Bartok 管弦楽のための協奏曲(1944年)/
Mussorgsky/Ravel 組曲「展覧会の絵」(1943年)
(セルゲイ・クーセヴィツキー/ボストン交響楽団)


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管弦楽のための協奏曲(終結部初稿/1944年12月30日)

Mussorgsky/Ravel

組曲「展覧会の絵」(1943年ライヴ)

セルゲイ・クーセヴィツキー/ボストン交響楽団

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 「展覧会の絵」は以前に1930年録音への(素朴なワケわからん)コメントが残っておりました。クーセヴィツキーは近代売れ筋の作品を依頼したスポンサーとしては著名であっても、意外なほど演奏への言及が少ない巨匠時代の指揮者(1874年- 1951年)だと思います。亜米利加で活躍した人だから?一世代前の独墺指向は凄かったですからね。何度も言及済みだけれど、ワタシは棚中歴史的音源の90%処分済み、ま、パブリックドメインだから(復刻状態さえ気にしなければ)いつでも聴けるワイ、といったところ。年々根性なくなって堕落気味、音質も気にするようになったしね。

 我が貧者のコンポにて、思いっきりボリューム上げて聴いてみたら、見直しました。音質云々乗り越えてけっこう凄いスケール、貫禄!燃えるようにアツい迫力と推進力、そしてボストン交響楽団は華やか、技術的に優れます。驚きました。好事家の世界としてではなく、充分愉しめるんじゃないか、ド・シロウト(=ワシ)でも。クーセヴィツキーの指揮法技術問題から一生懸命事前練習した、みたいな逸話の想像から、もっとヘロヘロ素朴な味わいなのか、と想像しておりました。いやもう、盤石の自信に溢れて素晴らしい完成度。しかもライヴ、初演即後。

 第1楽章「序奏」〜悠々朗々とした歌に溢れ、表情ニュアンスがどんどん変化して、昨今のメカニック正確素っ気ない表情とは一線を画すアツさ。この時点の”やる気満々”に 圧倒される爽快なるスケール。第2楽章「対の遊び」もヴィヴィッドな躍動に充ちて、ユーモアさえ感じさせる入れ込み具合となります。微妙なテンポのタメも、木管の旋律受け渡しも、もの凄く上手い。第3楽章「エレジー」も劇的エモーショナルなる中間部を夾んで、叫ぶような迫力、雄弁な節回しに説得力が強いもの。

 第4楽章「中断された間奏曲」はユーモラスであり、テンポの揺れ動かしも少々大仰にて、浪漫な説得力が強い。終楽章は、例の弦の超絶アンサンブルもみごと(ま、ライヴですから)ヴィヴィッドなリズムのノリ、金管の絡み合い白熱、上手いオケですなぁ。

 全体として同時代の熱気、新しい音楽の誕生を祝う意欲びんびんと伝わりました。終結部はすとん!と終わってしまって、初演翌年1945年2月に改訂稿(現在一般に聴かれるもの)が加えられます。初演を聴いた作曲家の意向だそうです。(拍手なし)

 「展覧会の絵」もクーセヴィツキーがRavel に編曲を依頼したそうな(1922年)。この人は現代音楽会のレパートリーに寄与をしておりますね。前回拝聴したのは1930年録音〜既に処分済故、どんな演奏だったか記憶も彼方(かなた)。やや(速いところはいっそう)速めのテンポ、ストレート系、熱気溢れる推進力、オケの華やかな技量を実感できるのは上記作品と同様です。冒頭プロムナードのトランペットは名手ですよ、「グノーム」から強烈叩き付けるような迫力、ものものしい雰囲気たっぷり。(このあと何故か第2プロムナードと「古城」が抜けております/ネットよりいただいた音源問題か)

 「テュイルリーの庭」は剽軽で元気がよろしい。そして残念!「ビドロ」と第4プロムナード抜けて、似たようなテイストの「卵の殻をつけた雛の踊り」へ。これもはち切れるような活力があり、次の「サムエル・ゴールデンベルクとシュムイレ」の剛直なスケール対比はみごとであります。シュムイレの情けないトランペット・ソロは素晴らしい技巧。更に第5プロムナード省略。なんやねん、これ。

 「リモージュの市場」の快速快活熱気は筆舌に尽くし難い、史上最高のアツさ。そのまま荘厳なる「カタコンベ」へと続きます。テンポはしっかりと地に足付いた遅さ。(ここちょっと音が揺れる)繊細静謐なる「死せる言葉による死者への呼びかけ」(プロムナードの変奏)を経、馬車馬のように疾走する「 バーバ・ヤーガ」、いや往年の蒸気機関車かな?このオケの厚み、最高です。金管華やかに「キエフの大門」にて圧巻のアッチェランドに至る・・・立派なものです。

 両曲とも文句なし、現代に生き残るべき名演奏と確信したが、「管弦楽のための協奏曲」の終結部初稿ともかく、「展覧会の絵」の「古城」「ビドロ」両曲ともお気に入りなので、肝心なところが抜けたような隔靴掻痒感つのります。残念。

(2011年12月31日)


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written by wabisuke hayashi