Brahms 交響曲第1番ハ短調
(トスカニーニ/NBC交響楽団1951年)
Brahms
交響曲第1番ハ短調 作品68(1951年)
大学祝典序曲(1948年)
ハンガリー舞曲集(第1/17/20/21番1953年)
トスカニーニ/NBC交響楽団
RCA 74321 558382 2枚組中古1,134円にて購入(交響曲4曲を収録)
駅売海賊盤(Daiichikikaku) OB-0455 中古@250 *管弦楽作品を含む
この交響曲は、「新世界」と並んで日本でもっとも人気を誇る作品だそうです。(最新調査結果ではないが)ワタシはBrahms の室内楽、ピアノ作品を愛するが、立派な交響曲は少々敬遠気味・・・でも、けっこう聴いてますよ。勇壮立派に構築された世界は少々苦手なんです。かなり以前に、BBS上にて「この作品のお勧め演奏は?」との質問に、このトスカニーニの録音を挙げさせていただきました。かなり以前からのお気に入りでして、昨年2005年に全集4曲を入手、という経緯。
ま、音楽の嗜好も固定的なものではなくて、以前は苦手だったものが楽しめたり、体調によっても変わりますからね。久々の再聴を・・・エエですね。基本、速めのイン・テンポ、飾りの少ない表現だけれど、どの部分もしなやかな歌心に溢れて、余計なリキみも威圧感も存在しません。細部まで仕上げはていねいで、音質もこの時代にしては予想外に良好なもの。
旋律を自在に伸び縮みさせて魔法のような効果を上げているフルトヴェングラーとは(ある意味)対極にあるような演奏に間違いなし。しかし、世間一般に言われるような謹厳実直なる”楽譜に忠実”かと言われると、意外とテンポの揺れは存在する(「大学祝典序曲」に至っては、動きはかなり激しい)し、楽譜の改変も存在する(らしい・・・最終楽章ティンパニの付加。こりゃ、まるで「マイスタージンガー」だな)とのこと。
きびきび明るい表情と、のびのびとした(わずかな、しかし効果的な)節回しが魅力だけれど、どんより暗鬱鬱蒼とした雰囲気皆無の快活に好感が持てます。推進力充分だけれど、鈍重ではない。さらりと優しい第2楽章が白眉と感じました。最終楽章は、思いを込めたアッチェランドも自然なカンタービレだけれど、ムリムリなるテンポ変化の不自然さや、乱暴なる叩き付けは存在しないんです。必要にして充分なる力感有。アンサンブルは非常に優秀。
朗々とした「喜びの歌」は微笑んでおりますね。爽快明快なる気分盛り上がって全曲を締めます。馴染みやすい、威圧感のない、楽しい「ぶらいち」でした。
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「大学祝典序曲」は、昨今見られないやる気のある学生達が前向きであり、「ハンガリー舞曲集」は疑似ステレオ化されているよう(この海賊盤はどこから音源を持ってきたんだ?)で、とても聴きやすい音質でしたね。しなやかで溌剌、全曲録音して欲しかった・・・おそらくは極め付けの存在になったことでしょう。
(2006年8月18日)
【♪ KechiKechi Classics ♪】 ●愉しく、とことん味わって音楽を●
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