Bartok 管弦楽のための協奏曲/弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽
(ジョージ・ショルティ/ロンドン交響楽団1965年)


FIC-153 英DECCAの駅売海賊盤 ナント!650円 Bartok

管弦楽のための協奏曲 Sz.116
弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽 Sz.106

ジョージ・ショルティ/ロンドン交響楽団

FIC-153 英DECCAの1965年録音 駅売海賊盤 ナント!中古650円

 ショルティの旧録音であり、LP時代子供の頃からのお付き合い(管弦楽のための協奏曲)、現在では超優秀録音特別仕様CDとして発売されているらしい(あの抽象画がLP時代のデザインでもあります)。こちら情けなくも恥ずかしい駅売海賊盤也。もとより貧者のオーディオ環境故、足りぬ条件はノーミソにて補って聴きましょう〜といいつつ、これは相当鮮明なる音質に間違いなし。出目怪しいCDでもちゃんと理解できます。

 かなり強引強靱なる表現イメージの強いショルティだけれど、ここでの「オケコン」は(必ずしも)さに非ず。無駄を削ぎ落として筋肉質に引き締まった響き、中庸のテンポ、途中あちこち見せどころを煽ったり、旋律を雄弁に引き延ばしたりしません。色気も何もない、作品の神髄を細部、正確整然と表出してリズムは辛口、それでも充分爽快、美しい。ロンドン響のアンサンブルはおそるべき優秀さ〜終曲の細かいパッセージの応酬、それこそ一糸乱れぬ足並みの統一を見せて、余裕さえ感じさせました。作品そのものがショルティの表現意欲に似合って、もともと硬派なんでしょう。

 ロンドン交響楽団はイシュトヴァン・ケルテスの時代?鳴り切って上手いもんですよ。同郷ハンガリー往年の巨匠、ジョージ・セル(1965年)や、フリッツ・ライナー(1955年)の個性とはまた方向性が違って、あちらは整ったアンサンブルを前提として、もっと情感とか情熱を感じさせるもの、こちらショルティはもっとこだわりがないというか、クール(非情?)でモダーンな印象〜それがいっそう説得力を感じさせます。

 「弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽」もオケの技量やリズム感がモロに問われる作品だと思います。ワタシはストコフスキーの大ファンだけれど、この作品に於けるオケの緩さ、リズムのキレの鈍さに少々閉口いたしました(1957/58年)。ショルティはここでも剛腕より、厳格なる繊細をもって作品を締め上げております。禁欲を強く感じさせるリズムの厳しさ、響きはグラマラスに膨張せず、怜悧な集中力を誇ります。

 リズムがオモロい作品、というか、ほとんど旋律ではなくリズムのみ+響きの多彩で聴かせる名曲でしょう。弦の集中力は恐るべきもの。第3楽章「アダージョ」に於ける、日本の拍子木のようなリズムには親近感を覚え、全体的にあちこち打楽器チェレスタ、ピアノの活躍が目立つ作品ながら、この演奏の主役はあくまでも(正確緻密な)弦のアンサンブル。管楽器を伴わないから、響きそのものはジミなんだけど、特異な楽器編成は作品構造をクリアに聴き手に伝えて下さって、ヤワな演奏だと聴いていられない。演奏技量がモロに出ちゃう。

 あまりに厳しいサウンド、非情な旋律に演奏に聴き手の緊張は募るばかりだけれど、ラスト「アレグロ・モルト」〜意外にも抑制気味な集中力からちゃんとした大団円に至って、安易な色づけ方向ではない矜持がありました。別の新旧録音も確認しなくては。

(2010年9月17日)

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written by wabisuke hayashi