Berlioz 幻想交響曲
(アンドレ・プレヴィン/ロンドン交響楽団)


EMIこれはネットから素敵なデザインを拝借 Berlioz

幻想交響曲

アンドレ・プレヴィン/ロンドン交響楽団

Werner 0724356951259(EMI 1976年録音)素敵なジャケットはネットから拝借。

 出会いはユージン・オーマンディ(中学生時代)第4楽章「断頭台への行進(Marche au supplice)」は不気味な金管の爆発がデーハー、終楽章「魔女の夜宴(サバト)の夢(Songe d'une nuit du Sabbat)」の鐘は「広島の平和の鐘」がどーやらこーやら(アバドでしたっけ)「怒りの日(Dies Irae)」の旋律はその後、あちこちずいぶんと馴染みとなりましたね。ジョン・エリオット・ガーディナー(1991年)はオフィクレイドとかセルパンとか珍しい低音楽器を復活させてくださったり・・・いつの間にやら苦手作品系に至って、この著名作品の拝聴機会は減りました。

 ピエール・ブーレーズ(1967年旧録音)は明晰クリアな風情が気に入ったはずだけど、もうずいぶんと聴いておりません。アンドレ・プレヴィンの1976年録音はロンドン交響楽団のシェフ時代(1968ー1979)47歳気力体力充実した壮年の時代の録音です。でも、発売当時全然話題にならんかったっけ、評価もされていない(評論家なんてアテにならんけど)と思いますよ。これはたまたま、偶然に聴いた音源でした。

 これが最高!馴染みの「幻想交響曲」をこんなに愉しんだのは久々。あちこち悪口を言いふらした往年のEMI録音も驚くほど雰囲気があって、金管の豪快な咆哮もみごとに捉えられております。ロンドン交響楽団はプレヴィン時代(1968ー1979)に一流のアンサンブルに至ったという噂はほんま!との手応え有。Beeやんの「第九」が1824年、こちら初演は1830年、驚くべき革新的作品でっせ。

 第1楽章「夢、情熱」 (Reveries, Passions)は希望通り繰り返し有。ゆったりとしたテンポ、入念なニュアンス描き込み、冒頭遣る背ない思いを表現する弦の美しいこと!一気に高揚する”想い”は行ったり来たり、「愛する人のテーマ」(固定観念)が執拗に繰り返され、サウンドはあくまでクリアであります。鳴り切ったオケの実力も賞賛されるべきでしょう。名曲やなぁ。最終盤のティンパニ連打もノリノリ壮絶。(15:33→けっこう長いですよね

 第2楽章「舞踏会」 (Un bal)にはコルネット入りを求めたいけれど、残念叶わず。不気味な低弦から優雅なワルツ(舞踏会の風景)へ。躊躇いがちなタメも効果的。ロンドン交響楽団の木管がハープに彩られて美しいなぁ。時に「愛する人のテーマ」(固定観念)が踊る彼女の姿を浮き立たせます。ここもなんともしっとりした演奏でしょうか(6:31)。

 第3楽章「野の風景」 (Scene aux champs)。若い頃はこの楽章は退屈やったなぁ。雷鳴(ティンパニ)孤独(イングリッシュホルン)静寂がこどもには縁遠いもの。牧歌的なイングリッシュホルンとオーボエの掛け合い(牛追い歌)が気怠い緩徐楽章、この静謐な魅力は華麗なる加齢を重ねて初めて理解できるもの。やがて清廉な弦に遠いホルンが絡んで清涼な空気が広がります。オケの洗練、ニュアンス極まって、わずかに過(よ)ぎる不安も、これほど美しい仕上げを経験したことはありません。(17:15)

 第4楽章「断頭台への行進」 (Marche au supplice)繰り返しなし。先のピエール・ブーレーズ(旧録音)でもテンポの遅さが話題になったはずだけど、ここも相当なもの(ティンパニが滅茶苦茶カッコ良い!)。ここはオケを煽るだけ煽って、不気味なグロテスクを強調して、みたいな全曲の山場(スケルツォに該当するのか)オケは鳴り切って充実しているけれど(とくに金管)プレヴィンが馬鹿騒ぎのしつこい繰り返しを嫌ったバランス感覚かも。あっさり首切ったほうが効果的でしょう。演じ手はあくまでCool!(5:29)

 終楽章「魔女の夜宴(サバト)の夢(Songe d'une nuit du Sabbat)」の鐘は控え目なチューブラーベルでしょう。あまり凝った風情にしないのがプレヴィンらしい。「愛する人のテーマ」(固定観念)はコスプレに変容してマイケル・ジャクソンの「スリラー」風に(あくまでイメージ想像)。「怒りの日(Dies Irae)」金管が圧巻の大爆発に+コル・レーニョ(col legno)奏法でっせ、Bartokの時代に非ず、Beeやんのちょっぴり後にこの革新性!脱帽。ここもプレヴィンはテンポを遅めにとって、スケール大きく入念に細部描き込んでますよ。ニュアンス豊かに鳴り響く上品な「幻想」。明晰な力強さ最高っす。(10:44)

(2017年12月24日)

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written by wabisuke hayashi