Kurt Weill ヴァイオリン協奏曲/Jacques Ibert チェロ協奏曲 /Alban Berg 室内協奏曲 (ティモシー・マフィット/バトン・ルージュ交響楽団)
Kurt Weill (1900-1950)
ヴァイオリン協奏曲 ジョン・ギルバート(v)
Jacques Ibert (1890-1962)
チェロ協奏曲
ジョージ・ワーク(vc)
Alban Berg (1885-1935)
室内協奏曲
ドミートリー・シテインベルク(p)/ジョン・ギルバート(v)
ティモシー・マフィット/バトン・ルージュ交響楽団
Dorian DSL-92161 2011年
三曲とも伴奏は管楽器のみ、オモロい趣向の作品を集めた一枚でした。Baton Rouge Symphonyは亜米利加ルイジアナ州のオーケストラとのこと。Timothy Muffitt(1961-亜米利加)は1999年から2020年迄長期音楽監督を務めたそう
Weill Violin Concerto, Op. 12は1925年(巴里)初演。その時から注目を集めたそう。fl/ob/cl/fg/hr/tp/cl/cb+6種の打楽器という珍しい伴奏。John Gilbert(1922-2012亜米利加)はコンマスであり、現代音楽に熱心なヴァイオリニストだったらしい。大昔ラウテンバッハーの硬質な演奏を聴いて「Shostakovichみたい」と感じたけれど、こちらのほうが怪しく暗い印象はずっと強い。ジャズ?や「カバレットの音楽」風情満載。
第1楽章「Andante con moto」暗く不気味、内省的なヴァイオリンは、各管楽器と対等に響き渡って技巧的、そして鬱蒼。打楽器の存在感も効果的でした。(10:49)
第2楽章「Notturno: Allegro un poco tenuto」シロフォンもユーモラスに、付点のリズムに揺れる無機的な「夜想曲」。コントラバスのリズムも効果的でした。(3:55)
「Cadenza: Moderato」静かなトランペットとヴァイオリンが自在に絡むところ。やがてヴァイオリンの快速パッセージ登場。(3:50)
「Serenata: Allegretto」明るい?不安な管楽器の歌が続いて、不思議なリズムを刻んでおります。ヴァイオリンはピチカートも使って存在感は控えめ。(3:54)
第3楽章「Allegro molto, un poco agitato」はTarantellaのリズムらしいけど、なんかとっても怪しい躍動。不機嫌なまま激昂し、蠢くように緊張感高まる幕切れでした。(7:35)
Ibert Cello Concertoの初演は1926年(巴里)。伴奏の編成はfl/ob/cl/fg/hr/tp。打楽器やコントラバスは含まれない、ほとんど室内楽風。George Work(1950年代後半頃?)は亜米利加のチェリストらしい。こちらぐっと穏健な音楽でした。
「Pastorale: Allant」題名通りの牧歌的、静かにユーモラスな各パートの対話。チェロも控えめでした。(3:22)
「Romance: Souple」どこがロマンス?上機嫌に明るく軽妙、快活な風情にソロは気紛れに歌います。(4:14)
「Gigue: Anime」ごりごりとしたチェロのアルペジオから始まって、弾むような管楽器パートが呼応して軽快に、素っ頓狂な躍動が続きます。途中、チェロのカデンツァがパワフルに、雄弁に自己主張してノリノリの多彩なフィナーレへと向かいました。(5:03)
Berg Chamber Concertoの初演は1927年(ヘルマン・シェルヘン/ベルリン)独奏ピアノ、ヴァイオリンに13本の管楽器(ホルン4本!)これはけっこう有名、ハードな作品。最近気に入って幾度も聴いておりました。Dmitri Shteinberg(1970年代?露西亜→亜米利加)の情報はあまりよく探せぬピアニスト。もちろん演奏の良し悪しなど判断できるわけもないドデカフォニーへの入り口作品でした。
「Thema scherzoso con variazioni, leicht beschwingt」冒頭のモットー「シェーンベルクの名から取られたA-D-Es-C-H-B-E-G、ウェーベルンから取られたA-E-B-E、ベルクの名によるA-B-A-B-E-Gの3つの動機が提示される」(Wikiより)とっても晦渋難解だけど、幾度聴いているとその神秘にデリケート、緻密な変奏曲に「美」を見出せるようになる・・・リズムの緊張感も凄い。(8:56)
「Adagio」ヴァイオリン・ソロが活躍して自在に、雄弁な管楽器と絡み合って美しい。ここはピアノは登場しない。(13:48)
「Rondo: Introdutione」ピアノが劇的に再登場、冒頭のモットーがヴァイオリンに再現され、ピアノと絡み合って、やがて管楽器も雄弁に参入します。この辺りのフクザツな旋律、怜悧なサウンドの絡み合いはまるごと暗記するしかない。ド・シロウとは数を重ねて聴き続けましょう。(11:21) (2026年10月17日)
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