外伝へ

(益々)「ウィンナ・ワルツ覚え書き」〜独逸編


 ウィンナ・ワルツ関連CD自らの在庫棚卸し・・・というあまり資料的価値もないシリーズも第4回目。もうウィーン・オーストリア関係のはないはずだよね、ということで独逸に行きまっしょい。


アーベントロート/ライプツィヒ放送交響楽団(VIRTUOSO 83007 4枚組 1690円  1950年録音)

喜歌劇「こうもり」序曲/春の声/美しき青きドナウ/芸術家の生活

 求心力というか、集中力バリバリ・グイグイの強烈勢い演奏。快速テンポ、だいたい予想通りの「独逸のワルツ」強面風か。テンポは揺れに揺れて雰囲気たっぷり、表情もおおげさだけど、やはりウィーン風の柔らかさには欠けますね。音質はあまりよろしくなくて、わざわざ、このワルツを聴くためにセットを購入する必要はないでしょう。でも、おもろいっすよ。

スウィトナー/シュターツカペレ・ドレスデン(CCC  0002612CCC  1970年録音 10枚組 4,680円で購入したうちの一枚)

Lanner シュタイヤー風舞曲 Op.165/ワルツ「シェーンブルンの人々」. Op.200 /ワルツ「宮廷舞踏会」. Op.161
Josef Strauss ピツィカート・ポルカ/ポルカ「休暇旅行で」/ポルカ・マズルカ「女心」/ポルカ「小さい風車」/ポルカ「とんぼ」/鍛冶屋のポルカ/おしゃべりな可愛いお口

 収録が渋いですね。ピツィカート・ポルカを除いては、わざわざメジャー風なものを避けたような選曲。ドレスデンのオーケストラは涼やかな響きで、気持ちヨロシ。でもね、やっぱりウィーン風の遊びというか、余裕みたいなものが足りないかもね。もっと、真面目で上品。極上の透明なるアンサンブルで、ワタシは好きです。録音極上。「シュタイヤー風舞曲 」って、コレ「ペトルーシュカ」の遊園地のジンタの旋律(第三景「バレリーナとムーア人のワルツ」)になっております。Stravinskyは意識して引用したのか、それとももっと原典みたいのがあるのか、不明。

スウィトナー/シュターツカペレ・ドレスデン(Ars Vivendi MRC005 250円購入)

美しく青きドナウ/アンネン・ポルカ/ポルカ「観光列車」/オーストリアの村燕/ハンガリー万歳/ポルカ「雷鳴と電光」/芸術家の生活/わが人生は愛とよろこび/ラデツキー行進曲

 調べてみたけれど録音年不明。(求む、情報〜来ました1979年12月とのこと。やはりジルヴェスター・コンサート絡みか?)前出CDより録音は前なんじゃないかな?(ウソばっか!)印象はほぼ同じ。真面目でていねいなる仕上げ、美しいが面白みがないかな?というか、聴いているウチに少々違和感(やや窮屈か?)さえ覚えてくるから、馴染みとは恐ろしい。こんな甘さのない「アンネン・ポルカ」も珍しい。「観光列車」ならぬ「急行列車」というかんじか。「電光と雷鳴」はウィンド・マシンなんか使っちゃって元気いいですよ。この辺りの「芸術家」は慎ましやかで禁欲的か。それも美しい。

ガラグリ/シュターツカペレ・ドレスデン(DEUTSCHE SHALLPLATTEN  TKCC-30409 1971年録音  中古で480円)

南国のバラ/エジプト行進曲/トリッチ・トラッチ・ポルカ /朝刊/常動曲/「ウィーン気質」序曲 /ポルカ「クラップフェンの森で」/皇帝円舞曲/ポルカ「狩」

 1971年12月30/31日録音となっているから、ジルヴェスター・コンサートの演目だと想像されます。この人、たしかハンガリー出身でスウェーデン、ドイツで活躍したはず。リズムがはっきりして、身振りが大きい。雄弁。もちろんウィーン風じゃなくて、もっとストレート系強烈なる演奏です。いつもながら涼しげなオーケストラは充分美しい響きではあるが。

 当然、「エジプト行進曲」のノリは最高。ドイツ行進曲にやや近づいておりますね。オーケストラのメンバーの美声も聴けます。「トリッチ・トラッチ・ポルカ」の推進力は運動会にピッタリでしょう。「ウィーン気質」の雄弁なる(過ぎる?)ルバートも濃厚。少々勘違いながら、血がたぎるようなアツき演奏の連続でした。

ケンペ/シュターツカペレ・ドレスデン「ジルヴェスター・コンサート」(BerlinClassics 0090072BC 1972/73録音  580円)

ウィーンの森の物語/喜歌劇「こうもり」序曲/天体の音楽/Suppe 序曲「ウィーンの朝・昼・晩」/Lehar「金と銀」/ ポルカ「浮気心」

 ああ、ウィーン・フィルとの録音より表情が濃厚だね。リズム感明快で、響きにかちっとした芯がありますね。ウィーン風とは言えないかも知れないが、語り口が上手くて、違和感はありません。しみじみ気持ちヨロシ。「こうもり」の華やかな高揚感にも文句なし。Suppe、Leharと選曲も凝っていて、「金と銀」なんておとぎ話を彷彿とさる楽しさ。豪華で、深くて、説得力充分!・・・独逸系この類のCD(但し所有分のみだけれど)中No.1の魅力でしょう。ちょっとチカラ強過ぎるところもあるかな?録音抜群!

 ・・・とうとう亜米利加編に迄到達できず。また、在庫が出てくるかも知れないし、あともう一回更新しましょう。(2003年11月7日)


【♪ KechiKechi Classics ♪】

●愉しく、とことん味わって音楽を●
▲To Top Page.▲
written by wabisuke hayashi