Brahms 交響曲第4番ホ短調 作品98(シューリヒト)


Brahms

交響曲第4番ホ短調 作品98
悲劇的序曲 作品81
ハイドンの主題による変奏曲 作品56a*

シューリヒト/バイエルン放送交響楽団(1961年)/バーデンバーデン南西ドイツ放送交響楽団*(1962年)

SCRIBENDUM SC 011-6  10枚組6,550円で購入したウチの一枚
Tre'sor2002 FTS0107-1 〜同一音源(ハイドン変奏曲除く)

 ついに出るべくして出た!という感じ「シューリヒト・コンサートホール・レコーディングス」〜ま、イアン・ジョーンズがいくらマジックを使って、音質改善を図っても所詮音源水準が・・・・手持ちCDとかなりダブっているし、なんて思っていたが、店頭で見掛ければもう自分を止められない。やっぱり、好きだなこの人。聴けば聴くほどその個性に打たれるばかり。(ちなみにSCRIBENDUM盤のSDR交響楽団表記は誤り。バイエルン放響が正しい)

 で、出張時の新幹線内で(当然ディスクマンにて)聴いたら、どうも集中できない。音質の線が細すぎ〜ノイズと一緒に大切な音の厚みまで流しちゃったのかな?なんて、ちょっと後悔。ところがワタシのサイトBBSでは「これも、老人が後ろ向きで作った曲などではない、意欲満々(なにせスケルツォは4曲中、これがはじめてだそうですからね)という感じに仕上がってて改めて関心してしまいました」と。

 「入れ込みすぎじゃない?Brahms の4番は音悪すぎ・・というか、蚊が鳴いているみたい」〜なんて、失礼なる反応をしてしまったが、帰宅して再確認したら、いやはや、エラいことでっせ。まずTre'sor2002盤から再聴したんだけど、そのテンションの高さ、峻厳さ、高潔さ。重苦しさ、暑苦しさ皆無、スッキリサッパリではなく、存分に個性的。詠嘆の表情がどこまでもひろがって無限。これほどの説得力はかつてなかったような記憶が・・・・。

 高らかに、軽快に謡い(伝統的歌曲を声に出すことを意)、テンポは揺れ動きます。濃厚な表現のハズなのに、この爽やかさはなに?しかも、この情熱。アンサンブルに神経質さは感じさせないが、この微細ニュアンスの込め方はなんたるマジック。オケは選ばない人だけれど、バイエルン放響の中音域が暖かい響きにはピタリ相性でしょう。

 第2楽章の楚々とした表情が白眉かな。正直、第1/4楽章の入魂の旋律には胸が痛む思い。聴いていて、ツラいほどの感動がありました。う〜む、このオケ、ほんまに美しいなぁ〜って、聴き惚れて録音問題を忘れます。LP時代からそうだったが、残響も奥行きにも不足気味のよろしくない音質なんですけどね。

 ということで、SCRIBENDUM盤へ。全体として灰色のヴェールが一皮剥けたようであり、弦の高音が伸び、木管パートがくっきりと浮かび上がります。響きが軽量になったようであり、薄くなったような、線が細くなったような錯覚も。各所での音のビリ付きは消えましたね。

 ただそれだけのことで、音楽がやや大人しくなったように思えるのが不思議です。「シューリヒトはラフでザックリ仕上げ」みたいなイメージがありましたが、そうとう細部まで細かく描き込んであることが理解できます。やはりイアン・ジョーンズ・リマスタリングの威力はあると判断して良いでしょう。

 ま、音楽そのものの魅力は変わらないけど。


 番外編です。Schubert 交響曲第9番ハ長調(SDR交響楽団)が10枚組に正規収録されております。ワタシのサイト記録によると「海賊盤3枚で2,000円セール」での購入らしい。値札が残っていて@980。リマスタリングされた正規盤が@655ですもんね。「Tre'sor2002」盤も「3枚組1,990円」で、これも正規盤の方が安い。

 時の経過とはいえ、デフレ現象には感慨深いものがあります。ま、それなりに安ければ一喜一憂しない。(2003年3月28日)


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written by wabisuke hayashi