Beethoven 交響曲第3番 変ホ長調 作品55「英雄」
ヘルビッヒ/ロイヤル・フィルハーモニー
Beethoven
交響曲第3番 変ホ長調 作品55「英雄」
ギュンター・ヘルビッヒ/ロイヤル・フィルハーモニー
RPO 205297 1994年録音 6枚組1,280円したウチの一枚
激安ボックスものDOCUMENTSレーベルでにて発売中、入手可能なる全集より。自主録音で経営危機を回避したロイヤル・フィルらしい、各作品を(知名度ともかく)様々なる指揮者が振り分けた全集をディジタル時代に完成させております。ワタシはBeeやんの交響曲は苦手としており、滅多に聴かないが、世間では人気No.1!この間、ずいぶんとオークションにて処分させていただきました。売れ筋です。2006年末に集中的に聴いて以来数ヶ月、ほとんど聴いておりませんでした・・・
で、2007年5月5日、「英雄」をエドゥアルド・ファン・ベイヌム/コンセルトヘボウ管弦楽団のDVDで確認、我が最新鋭のディジタル・ハイビジョン・テレビの性能良好で、歴史的録音(画)なのにけっこう音も良いじゃん(モノクロ/モノラルだけれど)と感心しきり〜収録データを確認すると1957年5月5日、まさにちょうど50年前、しかもワタシが生まれた年ではないかっ!なんやらヤクを楽章間に口に含む(持病の心臓病かなぁ)ベイヌムの勇姿に感動しつつ、取り出したCDがこれです。
休日ワインが回っていたせいか、やたらと感動いたしました。もとより”苦手”とはいえ、こどもの頃から馴染んだ作品は旋律の隅々まで暗記しております。
ややおとなしいが、アンサンブルの仕上げがていねいな美しい演奏。戦前の怪しげ音質+劇的個性的演奏ばかり聴いていると妙に新鮮で、最後まで楽しく聴けました。急いたところもなく、しっとりと落ち着いて瑞々しく、細部まで明快に表現してくださって、スケールもあります。でも重くはない。響きは清廉で濁らない。この人は実力者だなぁ。このRPO全集中屈指の、座右に置きたい一枚。指揮者の個性前面ではなく、素のまま無垢なる「英雄」を。優秀録音。フィル・アップなしは今時贅沢品CD。(2004年5月3日)
これが数年前の感想です。(RPO全集中では)これが一番気に入った、となっておりますね。巨匠・フルトヴェングラーの呪縛が大きな作品だろうが、ワタシはできれば状態のよろしい音質で楽しみたい。ギュンター・ヘルビッヒ(1931年生まれ/ドイツの指揮者)は日本じゃ全然人気ないが、ワタシはお気に入りなんです。(人気ないから処分やら中古で安くCDが入手できる)表現がオーソドックスでムリがない。
この「英雄」も、穏健派と呼んでよろしいでしょう。上記数年前のコメントと変わるところはないが、いくつか蛇足を・・・
●「ややおとなしいが、アンサンブルの仕上げがていねいな美しい」「急いたところもなく、しっとりと落ち着いて瑞々しく、細部まで明快」〜なるほど。これはロイヤル・フィルが艶々の官能的サウンドを誇るはずもないから、誉めすぎです。ややザラリとした味わいもあって、どちらかというとジミな響きか、と思います。アンサンブルは優秀だけれど、神経質な集中力を求めておりません。テンポは中庸で、煽ったような表現もなし。第2楽章も、淡々として深刻ではない。
●「スケールもあります。でも重くはない」〜なるほど。独墺系一流オーケストラのように中低音が厚いわけでもないが、その代わりこのオーケストラには金管の豪放爆発があります。その件、触れられておりませんね。最終楽章の変奏曲にて、その効果に感極まります。
●「指揮者の個性前面ではなく、素のまま無垢なる『英雄』を。優秀録音」〜優秀録音というか、「おおっ!」と驚くような音質じゃないと思います。(SACDってどうなのだろうか?)「指揮者の個性前面」って、フルトヴェングラーのことを指しているのか。ワタシはこどもの頃より、歴史的超・個性的演奏を聴きすぎたのか。こんな穏健派演奏がお気に入りです。人生、叫んだり、疾走ばかりしていちゃ保たないし。「素のまま無垢なる『英雄』」たしかに堪能いたしました。 (2007年5月11日)
【♪ KechiKechi Classics ♪】 ●愉しく、とことん味わって音楽を●
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