Corelli 「クリスマス・コンチェルト」/Marcelloオーボエ協奏曲ニ短調
(ルイ・オーリアコンブ/トゥールーズ室内管弦楽団)


EMI HCD-1542@250 Corelli

合奏協奏曲第8番ト短調 作品6-8「クリスマス・コンチェルト」

Marcello

オーボエ協奏曲ニ短調

モーリス・ブールグ(ob)

Handel

ハープ協奏曲 変ロ長調

リリー・ラスキーヌ(hp)

ルイ・オーリアコンブ/トゥールーズ室内管弦楽団(1968/1970年)

Bach

ヴァイオリン協奏曲第2番 変ホ長調 BWV1042

ツィマーマン(v)/ジェフリー・テイト/イギリス室内管弦楽団(1988年)

Haydn

トランペット協奏曲 変ホ長調

アンドレ(tp)/リッカルド・ムーティ/フィルハーモニア管弦楽団(1984年)

EMI HCD-1542  中古250円にて入手

・・・ワタシにとっては懐かしく、そして世間的には既に忘れ去られているルイ・オーリアコンブ/トゥールーズ室内管弦楽団の演奏。記憶も薄いが1970年頃、来日直前に亡くなったじゃなかったか。Vivaldi 「四季」人気全盛の頃、こちらのほうがエエのではないの?と思いつつ、子供だったワタシは世評(に流され)高き大ベストセラー”イ・ムジチの四季”(楽譜付き)を購入してしいました。

 久々の邂逅〜これが、ぎょっとするほどしっとりウェットな泣き、ヴィヴラートたっぷりで、カラヤンもびっくり!〜たっぷり雰囲気で聴かせる”前時代的”節回しスタイルであって、嗚呼、なんて自分は遠くまで来てしまった!的感慨深いものであります。ゆるゆるとした曖昧なる(穏健な?)腰のないリズムとアンサンブル、楽章ラスト駄目押しのルバート、金属的なチェンバロの響き・・・美しく、瑞々しく、耳当たりも悪くないが、既に絶滅したスタイル也。往年の名作映画みたい。貴重品。怖いもの見たさ、みたいな感じで(ニヤニヤしつつ)数回楽しんでおりました。

 「クリスマス・コンチェルト」は、そっと囁くように(いやらしいくらい)たっぷりムーディ。名手ブールグによるMarcelloも、ソロの妙技ともかく、最近のスリムな演奏に耳馴染んでいると妙に弱々しすぎて、微妙なイライラ感も募るばかり。リリー・ラスキーヌの明快なるハープ・ソロには(ちゃんと)感銘を受けました。

 きっとLP時代はこの3曲分くらいの収録で(それも悪くないか)、CDコンピレーションならばたっぷり余白に収録されます。これが(同じ現代楽器とはいえ)演奏スタイル的に少々違和感有。

 ツィマーマン(v)のBach は颯爽として清潔、テイトの指揮と通奏低音も歯切れ良く、バランスの良いもの。所謂現代楽器による、現在のちゃんとした演奏となります。時代はバロックを越え、Haydnのトランペット協奏曲は名手モーリス・アンドレ(tp)のスムース(過ぎる)妙技が楽しめました。ムーティのバックは入念繊細、ていねいな表現申し分なし。

(2008年7月25日)

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written by wabisuke hayashi