Webern パッサカーリア 作品1/
Berg コンサート・アリア「ワイン」/
Scho"nberg 交響詩「ペレアスとメリサンド」
(カール・ベーム/ウィーン・フィル/
ドロシー・ドロウ(s)/1969年ライヴ)


放送音源?アナウンス入り Webern

パッサカーリア 作品1

Berg

演奏会用アリア「ワイン」

Scho"nberg

交響詩「ペレアスとメリサンド」

カール・ベーム/ウィーン・フィル/ドロシー・ドロウ(s)

ネットより怪しい音源入手(1969年ライヴ放送音源/アナウンス入)

 Karl Bo"hm(1894ー1981墺太利)による新ウィーン楽派のライヴ。歌劇「ヴォツェック」辺りをレパートリーにしていたから、独欧系オーソドックスな古典中心のイメージのあるベームも特異な演目ではなかったでしょう。ネットより入手したのは放送音源らしくて音質はまずまず、やや肌理粗く平板、オン・マイクに奥行き足らぬけれど、充分日常拝聴に耐えられる水準でした。

 パッサカーリアはWebern24歳の作品、3管編成+ハープや多種多様な打楽器を必要とする多彩かつ緻密に分厚い変奏曲。後期浪漫の濃密甘美な残滓が漂って妖しく時に激高して・・・この燃えるような前のめりの激しさ、メリハリ、疾走、爆発はベームらしからぬ表現? 木管先頭にヴァイオリン・ソロなどウィーン・フィルの美しさ、厚みのある響きが際立ちました。(11:20長い拍手アナウンス別)

 Dorothy Dorow(1930ー2017英国)の歌唱による「ワイン」は「ワインの魂」「恋人同士のワイン」「孤独な男のワイン」三つの部分からなる歌曲集、歌詞内容はこちらの参照お願い。ネットを調べても楽器編成が出現しません。おそらくはそうとう大きなもの、サキソフォーンや打楽器の断片的な登場は充分妖しいもの。これもまるっきりのハードなゲンダイ音楽に非ず、後期浪漫濃厚な香り漂って、管弦楽の不協和音も不安げに知的なソプラノと対等平等に溶け合う美しい瞬間の連続。ド・シロウトのイメージとしては「ヴォツェック」や「ルル」と同質線上なものを感じました。あまり他の演奏も聴いていないので比較できないけれど、ベームの表現は細部曖昧さのない、かっちりと明快にハードなもの。(12:40長い拍手別アナウンス別)

 「ペレアスとメリサンド」も後期浪漫を引きずった初期の巨大作品、未だ無調に非ず、静謐にたっぷり激甘な雄弁旋律でした。大規模な4管編成、多種多様な打楽器(それは破壊的な効果有/リュールトロンメルとは?)+ハープ2台などなど。きらきらと幻想的な場面がつぎつぎと登場して、録音の加減か太い管楽器が前面、極上に美しい。ややつかみどころのない、変幻自在なR.Strauss風?旋律にあまり馴染んでいないので、作品構成やら演奏個性云々は言及不可、ここでもベームの力強い、燃えるような雄弁な疾走が時に見られました。(39:00長い拍手別アナウンス別) 

(2023年11月18日)

【♪ KechiKechi Classics ♪】

●愉しく、とことん味わって音楽を●
▲To Top Page.▲
written by wabisuke hayashi