Mussorgsky 歌劇「ボリス・ゴドゥノフ」
(アセン・ナイデノフ/ソフィア国立歌劇場管弦楽団/合唱団)


Fidelio1824/26 Balkanton原盤 Mussorgsky

歌劇「ボリス・ゴドゥノフ」(Rimsky-Korsakov 編)

アセン・ナイデノフ/ソフィア国立歌劇場管弦楽団/合唱団/ボドゥラ・スミャナ少年合唱団(合唱指揮;イヴァン・ボグダノフ)
ディミテール・ディミトロフ(b)、サビン・マルコフ(br)、リュボミル・ボドゥロフ(t)、ニコラ・ギュゼレフ(b)、ディミトゥール・ダミャノフ、ボリカ・コサヴァ

Fidelio1824/26 Bailkanton原盤 1960年代の録音? 3枚組 個人輸入(価格失念)

 「ホヴァーンシチナ」と同時購入したCDと記憶します。1990年代初頭円高バブル華やかなりし頃か。ナイデノフは「1899年生まれブルガリアの指揮者」とのネット検索有。

オケがやや非力な感じしないでもない(第1幕最終情景辺り)が、歌い手は骨太で生々しく、馴染みの壮麗濃厚なる(少々クサい)エキゾチック旋律に良く映えます。このオペラの代表的録音といえば、カラヤン、アバド、ゲルギエフ辺りですか?「こんな音源聴いているのワシだけ〜」と考えるとウヒヒ状態になりますなぁ。マイナー道も極めれば、哲学に至る・・・かも知れない。
とのしょうもないコメントが「音楽日誌」にありました。筋書きはこのサイトを参照させていただきましょう。露西亜では某極東・黄金の国みたいに「万世一系」などということは気にしないんですね。ロシア革命が成立したのも、民衆の支持が決め手になっている歴史の流れかも知れません。他の演奏では、カラヤンの抜粋盤をLP時代に楽しんでいた記憶有。その程度だけれど、旋律はけっこう馴染みですな。

 もとより歌劇の知識はまったく薄い(当然、露西亜語とも縁がない)が、指揮者(アセン・ナイデノフ)のみならず歌手陣も(もちろん)見ず知らず、状態。ディミテール・ディミトロフ(b)が主役と想像されるが、ネット検索掛けてもワタシのサイトが出てくるばかり・・・男声低音が主役なのは、いかにも露西亜歌劇らしくて、フツウ、独墺系でも伊太利亜でも主役は若い男女(高音)が担当して、バスは脇役とか高僧みたいな役が多いでしょ。いかにも全体が重厚、落ち着いた渋い味わいに支配されていると思います。サビン・マルコフ(br)はカラヤン盤にも参加していて、この作品のスペシャリストなんでしょうか。(他の歌手はワタシがテキトーに読んだもので、ネット検索しても出ない)

 このオペラ、とてもカッコ良い!と思います。「プロローグ」序曲〜ボリス戴冠の場面であり、壮麗壮大なる華やかな、しかし重厚濃厚な旋律サウンド続きます。「戴冠式」行進曲はなんど聴いても、エキゾチックな鐘の響きがわくわく(不安に)させて下さいます。民衆の合唱の壮麗なこと!続いてボリス(ディミテール・ディミトロフか)登場。愁いも含んで圧巻の貫禄ぶりだけれど、管弦楽も含めて(おそらく)不足を感じさせません。(なんせ他、ほとんど聴いたことないから)

 第1幕は「グレゴリー、または偽ディミトリーの誕生」とでも題しましょうか。ボリスは先帝の後継者ディミトリーを暗殺していて、若き破門修道僧グレゴリー(テノールのリュボミル・ボドゥロフか?)はそれに成り代わることを思いつきます。第2場「リトアニア国境の宿」の短い前奏曲〜ここで初めて女声(宿の女将/アルト/ボリカ・コサヴァかなぁ、わからない)登場。華やかなるソプラノの出番はないんです。乞食僧ヴァールラム(サビン・マルコフ(br)であろうか?なんせ配役表がないので)の歌は、いかにも露西亜風灰汁の強い旋律が全曲中白眉の魅力有。

 第2幕「クレムリン宮殿の皇帝の居間」・・・ここで皇帝ボリスの娘クセーニャの哀しき歌で登場。これはソプラノに非ず(かなり声域低いですよ)暗殺されたディミトリーの婚約者だったのか。乳母と弟フョードルの慰めの歌と踊りは、深刻で重い作品中のメリハリとなります。良心の呵責に悩むボリス登場。(偽)ディミトリーを担ぐポーランド軍侵攻との報告を受け、「あいつはたしかに殺したよなぁ」と主席書記シュイスキー公爵に確認しつつ、「時計の情景」に突入〜大時計の音に恐怖・錯乱して第1幕を終了します。

 「狂乱の場」といえば、悲劇の若きヒロインといったイメージだけれど、露西亜では重厚おっさんの役どころなんですな。

 第3幕「ポーランドの場」・・・偽ディミトリーが露西亜攻略を最終的に決意する敬意であって、筋的には重要ではない・・・が、ポーランド貴族の娘マリーナをソプラノとして登場させる意味があったわけですね。オペラの聴衆(パトロン)であるおっさん等が、「若くて華やかなのを出せ!」との要望あったのでしょう。ま、上演機会がないと意味ないですから。これもソプラノとはいえ、そうとう強靱なる太い声であります。(第1場)

 第3幕第2場が有名な「噴水の場面」であって、高僧ランゴーニの仲介によって、偽ディミトリーとマリーナは欲得ずく(露西亜皇帝の帝位を狙う)で結ばれます。ここの「ポロネーズ」は有名な旋律だと思います。管弦楽からソプラノ・ソロ+合唱が加わって大きな盛り上がりを見せます。

 第4幕「ボリスの死とディミトリーの進軍」・・・第1場(聖愚者の場面)が「insertion」(挿入)となっております。(ボリショイ劇場版の第4幕/第1場「聖ワシーリー教会前の広場」とのこと)”白痴と呼ばれる聖愚者”という概念が露西亜にはあるんですね。トルストイの「イワンのばか」もその流れなのだろうか。(よう意味がわからんが)引用先情報によると、「クレムリン宮殿の広間(ボリスの死)」→「モスクワ近郊のクロームイの森(革命の場)」となっているが、このCD収録では逆で「ボリスの死」がラストに。(つまりRimsky-Korsakov 版そのものということか)

 第2場「革命の場」は、かなり激しいリズムと技巧的な合唱が連続していて、管弦楽含めけっこうなる迫力であります。

 で、(このCDでは)大詰め「ボリスの死」へ。悲痛な嘆きは堂々たる貫禄であって、ここで第1幕「戴冠式」場面懐かしき”鐘”出現。華々しい登場場面と、悲痛なる退場場面には”鐘”が付き物なのでしょう。嘆き、苦しむボリスに清涼なる女声から始まって、やがて合唱全体+管弦楽が絡んで、幕。

 ・・・いやぁ、インデックス+題名のみを眺めつつ、筋書き類推しながら聴くと楽しいですなぁ。ぼんやり聴いていればCD3枚分苦痛になるが、サイト原稿執筆しつつ、気になったところ行きつ戻りつ(時に省き)あっと言う間の終了です。「展覧会の絵」で類推出来ると思うが、Mussorgskyって旋律が個性的で多彩です。管弦楽技法ではいろいろと問題あるそうで、後年の手練れの名人が手を加える・・・ことでその素材が発展してきたのでしょう。旋律の隈取りがしっかりしていて、魅力的だから聴き飽きしません。

 ブルガリアのオペラ・ハウス演奏陣はなかなかの水準だと思いますよ。ワタシのようなシロウトにも充分愉しめました。

(2007年7月20日)
 


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written by wabisuke hayashi