Berwald 七重奏曲 変ロ長調、セレナード、ピアノ五重奏曲 変ホ長調
(アリオン管楽五重奏団/シェイン弦楽四重奏団)
Berwald
七重奏曲 変ロ長調
セレナード
ピアノ四重奏曲 変ホ長調
アリオン管楽五重奏団/シェイン弦楽四重奏団/アンモ(t)/カールヘッド(p)/ビヨルク(cb)
NAXOS 8.553714 1995年録音 250円(中古)で購入。
いつもいつも馴染みの曲、お気に入りばかり聴いていると、音楽を聴くべき精神が弛緩する〜かもしれません。だから、250円ならいくらでも冒険したい!って、 久々、来ましたね。「秘曲」の発見〜隠れた名曲ですよ。騙されてくだい。これを読んだ人は即買いに行くこと。きっと1,000円だし。この、静謐で、やすらいで、控え目な歓びに満ちた旋律。
Berwald (1796-1868)はスウェーデンの作曲家。Mendelssohnに学んでウィーンでも成功を収めたが、故国では無視され続けたとのこと。そうだなぁ、Schubert に似ているし、Mozart 風でもある。Brahms の寂寥感も有。時代的にもっとモダーンな味わいですが。こうして彼の祖国スウェーデンはイェーテボリで録音されたCDが出るのも、感慨深いものでしょう。(聴き手は東洋の外れ〜怪しい日本人だけれど)これは相当の優秀録音。
クラリネット、ファゴット、ホルン、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスの七重奏曲なんですよ。アダージョはちょっともの悲しくて、懐かしくて、ちょっと涙が出るような旋律が歌います。第2楽章「プレスティッシモ」は一転Mozart のような歓びが躍動して、やがてしみじみとアダージョに収斂されココロの安寧に至ります。
フォナーレは、一点の陰りもない明るい旋律がなんとはなしに切ない。演奏はずいぶんと控え目というか、技術的にはなんの問題もないが、しっとりと抑制された感じがあって奥床しいんです。きっと、もっと華やかな演奏だと映えるんだろうが、なんやらこの繊細な風情が曲に似合っていました。
「セレナード」の楽器編成は、クラリネット、ホルン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス、ピアノ〜ま、ずいぶんと地味なもので、これにテナーが主役です。14分ほど。前半はちょっと不安げでほの暗い雰囲気が支配するが、少しずつ激情が高まって、一転、明るく軽やかな歌が開始されます。ノビノビして牧歌的な行進曲風か。自由なる変奏で安らぎが広がります。ピアノが活躍します。詩は作者不明とのこと。
英訳が載っているので、それを翻訳ソフトで直訳します。意訳すると、もの凄く自分自身が恥ずかしいので。
Yes,now all quiet again.
Let us start the Serenade.
I lack not courage and noise of war.
I gladly share danger
and I know it is a hero's duty
to dare his all for his country.
But when my glance falls on
You,noble,beautiful woman,
and hope tells my heart
that like a weak and fearful child
I tremble.
What if,awakened from my dream,
all seemed strange to me.
Oh,men,do not forget
that if the hero fettered lay,
Love it was that conquered him,
yes,that that conquered him.
再び静かな今すべて。
セレナードを始めましょう。
私は欠けます、ない、戦争の勇気および雑音。
私は喜んで危険を共有します、
また、私は、それが試みるヒーローの義務であることを知っています、
彼の、彼の祖国のためのすべて。
しかし私の一目があなた、
貴族、美人および希望に降りかかる場合、
私の心を伝える、
それは私が震わせる弱く恐ろしいこどもが好きです。
何、場合、私の夢から起きた、
すべては私によく分からなく見えました。
おお、人は忘れません。
それ、ヒーローが拘束した場合、
位置した、それが元あった愛、
それは彼を克服した、はい、それは彼を克服しました。
う〜む、含蓄深い。どなたか、詩心のある方、訳し直してくだされ。
ラスト、クラリネット、ホルン、ファゴット、ピアノのための4重奏となります。
これもなんやら、やさしくてほっとする曲だなぁ。このCDの収録三曲はいずれも長調の作品だけれど、どことなく気弱げで、はかなげな笑顔をたたえた静謐なる作品ばかり。演奏がおとなしいのも、その印象に拍車を掛けていますか?第1楽章も、どことなく不安げな表情があちこちと。
美しい旋律だけれど、その美しさが強烈なる個性を伴わない。これが人気が出ない原因でしょうか。「躍動しないWeberにSchubert のエッセンスを振りかけ、アク抜きしたもの」みたいな感じです。わずか3分の第2楽章「アダージョ」の印象もまったく同じ。ワン・パターン。
終楽章「アレグロ」冒頭のピアノの素直な旋律が晴れやかでした。それにクラリネットが嬉しげに絡み、ファゴットがそっと支えます。ホルンが厚みを加え、ああ美しい〜と、思いつつも、この音楽には爆発(音量ではない)が感じられない。毒がない。官能が感じられない。
・・・・でもね、これ本当に楽しみました。たまたまBOOK・OFFにて売れ残った@250CDがもたらしてくださる、新しい出会い。しばらく放っておいた彼の交響曲全集(カム/ヘリシンボリ響)も真面目に再聴しなくては、反省しました。(2003年2月21日)
【♪ KechiKechi Classics ♪】 ●愉しく、とことん味わって音楽を●
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