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漆原朝子(ヴァイオリン)のウィーン紀行(大阪倶楽部)


2007年6月7日(木) 19:00開演〜大阪倶楽部4階ホール(淀屋橋)にて (招待券に当選)

Mozart :ピアノとヴァイオリンのためのソナタ ヘ長調 K.376
Schubert :ヴァイオリンとピアノのためのソナティネ 第2番 イ短調 作品137-2, D385
Webern:ヴァイオリンとピアノのための4つの小品 作品7
KREISLER:愛の悲しみ
Schubert :幻想曲 ハ長調 作品159, D.934

漆原朝子(v)/三輪 郁(p)

   

会場である「大阪倶楽部」は大正13年建築だそうで、やや大きめの部屋に椅子を持ち込んでのコンサートなんです。つまり、演奏者は間近に息づいておりました。漆原さんはショッキング・ピンクのドレスも艶やかで、変幻自在の技巧とニュアンス、しかも端正なスタイルを崩さない。「愛の悲しみ」は、そうとうの”タメ”、”間”、”揺れ”が存在するが、気品を湛えてあくまで美しい。三輪さんのピアノは強靱でして、鮮やかなグリーン系ドレスとソバージュ(+笑顔)が素敵でした。

但し、最前列、真ん前のご夫婦が落ち着かなく、時に会話をされるのには閉口気味〜演奏会にはこれがあるんですよね。200人くらいだったかな?素敵な会場と演奏会でした。「音楽日誌」より

   これ以上は蛇足だが、いちおう記録として付記しておきましょう。

 大阪にお仕事移して3ヶ月〜ようやく生活と仕事のリズムが出来つつあります。通うべきコンサートには事欠かないが、肝心の聴き手のテンションが追いつかない〜つまり、夜7時からの開始(都会の生活はこれが常識らしい)終了が9時を過ぎるというのが(純個人的)生活リズム的に少々ツラいこと、休日に出掛けるのも億劫(クルマがないし)・・・それでも、時にナマ演奏の鮮度は音楽生活には必須でしょう。録音芸術(=音楽の缶詰)は、ナマ体験あっての前提と考えます。(但し、時に聴衆のマナーには閉口するが〜今回も演奏中にケータイの着信音〜マナーモードながら〜有)

 ましてや、客席と舞台の境目のない、ほとんど演奏者の息遣いまでわかる(なんだったら、入退場の時に触ることも可能〜しないけど)距離での演奏は、それだけで圧巻の感慨がありました。ワタシのヴォルフガング好きは前提だけど、ヴァイオリンとピアノのための作品ならSchubert !なんです。とくに「幻想曲 ハ長調 作品159」は、かつてこのサイトの中

暗黒の世界に一条の光が射し込み、やがて深く、長い眠りから覚醒するかのような快い冒頭。そして馥郁たる香りに包まれ、生命が謳歌されます。
と、作品への情愛を表現したものです。それをナマ体験できるなんて!

 冒頭、平明なるMozart は、甘美な歌謡性に充ちたSchubert の旋律をいっそう際立たせておりました。漆原朝子さんは録音含め初耳だったが、消え入るばかりの微弱音ニュアンス(Webernが凄い!)から、最強音で鳴り渡る朗々とした響きまで、弱くもなく、濁りもしない。中低音の豊かさは特筆すべきでしょう。「”タメ”、”間”、”揺れ”」は、Schubert に於いても幾度登場するが、媚びたり崩したり、という表現ではなく、常に端正な気品が漂います。正確な技巧は前提であって、しかもクール(汗水激演!に非ず)。

 女性の豪華なドレス姿は、華やかで美しいですね。「容姿と芸術は関係ない!」と(かつて)某誌上で論議があった記憶もあるが、芸術も芸能の一種だから容姿だって重要なんです。リンク先の写真より実物のほうがずっと素敵でしたよ。

 歴史と風格ある会場ふくめ、贅沢を堪能いたしました。出不精なワタシだが、こんな室内楽とかピアノ・ソロとか、管弦楽ならば通り一遍ではない貴重な演目を求めて、時には演奏会場に通いましょう。(2007年6月9日記)


【♪ KechiKechi Classics ♪】

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written by wabisuke hayashi