Brahms 交響曲第2番ニ長調/悲劇的序曲
(スタニスワフ・スクロヴァチェフスキ/ハレ管弦楽団)


IMP Classics PCD 857 Brahms

交響曲第2番ニ長調 作品73
悲劇的序曲 作品81

スタニスワフ・スクロヴァチェフスキ/ハレ管弦楽団

IMP Classics PCD 857 1987年録音

 10年以上を経て再聴。

第2番ニ長調交響曲は、明るく若々しく溌剌と演奏して欲しい。やはり中低音がふくよかな、中欧のオケが似合うと思います。Brahmsはホルンとチェロがキモだと思いますが、やはりその部分だけとればこの演奏は少々弱いと言わざるを得ません。でもね、慣れというか、誠実でまっすぐな演奏ぶりには打たれるものはあるんです(2002年のコメント)
 前回拝聴より既に2度の転居、2013年慣れぬ新天地+華麗なる加齢+猛暑=大風邪にてダウン、そろそろ復活すべき時期に久々の再会であります。サラリーマン生活も黄昏れ、無常感漂う今日この頃、音楽への対峙姿勢も変わりつつあります。馴染みのCD在庫を処分し、日々身軽に・・・演奏スタイルにわずか30年くらいでも流行り廃れを感じるし、聴き手の嗜好変化に伴って同じ音源も異なって聞こえてくるもの・・・日本でもお馴染みの大ヴェテラン・スクロヴァチェフスキも高齢(1923-)故、最近活躍を伺えません。ハレ管弦楽団首席在任は1984年-1991年、その時の記録であります。

 会場の空気、自然な奥行きを感じさせる優秀録音。独墺系中低音豊か+熱血サウンドを求めるならば期待外れも甚だしい”淡彩清潔清涼”、スクロヴェチェフスキの表現は想像通り期待通り誠実そのもの、細部を彫琢して、見得を切るような大げさなスタイルに非ず。テンポは適正、リズム感もよろしい中庸。弦も管も響きは薄く、各々自発性に富んだ豊かな歌を期待できないでしょう。バルビローリ時代だったら、纏綿濃厚とした歌心表現はツボにはまってみごと!なサウンドでありました。こちらアンサンブル・リズムは整って、オケの(色気少な目)個性はそのまま表出されております。

 あとは作品になにを求めるか。聴き手の選択肢であります。

 ここ最近、(狭い拝聴範囲前提に)もっとも気に入ったのはジョン・バルビローリ/ウィーン・フィル(1966年)〜んもぅ!馬鹿野郎的纏綿激甘旋律濃厚とろり世界。こちらスクロヴァ爺は、キリリと引き締まったフォルムは贅肉を感じさせぬ、しかしマッチョに筋肉質でもない。骨組みはしっかりして、ムダはない。第1楽章「Allegro non troppo」低弦のD・C♯・Dわずか3音が導く驚異の旋律発展広がり、胸に迫る黄昏の世界。ここ、いかにも誠実ていねいな仕上げ(心持ちテンポ遅め)はいかにもジミなサウンドでっせ、弦も、管も。チェロによる哀愁の第2主題は粛々と歌われ、リズムのキレも文句なし・・・あと欲しいものはなに?色気、オケの圧倒的パワーか、それはもちろん存在しない”淡彩清潔清涼”ですから。ホルンの味も色も少々薄いなぁ。提示部繰り返しは、美しい旋律を2度味わうべき嬉しい実行であります。

 薄味好みは加速しております。アンサンブルは誠実に整っております。

 第2楽章 「Adagio non troppo - L'istesso tempo,ma grazioso」〜バルビローリだったらここがキモ(纏綿濃厚とした歌)。こちら誠実(淡彩やや薄味)ベース、時に激高した高揚さえアツさ控えめ。緻密な組立も流れも自然体、淡々とした風情は気に入りました。第3楽章 「Allegretto grazioso (Quasi andantino) - Presto ma non assai - Tempo I」チェロのピツィカートに乗ったオーボエ〜そして木管に引き継がれる旋律が愛らしい。それに相応しい床しい表現でもあります。絶品。なんども繰り返すテンポ速い部分での(やや)大爆発を、抑制バランスと見るか、力感不足と評価するか分かれるところ。ワタシは最近、喧しいのは苦手なのでOK。(例外はMahler のみ)

 第4楽章 「Allegro con spirito」この楽章素敵ですね。いままで抑制したものを一気に吐き出してほしい!ゴリゴリ喜ばしく演ってほしい。リズムの刻みが正確なこと、ノリとキレ、適度な熱気と流れは快い感じ。しかしねぇ、やはり豪快には鳴らぬオケだな。ムリしてヒステリックな濁りに至らぬのは、スクロヴェチェフスキの力量です。途中静かなところで入念なテンポの落とし方も文句なし。ラスト、一気呵成に大団円(ようやく金管大爆発!)迄持っていく対比の見事さにかなり満足。

 ごめんなさい。「悲劇的序曲」には特別な思いはないんです。故にコメントなし。

(2013年8月11日)


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written by wabisuke hayashi