Beethoven 交響曲第6番
(アバド/ロンドン交響楽団1984年ライヴ)


ANF LIVE CLASSIC  LCB-106 Beethoven

交響曲第6番ヘ長調 作品68「田園」
序曲「レオノーレ」第3番 作品72a
序曲「エグモント」 作品84
序曲「コリオラン」 作品62

アバド/ロンドン交響楽団

ANF LIVE CLASSIC LCB-106 (1984年ライヴ)( これはいたただきものです。一応定価2枚で@490の値札有)

 Beethoven 〜とくに交響曲はあまり得意としないワタシだけれど、ときに胸を打つ演奏に出会います。ベルリン・フィル以降の評価はサッパリのアバドだけれど、ロンドン響時代は素晴らしかった(はず)・・・と思って、「春の祭典」やら、Mozart 交響曲第40/41番を確認してもどうもピンとこない。そもそも〜だけれど、1990年代以降の録音はほとんど聴く機会を得なかったんです。

 いまや中古屋で探すしかない「LIVE CLASSIC」だけれど、アバド/ロンドン響でのBeethoven は当盤のほか、第3/7/8番が存在し、第9番はウィーン交響楽団とのもの(1981年)がカタログに見えます。(第3番以外は手許に有)「田園」は単純なる旋律の繰り返しがしつこくて閉口気味の名曲・・・・数年前に聴いたケンペ盤に久々感じるところ有〜それ以来の成果がここにありました。

 この人の魅力は「巧まざる歌」と思いますね。飾りが少なくて、ほとんどなにもしていないのに存分に謡う旋律。これがツボにはまると、ほんとうに美しい。1999年Mahler の第3番(ベルリン・フィル)が話題になったが、1980年のウィーン・フィルとの録音だったかな?おそらく同時期のライヴを、FMで聴いたときの終楽章は忘れられません。もちろん、1988年のマーラー・ユース管のライヴの素晴らしさは、言わずもがな。

 遅すぎず、急がず、適正なテンポで、フレージングは爽やか。ロンドン交響楽団は練り上げられたような、ちょっとくすんだ、繊細な響きを聴かせます。木管が重く粘りすぎないのは、いつも通り。これはこれでセクシーな音色なんですよね。ワタシ如きド・シロウトが想像したまんまの「田園風景」が広がるじゃないですか。落ち着いてはいるが、どことなく浮き立つような(静かではあるが)リズムも感じさせます。

 第1楽章〜第2楽章と、押しつけがましさとか、アクを感じさせない安寧が続きました。この自然体の説得力はアバドの最良の状態でしょうか。ナイチンゲール(フルート)、うずら(オーボエ)、カッコウ(クラリネット)が森の奥で静かに鳴き交わします。「田園」交響曲に心より感動した、少年時代の原点を思い出させる演奏がたしかにここに。嗚呼、いつまでも聴いていたい。

 第3楽章の軽やかなる舞踏の愉悦。「嵐」は激しいが、うるさくなったり、威圧感はないんです。ティンパニのロールはピタリと決まって、全体に節度を失わない。やがて嵐は去り、感謝の気持ちを込めた弦が静かに語ります。ここ、アバドの真骨頂だと思うんです。リキみはないのに、諄々といつのまにやら全開のオケが会場を包み込む至福。熱気。

 やさしく、静かな「田園」。良いじゃないですか。必ずしも万全の録音状態ではなく、オフ・マイク気味ではあるが、会場の余韻はちゃんと聴き取れます。暖かい拍手も収録。


 序曲集は、交響曲以上に苦手でした。「コリオラン」は「田園」と同日、ほか二曲も似たような収録日。第7/8番の収録と考え合わせると、アバドはロンドンで「Beethoven CYCLES」をやったんでしょう。引き締まったアンサンブルと推進力には、ワタシの苦手意識を吹っ飛ばす迫力がありました。ノリ、を感じます。でも、とても上品。


(余白)このCD「田園はトレースしないから」とプレゼントいただいたもの。拙宅のPIONEER PD-TO4Sでは、ちゃんとトレースできました。でも、プレス不良で盤質が悪いのかな?たしかに「田園」終楽章〜序曲に音のビリ付きが頻出します。「盤質不良なら?」〜ということで、以下のトライヤルを。

 データを取り出して、CDRに焼いちゃうんです。データさえちゃんと取り出せれば、CDRは盤質不良じゃないからちゃんと再生できるはず・・・・で、結論的に成功しました。不正コピーはNGだけれど、自分が楽しむだけなので許して下さいね。ちゃんと最後まで良好な状態で鑑賞可能に。(2003年4月12日)


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written by wabisuke hayashi