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(続々)ウィンナ・ワルツ覚え書き


 ウィンナ・ワルツは大好きでっせ、ということで目に付く廉価なCDは買ってしまいます。べつに有名演奏家じゃなくてもかまわない・・・ということで、〜続々編ということで。ほんの覚え書き程度、手持ちCD整理のつもり。


カラヤン/ウィーン・フィルのウィンナ・ワルツ集(素材発信 ザ・ダイソー CD-2 /10@100 1946〜1948年録音)

皇帝円舞曲/美しき青きドナウ/芸術家の生活/喜歌劇「こうもり」序曲/ウィーンの森の物語(CD2)
美しき青きドナウ/ウィーン気質/芸術家の生活/天体の音楽/うわごと/喜歌劇「こうもり」序曲(CD10)

ああ、これもウィーン・フィルか・・・例の100円CD。それはそれとして衝撃価格でしたね。後年の粘着質激甘体質ではなくて、颯爽として軽快。良い意味でスタイリッシュで若々しい、スケールもタメもありまっせ。語り口の上手さも抜群。けっこうじ〜んと来ます。音質はまぁまぁかな。戦後演奏活動ができなかったカラヤン隠棲中の、ウォルター・レッグプロデユース録音だったはず。それにしても収録のダブリがひどい。「こうもり」なんて、もう一枚ダブっちゃう。ダイソーさん、もう少していねいなお仕事してね。

PILZ/ウィーン・フォルクスオーパー管弦楽団3枚組(PILZ CD 160 303-5  3,600円で購入)

ウィーン気質/アンネン・ポルカ/朝刊/ハンガリー万歳/美しく青きドナウ/浮気心/愛の歌/常動曲/宝のワルツ
●アルフレッド・ショルツ/ウィーン・フォルクスオーパー管弦楽団

ファルク、ミヒャルスキは実在だけど、ショルツ(この人自体は実在)名義の録音は実体不明。この方は、あちこち集めた音源を自分名義にしたので困っちゃう。演奏はどれもまったり雰囲気があって、柔らかく、そつなく安心して聴けるもの。上手すぎないオーケストラがたまらない。もしかして、数曲、全然別の音源が紛れ込んでいる可能性も。「愛の歌」「宝のワルツ」のアンサンブルがやや雑っぽい。

皇帝円舞曲/ピツィカート・ポルカ/もろ人手をとり/ラデツキー行進曲/加速度円舞曲/オーストリアの村つばめ/トリッチ・トラッチ・ポルカ/ウィーンの森の物語
●ペーター・ファルク/ウィーン・フォルクスオーパー管弦楽団

刑事コロンボと同名だけれど、こちらはオペレッタの指揮者。ショルツ(名義)より上を行くこの「間」「味」「甘美」。(やはりあきらかにオーケストラが違うように聞こえる)極上の「人肌温泉」に入っているかのような陶酔感有。節回しが小粋で、さらりと薄味だけれど、しっかりとしたダシには主張という味も深い。デリケートで諄々とした、静かな説得力抜群か。大好きです。こんな繊細な「ウィーンの森の物語」は、ほかにはちょっとないよ。

芸術家の生活、電光と雷鳴、南国のバラ、観光列車、酒・女・歌、入場行進曲「いざ、ともの戦いに」、レモンの花の咲くところ、ペルシアの行進曲、春の声
●カール・ミヒャルスキ/ウィーン・フォルクスオーパー管弦楽団

この人もオペレッタ方面の人。紛れもなくウィーン方面の音だけど、ファルクより硬派っぽい、というか、ややあか抜けない感じ。でもさ、この含羞の味わいってなんでしょうね。あのつっかかったようなリズムは方言だから、やはりウィーンじゃないとダメですか?ワタシはウィーン・フィルよりフォルクスオーパーのほうが(ワルツに限り)好きでした。

このCD@1200で、1989年にご近所ジャスコで買いました。ちょうど10年働いた職場から、新しい職場に移った(人事交流ってやつですね)時期でして、そんな不安と期待がないまぜになった気分が蘇ります。高かったけど、買って良かった。(当時は安かったんですよ。それでも)

さて、いよいよオーストリアを出ましょう。

「Strauss Gala」オットー・アエビ/スロヴァキア放送交響楽団(ブラティスラヴァ)(BRILLIANT 99083 5枚組1,250円購入/後述処分済

●美しく青きドナウ/酒・女・歌/ウィーン気質/ラデツキー行進曲/芸術家の生活/トリッチ・トラッチ・ポルカ/愛の歌/南国のバラ

●ウィーンの森の物語*/千夜一夜/インディゴ行進曲/朝刊/狩りにて/人を信じるには確かめて/くるまば草序曲/宝のワルツ/ウィーンのボンボン/雷鳴と稲妻/エジプト行進曲

●天体の音楽/風車/水彩画/オーストリアの村燕/我が人生は愛と喜び/シュトラウスの子孫のワルツ/ローレライ、ラインの調べ/騎手/テープは切られた/ロシア行進曲/シャンペン・ポルカ/人生を楽しもう

●喜歌劇「ジプシー男爵」抜粋
●喜歌劇「こうもり」抜粋、「ヴェニスの一夜」抜粋

 ウィーンのすぐとなり、ブラティスラヴァの録音です。ま、素直で、雑然として、いまいち美しくなくて、少々味薄めだけれど、この価格ならなんの問題もないでしょ。鄙びた、洗練されないスタイルも悪くない。録音も新しいみたいだし。*「ウィーンの森の物語」が大問題で、一見「なかよしワルツ」風で有名なる旋律次々登場!で、一番ラスト、ちょろりと例のツィターが登場して終わるんです。なんせ、な〜んも解説ないでしょ?もんの凄く不思議。オペレッタの歌手表示もなし。三枚目がヨゼフの作品だけど、彼の作風は兄と違って上品な旋律が味わい深い。

ゴルコヴェンコ/サンクトペテルブルグ放送交響楽団 (FELISSIMO MUSIC  FMCD0004  中古で350円/後述処分済

ウィーン気質

 ついにロシアまで。わりと新しい録音(HDC原盤でしょ)らしくって、小編成のまともな、真面目な演奏。ていねいな仕上げだけれど、タメは不足気味。コクもない。でも、「ロシア気質」じゃないですよ。あくまでフツウの演奏。

 どうも独逸〜亜米利加迄行けそうもないでので、番外編です。

ストコフスキー/彼の管弦楽団(Capital 1958年録音 図書館で借りました)

美しく青きドナウ

元気が良くて、とても上手な吹奏楽を聴いているかのような錯覚に!ま、先のフォルクス・オーパーと並べて「これでも同じに聞こえる?」と質問してみたら、おそらくどんな人でも違いはわかります。アンサンブルも優秀(録音も)だし、あちこちニクいルバート頻出だけど、まったく別種の音楽に聞こえます。ワタシはコレも好き。豪華で美しい。

次回「(益々)ウィンナ・ワルツ覚え書き」〜独逸〜亜米利加編(おそらく完結編!ムリか?)へ。(2003年10月30日)


【♪ KechiKechi Classics ♪】

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written by wabisuke hayashi