Brahms ハイドンの主題による変奏曲 作品56b/ワルツ集 作品39/
シューマンの主題による変奏曲作品23〜4手のためのピアノ連弾曲集
(ブラーシャ・イーデン/アレクサンダー・タミール(p))


BRILLIANT 93554/24  1983年録音 英CDR原盤 Brahms

ハイドンの主題による変奏曲 作品56b
ワルツ集 作品39
シューマンの主題による変奏曲 作品23

ブラーシャ・イーデン/アレクサンダー・タミール(p)

BRILLIANT 93554/24 1983年録音 英CDR原盤

 相変わらずの雑感でございます。

 BRILLIANTの60枚組をオークションにて格安入手いたしました。なにごともそうだけれど、ひとつずつ、少しずつ揃えていくのが楽しみであって、”オトナ買い”は音楽を粗雑に扱う要因になってしまいます。でもね、いくつかバラ買いで揃えていて、それを処分したら(その金額で)”全部”変えちゃう、未知の素敵な音楽(作品、演奏家)を聴けるかも、という期待に負けました。スリムな紙パックで収納にも便利だしね。

 ここ最近、Mahler とかStravinsky、Ravel 辺りばかり、しかも大規模な管弦楽ばかり聴いておりました。相変わらず独逸のBB〜浪漫派の交響曲はちょっぴり苦手・・・「ハイドンの主題による変奏曲」だって、原曲(Haydn 嬉遊曲第1番 変ロ長調Hob.II.46 「聖アントニー」)ともかく、馴染みの管弦楽だったらCDを聴く勇気が出ません。ところが4手のピアノ版だったら作品の骨格というか、全体の様子が手に取るように親密で感銘深いもの。一般にBrahms は室内楽やらピアノ・ソロが自分の嗜好にフィットする感じ。こちら、ピアノ4手版がが先の完成なんだそうです。

 深刻で神妙、重苦しいといった先入感を以てBrahms に接しがち、「ハイ・バリ」も荘厳で分厚い響きが〜苦手なんだな。ところが4手のピアノ版になると、繊細親密な響きが際立って威圧感が消えちゃう。テンポは微妙に揺れ、二人の奏者の息遣い、しっとりとした情感が眼前に広がります。細部がよく見える、素晴らしい変奏曲!ある時は前向きに明るく、ある時はしみじみ哀しみの愁いに沈む・・・ラストのクライマックスも立派すぎない抑制がよろしい。

 ワルツ 作品39〜これは若い頃からのお気に入り作品也。4手版が原典であって、よく楽譜が売れたので独奏版も作った、とはネット情報のご教授であります。BRILLIANTの60枚組にカリン・レヒナーの協奏曲が収録されるんだけれど、以前の3枚組にはピアノ独奏版が収録されていたのに、(カタログによると)今回は削除?残念だな・・・と悔しがっていたら、なんのことはない、現物にはそのまま収録されておりました。16曲、こちら4手版はトラック一個という手抜き(レヒナーはちゃんと16トラックに分かれております)

 快活で幸せな表情溢れます。ときに憂いと含羞、激情に揺れ、わずか1分ほどの小品が陰影深く、次々とテイストを変えて進んでいく、基本静謐が支配する傑作中の傑作。Brahms って四角四面な頑固者!的イメージだけれど、こんなお茶目なユーモアも表現できるんですね。白眉は第15曲 変イ長調〜もう、ほとんど泣けるように懐かしい。弟子筋に当たるDvora'kも師匠の影響を受けていたんだろうな。この辺りの懐かしい旋律を聴くとそう思います。

 シューマンの主題による変奏曲 作品23は、師匠Schumannラスト作品と言われる「天使の主題による変奏曲(遺作)」のテーマによる(おそらく未聴)、とのこと。諦念に充ちた静かな主題から、雄大雄弁深刻な変奏が生み出されます。そこは4手のピアノのこと、親密なテイストは失わない。

 ブラーシャ・イーデン/アレクサンダー・タミールというピアニストは初耳だけれど、清潔なタッチで曖昧さのない技巧を誇ります。先ほど、カリン・レヒナーの「ワルツ」と対比してみたが、あちらウェットな情感にちょっぴり驚きました。こちら爽やかに、溌剌としたリズム感、クールな音色、抑制された激情が素敵でした。

(2011年4月8日)


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written by wabisuke hayashi