【岡山大学交響楽団第50回定期演奏会】2003年12月6日(土)PM6:30〜岡山シンフォニー・ホール
☆保科 洋/Jubilant prelude 『祝典前奏曲』(委嘱作品・初演) ☆Bruckner/交響曲第8番ハ短調(ノヴァーク版第2稿) 保科 洋/岡山大学交響楽団 いつもご招待いただき、ありがとうございます。 先日、岡響でMahler 交響曲第5番を堪能いたしました。いつもいつもサイト上で勝手なことを書いているが、ワタシのようなふつつか者は「CD聴いて半人前、ナマで一人前」ということなのでしょう。この作品は、おそらく二十年以上前にクナッパーツブッシュ/ミュンヘン・フィルのLPで出会って以来の馴染みさんだけれど、もう目からウロコはぼろぼろ何枚も落ちる気分。 当日、同行者有。いつもの児島在住体操服屋の若旦那+松江在住硬派音楽愛好家B氏〜彼は自らホルンを奏し、しかも交響曲第8番こそ最愛の交響曲である・・・とのこと。舞台向かって左、二回ロビー席占拠(容積占有率高い三人故?)〜これはこのホールは上方のほうが音がよく響くからです。一回席は音が上に逃げてしまう感じ。客の入り上々(Brucknerでねぇ・・・凄い)。知的な若者も、女性の姿も多い。12月にしてはかなり暖かく、我ら”てんぷくトリオ”は開演前にビールで景気付け。 お医者でありサブコンダクターである秋山さん登場。Jubilant prelude 『祝典前奏曲』は楽器編成もでかい(Brucknerとほぼ同様)し、旋律が平易で親しみやすい。こんな言い方をすると叱られそうだけれど、NHK大河ドラマ風か。15分ほど。日本の現代音楽が、かつての晦渋さ一本槍から親しみやすい路線に行ったことは、悪いことではないと思います。暖かい拍手に包まれました。 さてBruckner開始。ヴィオラ一人とハープ以外はすべて学生さんなんですね。2000年に岡響で第7番を聴いて以来のワーグナー・チューバも登場。結論的にいうと「ワタシはいままでなにを聴いてきたのか?」ということですよ。技量的になんらの問題もなし。やや木管が走ったり、全体のアンサンブルが乱れる部分もないではないが、そんなことは枝葉末節。 中低弦〜つまりヴィオラ+チェロ+コントラバスが活躍しているんですね。旋律が受け渡され、もちろん第1ヴァイオリンも素晴らしく歌うが、この曲特有の神秘的な味わいの秘密を発見できたような気がしました。”鳴り”がたいへんよろしい。木管はフルート、オーボエが素晴らしい。ワタシはド・シロウトなのでお恥ずかしいが、ホルンとワーグナー・チューバ(持ち替えがたいへんそう)の微妙な音色の違いはこうして実演で確認して初めて理解できる。 右端のホルン君、朗々としたソロが素敵でした。前列右から三人目の女性も後半戦大活躍。チューバの鮮度、トロンボーンの深度、トランペットの鋭利な輝きはBrucknerの醍醐味でしょう。これはナマならでは最大の魅力です。ティンパニ大奮闘(とくに最終楽章)だけれど、深遠なるアダージョ(もちろん弦の貢献大)で出現するシンバル・トライアングルの鮮烈なる爆発に心臓は打ち震えましたね。 最終楽章は保科先生、かなりテンポを動かしました。それにしてもBrucknerは体力勝負だ。前回のMahler でも思ったが、死ぬまでにBrucknerは全部ナマで聴きたいな。これで第5番(かなり以前に福岡芸術工科大学交響楽団にて)、第7番、そして第8番か。CDばかり聴いてしたり顔しちゃいけないね。長大なる作品、しかも事前ビールにもかかわらず眠気一切なし、長さを楽しみましたね。アンコールはなし。 そのあと、5人でとことん飲んじゃいました。ことしも暮れていく。(2003年12月7日) 当のB氏より書き込み有。(勝手に転載)
岡大ブルックナー、私も楽しみましたよ。
【♪ KechiKechi Classics ♪】●愉しく、とことん味わって音楽を●▲To Top Page.▲ |