Dvora'k 交響曲第8番ト長調/スケルツォ・カプリチオーソ/「伝説曲」第4/6/7番
(バルビローリ/ハレ管弦楽団)


Disky Communications  HR703992/BX704012 Dvora'k

交響曲第8番ト長調 作品88(1957年録音)
スケルツォ・カプリチオーソ 作品66(1957年録音)
伝説曲 作品59より第4/6/7番(1958年録音)

バルビローリ/ハレ管弦楽団

Disky Communications  HR703992/BX704012(旧PYEレーベル録音)  3枚組2,090円で購入したウチの一枚

 

1957年とは思えない音の鮮度良好。(やはりEMIの音の趣向と少し異なる)この曲、叙情的な旋律がいかにもバルビローリにぴったりそう。泣きの入った節回しを期待したのですが、意外なほどスッキリと端正な響きでした。第2楽章の、なんかもの凄い「ゼネラル・パウゼ」が、一瞬機械の故障か、と不安にさせます。第3楽章も抑え気味で淡々とした味わい。いや、これくらいのほうがむしろ効果的か。

 全体として、オケの響きがやや薄めで、怒濤のような迫力は期待できません。アンサンブルは優秀、ていねいな仕上げが印象的。終楽章のチェロの歌も充分美しいが、腰は軽い。上品で、しっとりとした味わいはあって好印象でした。最後はしっかりと盛り上がって終了。

 普段聴く機会の少ない管弦楽もなかなかよろしい。スケルツォ・カプリチオーソは、スラヴ舞曲の味わいそのもので、ウィンナ・ワルツも上手いバルビローリの本領発揮。いきいきと踊るようなリズムの楽しさ。シミジミとした旋律の歌。これ、凄い名曲でしょう。ホルンの牧歌的な音色も悪くない。

 伝説曲第4番も、暖かいホルンから始まって、いかにもおとぎ話のような楽しさでした。第6番の哀愁の旋律、第7番のため息のような主題、それに絡むヴァイオリン・ソロもはかなげ。(1999年頃のコメント)

 21世紀に入ると、この3枚組は時に1,000円ほどで見掛けるようになりました。いえいえ、そんなことは枝葉末節な事象、どれだけ楽しんだか、が問題なんです。バルビローリへの(ワタシのサイト初期)コメントには杜撰なものがあって、もう誰も見てないとはいえ、個人的にはずっと気にしておりました。「怒濤のような迫力は期待できません」〜だとぉ?Tchaikovskyの交響曲は数年前既に再コメント済み。嗚呼、恥ずかし。

 交響曲第8番ト長調には、カラヤン/ウィーン・フィル(1961年)の(LP以来の)刷り込みがあるんです。濃厚な節回し、分厚く甘いサウンド〜それとハレ管を比べちゃうと・・・少々不利か。薄味ですか?(クーベリック/ベルリン・フィルも聴いたばかりだ)こうして数年後、人生の波風を少々受ける毎日を越え、「歌」がちゃんと感じられるようになりました。燃えるような勢いと入魂表現も。それこそ、第1楽章は「怒濤のような迫力」と評してもよいくらい。録音も良好だし、ハレ管がのびのび、精一杯演奏して立派なアンサンブル。

 纏綿と歌い、時に激昂疾走し、溌剌とした節回しが躍動して爽快だけれど、オケの響きには少々魅力に欠けるでしょうか。(例えばフルート)いえいえそんな心配を吹き飛ばすような熱演!第1楽章/最終楽章では燃えるような勢いを感じさせ、第2楽章/3楽章などゆったりとした懐かしい旋律部分では粘着質な、しつこいくらいの「タメ」を期待したが、意外と真っ当に美しいバランス表現でしたね。いや、それも充分楽しく聴かせてくださいました。終楽章のトランペットは少々頼りなく、チェロはもっと豊かに朗々と歌って欲しかったが・・・いえいえ精一杯の力演に拍手。

 「スケルツォ・カプリチオーソ」って、名曲です。躍動する民族舞踏と優しい歌、牧歌的ノンビリとした味わいが続いて、楽しい!(牧場に角笛が呼んでまっせ)なんという生き生き楽しい世界。交響曲以上にたっぷり歌って下さって、タメも存分。何度が顔を出す「ワルツ」は優雅哀愁の表情ですね。「伝説曲」の夢見るような楽しさは出色でして、「第4番・・・いかにもおとぎ話のような楽しさ・・・第6番の哀愁の旋律、第7番のため息のような主題・・・」それはその通りのコメントであって、オケは清楚でやや素っ気ないほどと感じたものです。

(2005年12月9日)


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written by wabisuke hayashi