみに(おそらく)非ず。優しい対比を見せる木管も(例の如し軽量で)美しいもの。さっぱりとしたフレージングに緊張感も推進力もたっぷり。第2楽章 「Andante sostenuto」は優しくもさっぱりとした寂寥漂います。弦も木管も風情に似合った繊細な歌有、やや調子っ外れなオーボエ、クラリネットにも個性と味わいありますよ。ヴァイオリン・ソロとホルンのユニゾンはややツマらない。存在感が薄い。

 茫洋と優雅な第3楽章 「Un poco allegretto e grazioso」も木管と弦の絡みが美しく、音色がオモロないホルンもアンサンブルに馴染んでおりました。さっぱりとして力みのない表現が「間奏曲」的箸休め楽章に似合っている感じ。第4楽章「Adagio - Piu andante - Allegro non troppo, ma con brio - Piu allegro」深刻に眉間にシワな冒頭、審判会場に連れだされるが如き低弦ピチカートの早足、やがてティンパニが決然として参入してホルンがコラール風に深く木霊します(この音色がオモロない、深みがない)。薄いフルートは爽やかに歌って・・・やがて「喜びの歌」風テーマ登場。じょじょにテンポを上げて爽やかに、さっぱりと歌って、時に馴染みの(調子外れっぽい)木管も彩りを添えました。

 音質はやや草臥れ、濁りはあってもまずまず現役で聴けるもの。低音の強調は作品に似合って、スケールと迫力有。但し、独墺系の重苦しさではない。

(2016年4月15日)

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written by wabisuke hayashi