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Bach のカンタータについて



 BRILLIANTがルーシンク/オランダ・バッハ・コレギウムによる新しいBach カンタータ全集(1999年〜2000年録音)を録音してくれました。それが、ずいぶんと価格も安い。(@300に届かない)Bach の名曲は、手元に揃える価値はあって、演奏スタイル云々を越えて必ず感動するもの。

 LP時代は「エラート1000シリーズ」辺りで、けっこう集めたものです。ヴェルナー/プフォルツハイム室内管を中心に、レーデルやヴィンシャーマン(これはカンターテ・レーベルだったかな?)、他VOXレーベル等々20数枚はあったはず。リリングの全集は「いつかはきっと」と夢に見ていました。2000年のBach ・YEARで、そのCD全集がかなりの価格(個人輸入で30,000円くらい?)でセット販売された時にはかなり悩みました。

 1992年頃LPはすべて処分しました。CDでレパートリー在庫の回復を目指していたワタシは、NAXOSで4枚買っています。

カンタータ第80番・147番  8.550642
カンタータ第51番・208番  8.550643
カンタータ第211番・212番  8.550641
以上 アンタール/ファイロニ室内管/ハンガリー放送合唱団
カンタータ第199番・202番・209番 8.550431
ブレムベク/カペラ・イストロポリターナ
(ブレムベクはロ短調ミサも録音)

 録音も1990年代で新しいし、ときどき楽しんでおりました。で、2000年にシュライヤーの世俗カンタータ集(CCC 0002623CCC 8枚組2,190円〜これが本当に楽しい)を出してくれて、挙げ句に ルーシンク盤が出たでしょ。

 カンタータ第140番「目覚めよと呼ぶ声が聞こえ」、第88番「見よ、われ多くの漁師を使わさん」第79番「主たる神は太陽にして楯なり」(BRILLIANT 99374/1)から聴き始めたら、細部まで明快なこと、少人数による軽快で清潔な演奏ぶりにすっかり感心しました。(古楽器使用。少年合唱団が参加)

 「どんな演奏でも」と無責任なことを言っていましたが、NAXOS盤を久々に取り出したら〜もちろん、数々の美しい局面は感じ取れるが〜編成が大きすぎるせいか、録音の問題でしょうか、響きが濁る、重すぎる、リズムが弾まない、全体として中途半端な印象で全然ダメなんです。

カンタータ第44番・78番・112番
聖トーマス教会聖歌隊/ゲヴァントハウス管弦楽団
(指揮者なしか不明)PILZ 442061-2

 これ、いわば本場もんなんでしょうが、これもルーシンク盤をいくつか聴いたあとでは、演奏スタイルがやや古臭く感じました。勝手なものです。ところが、シュライヤーの世俗カンタータ8枚組は、生き生き溌剌として、現代楽器だってちゃんとすばらしいのが不思議。

 ワタシはよく「評論家はお勧め演奏をコロコロ替えやがって」とか、「リーダーズ・チョイスにおける選定は保守的すぎる」とか、勝手に苦言を呈しているが、ワタシが間違っていたのかもしれません。演奏スタイルには流行廃れがあって、Bach 〜Beethoven 辺りは、明らかに音楽史的な研究(古楽器の使用も含めて)の深化が、新しい魅力的な演奏への成果を上げています。

 歴史的録音における超個性的な録音も貴重だが、新しい録音によるスッキリとした演奏はBach のイメージを変えています。録音も自然な奥行きと演奏者の配置が感じられるもので、とくにポジティヴ・オルガンの控えめな伴奏も明快に聴き取れるのが嬉しい。歌い手は名の通った人なのかは知りませんが、ワタシにとって不満はありません。

 既に5枚ずつ2巻分を入手していましたが、のこり10巻(世俗カンタータを除く)計11,800円も注文しました。連日、静かで素朴な世界に痺れっぱなしです。も歌詞の意味もなにもわからないけれど、聴くほどにやすらぎ、平安な気持ちになります。

 ワーグナーの「リング」を聴き通したときは、そうとうの難行苦行だったのですが、Bach は体質に合っているみたいで、どこから聴いても楽しめます。言葉の壁も気になりません。


 これを執筆した直後に、BRILLIANTのカンタータ集5枚*10セット届きました。手元に2セット分あったから、60枚分揃い踏み。これにシュライヤーの世俗カンタータ集がある。更に、ヤコブス/バンキーニの第35・82・53番(harmonia mundi HMC901273)、ゲヴァントハウス/聖トーマス教会聖歌隊の第44・78・112番(指揮者不明 PILZ  442061-2)がカンタータ在庫のすべて。

 上記NAXOS盤4枚は売り払いました。(@50でっせ。欲しい人があればあげたのに)ルーシンク盤は連日痺れながら聴いております。

(2001年3月2日)


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written by wabisuke hayashi