Bach ゴールドベルク変奏曲 BWV 988(アンドラーシュ・シフ(p))Bach ゴールドベルク変奏曲 BWV 988 アンドラーシュ・シフ(p) 英DECCA 480 1238 1981年録音 12枚組3,500円程で入手 2001年に再録音をしたらしいので(未聴)、こちら旧録音となります。おそらくはこの録音と同時期のライヴをFMエア・チェックしており、それはそれは深遠なる会場のしっとりとした雰囲気に感動した記憶有。あれは息子(既に社会人)が生まれたばかり、ワタシが溌剌紅顔の青年だったころ・・・やがて時は無残に過ぎ去って、”12枚組3,500円程”の出費など屁でもなくなりました。経済的余裕+21世紀廉価盤の時代が一緒にやってきた〜でも、大切なのは聴き手の感性と集中力であります。問題はそこだ! メモによると2008年11月に(待望の)ボックス入手をしていて、順繰り一連の聴取は「音楽日誌」にてコメントしているが、ちょっと全面賛同はできない〜タッチがゆらゆらと曖昧でソフト、親密でニュアンス豊かとも評価できぬこともないが、ワタシの嗜好方面からすっかり離れてしまった・・・そんな感慨ばかり。ベーゼンドルファーでしたっけ?この柔らかい音は。 先日、ブルール・カニーノ(p)(1993年)の”伸びやかで、リズムに暖かいノリ”演奏にすっかり感心いたしました。こちらアンドラーシュ・シフは繰り返しを全部実行して72:09。カニーノ盤より短いんだけれど、ずいぶんと長く感じますね。この作品本来の意味合いを充分発揮して、ちゃんと眠くなる。少々、鬱陶しい・・・ 優しく、ゆらゆらと味わい深いタッチ、浪漫(?)に揺れ動くリズム感(とくにゆったりとしたテンポのところにて)がフィットしない。繰り返しを実行して、雰囲気たっぷりの個性を実現しております。でもね、例えばあのもの哀しい第25変奏曲は詩情豊かに、まるでChopin のようにニュアンスたっぷり表現されつつ、基本のリズムに”もどかしさ”を感じちゃう。これを賞賛される方がいらっしゃっても不思議はないけれど、ワタシにはグレン・グールドの、精緻を極めたクールな表現、大きな呼吸が脳裏に木霊しておりました。 FMで熱心にエア・チェックしていた若く、貧しかった若き日々。アンドラーシュ・シフのピアノに心より感動していたはず。こんな不遜な聴き方しかできなくなったのは、おそらくは聴き手の変貌+華麗なる加齢故でしょう。”12枚組3,500円程”の出費は、その感慨と再会するためだったはずだけれど、残念無念。でも、もうしばらくして枯れたら虚心に、この音楽に対峙できる日が来るかも知れません。少々、お仕事オツカレ気味でして(といった醜い言い訳)、こんなエエ加減なコメントばかりで申し訳ない。何度も何度も聴いたんだけどねぇ・・・ (2009年12月4日)
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