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SNS管弦楽団 演奏会 2nd IMPACT!


2009年8月22日(土) 12:30開演〜尼崎アルカイック・ホール

Bruckner

交響曲第9番ニ短調

Messiaen

トゥーランガリラ交響曲

森 和幸/SNS管弦楽団/大谷 祥子(p)/市橋 若菜(オンド・マルトノ)

 日本ではクラシック音楽=(ほとんど)独墺系であって、それに+Tchaikovsky(Dvora'k)が加わるのが基本パターン。演奏会の演目を見てくださいよ・・・とサイトに掲載したら、どこかのブログで「文句あるか」との手厳しい反応。BBならなんだけど、BRUCKNERだったら話は別、更に大曲「トゥーランガリラ交響曲」のナマ体験など、一生の間にそうそうあるもんじゃなし、もちろん”オンド・マルトノ”も初めて実物拝見いたしました。ご近所だし、土曜のマチネだし、と条件勢ぞろい!

 SNS管弦楽団とはネット上で意気投合してできた一発オケらしいが、なんか凄い演目ですよね。2連続ホームランみたいなものか。Brucknerだったら、先日第7番の立派な演奏を拝聴いたしました。団員登場。バラバラと入場して勝手に音出しする「アメリカン・スタイル」〜配置がぎょっとさせるもの。左手より第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、右手の第2ヴァイオリンは、お馴染み対向配置だけれど、ホルン+ワーグナー・チューバを再左手に、他の金管は右手、驚くべきはコントラバスがずらり、ひな壇最上段に聳えます。

 配置のせいばかりではないとおもうが、臨時編成とは思えぬ”良く鳴る”迫力オケ、各パートは良く分離して、細部まで明快に理解できます。弱音に拘泥せずmpくらいで豪快に進みます。けっしてあわてず、落ち着いたテンポは走らない。そうとう上手いですね。アンサンブルの精度も優秀、弦楽器奏者の身振り大きく揺れ、金管の腕もたしか。

 深遠なる「アダージョ」では、ワーグナー・チューバの音色の違いをたっぷり堪能いたしました。

 20分の休憩中、大物登場。楽器搬入とともに「オンド・マルトノ」の前には人だかりになっておりました。ワタシも実物は初めて。チェレスタ2台というのも凄いですね。ど真ん中にピアノを据え、左手にずらりと打楽器奏者7人ほど?ヴィヴラフォンがバスのピツィカートと呼応して大活躍なのは途中から気付きました。奏者で舞台は溢れそう。

 「トゥーランガリラ交響曲」はお気に入り作品でして、キラキラと宝石箱をひっくり返したような派手なサウンドが素敵です。起承転結とか、陰影とか、そんなんじゃなくて、ひたすら(ある意味だらだらと)80分ほど計10楽章続くんです。旋律はシンプルな繰り返しだけれど、多彩な打楽器の音色とリズム(これが主役でしょう)、打楽器的なピアノ活用(これも相当な迫力)に、最終兵器は「オンド・マルトノ」の”ひゅーん”としたヴィヴラートたっぷりなセクシー・サウンドが絡みます。

 打楽器凄いですよね。ヴィヴラフォンが最前列だったから目立つが、一番奥のチューブラー・ベルも奥行きと広がりを表現して大活躍。CDで聴けば混沌の渦に埋もれるようなフクザツなサウンドが、肉眼だと、”おお!この響きはこの楽器の絡みが作りだしておるんだね”と納得できます。金管の華やかなサウンドも素晴らしい。アマオケがどうの、という水準ではない、とても立派な、完成度の高い演奏でした。

 ナマ体験で、初めて作品の真価が見えるもんですね。痺れました。帰宅して小澤征爾/トロント交響楽団(1967年)を再聴しました。ちょっと草臥れた昔の録音だけれど、仮に最新の優秀録音を高級オーディオで再生しても、ナマの鮮度には絶対かなわない。そして、CDの再生をノーミソ中で再構成できるように。

written by wabisuke hayashi