Berwald 交響曲第1/2番(カム/ヘルシンボリ交響楽団)


NAXOS 8.553051 1995年録音 Berwald

歌劇「エストレラ・デ・ソリラ」序曲
交響曲第1番ト短調「厳粛な」
交響曲第2番ニ長調「気紛れな」

オッコ・カム/ヘルシンボリ交響楽団

NAXOS 8.553051  1995年録音 800円(くらい)で購入

 とにかく珍しい音楽、名前の通っていない演奏家、そんななかから新しい魅力を見つける努力をしないと「MUSIC LIFE」はマンネリになります。音楽の授業で聴いたことがあるような名前ばかり、メジャー・レーベルにごっそり録音があるような演奏家ばかり追いかけてもつまらない。19世紀スウェーデンの作曲家Berwald (ベールヴァルトって読むのか?整形外科の先生だったんですね)の作品、1973年第1回カラヤン・コンクール優勝で華々しいデビューを飾ったが、自国に帰って活動を続けているカム(日本でもおなじみ)の演奏や如何に。

 ・・・って、このCD出てすぐ買っているんです。ヘルシンボリ響というのも、いかにも地方オケらしい名前でワタシ好みなんだけど、忘れてました。既に数年前、あまり著名とは言えない室内楽の方を更新しておりました。

 歌劇「エストレラ・デ・ソリラ(ソリアのエストレッラ)」は1841年作曲、初演は大成功だった、ドイツ語のテキストを用いて書かれた・・・って、なんの説明にもなっていない。(最近、演奏されたことあるんだろうか)古典的佇まいを感じさせる”やや悲劇的”序曲でして、Mendelssohn のテイストたっぷりか。変化の少ない短調の「真夏の夜の夢」序曲方面・・・そんな印象ですね。つまり、現代の演奏会に取り上げられてもおかしくはない、それなりの佳曲であります。

 交響曲に入りました。第1番ト短調は1842年の作〜これもMendelssohn の快活な雰囲気(初期浪漫派か)たっぷり。演奏は”土曜の昼頃、なにげなくFMラジオをつけたら日本の地方オケのライヴやってました”的、あまり鳴らない(とくに弦)が誠実なアンサンブル、残響は 不足気味・・・4楽章全30分オーソドックスな交響曲であります。第3楽章「ストレッタ」の柔和でもの哀しい旋律(木管の絡み合い)・軽快なリズムが魅力的、最終楽章は劇的に予定調和的に盛り上がるのではなく、あちこち不安げなる表情を覗かせながらお話はいつまでも続く〜名残惜しく全曲を閉じました。

 交響曲第2番ニ長調「気紛れな」は緩急緩3楽章で構成される、(これも30分ほど、1842年の作)明るい作品。交響曲第3番「風変わりな(サンギュリエール)」が知名度(相対的に)高いらしいが、ワタシはこの「気まぐれな」交響曲がとても気に入りました。細かくハズむような第1楽章のリズム(尻切れトンボ的な印象は演奏故か?)、第2楽章「アンダンテ」はシミジミと安寧であり、中間部の古風典雅な舞曲風旋律も魅力的。

 上機嫌軽快なる最終楽章。そっと囁くような繊細なる音形が、やがて勢いづいてやがて大爆発!・・・するかと思えばそうでもない。その控えめ微妙なる隔靴掻痒感がBerwald の持ち味か。金管がコラール風旋律をやがて大きく発展!・・・させないのも個性か。やがてスピードを上げ、それなりに盛り上げて全曲終了・・・ということでもなく、行きつ戻りつ終わっていく、まさしく「気紛れな」交響曲か。予定調和は許さんよ、的名作。

 演奏的には少々アンサンブルに集中力を欠き、洗練された響きと、リズムにもう少し溌剌感が欲しいところ。ヤルヴィ辺りが有名なんだろうが、知名度劣る名作品の普及のため、廉価にCD供給してくださるNAXOSの姿勢には満腔の敬意を表しておきます。有名作品ばかりでなく、音楽の見聞を広げる努力が必要です。

(2006年2月23日)


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written by wabisuke hayashi