Wagner「ヴァルキューレ」「神々の黄昏」より
(トスカニーニ/NBC交響楽団/トローベル(s)メルヒオール(t))


Wagner

楽劇「ヴァルキューレ」第1幕第3場
楽劇「神々の黄昏」抜粋(夜明け〜ブリュンヒルデとジークフリートの2重唱〜ラインへの旅〜ジークフリートの死と葬送行進曲〜ブリュンヒルデの自己犠牲)

トスカニーニ/NBC交響楽団/トローベル(s)メルヒオール(t)

RCA BVCC-9713 1941年カーネギー・ホール・ライヴ録音。国内盤で1,000円(税込)

 往年の録音をなんども復刻しては商売するのが上手いRCA。トスカニーニ往年の名盤が、1999年に入って1,500円に値上げされたので、あわてて近所のレコード屋さんで売れ残りを買ったうちの一枚。(もう一枚ヴェルディのレクイエムも)
 NAXOSが系統的に廉価で復刻してくれているのに、RCAはなにを考えているのでしょう。このCDは収録79:56に及んでいて、なんか得した気分。

 1941年と云えば戦争中。ワーグナーといえばナチス・ドイツの宣伝に一役買っていたのに、当時のアメリカではちゃんと演奏されていたんですね。トスカニーニのワーグナーというのも、印象としては珍しい感じ。きっと、トスカニーニのように根っからのオペラ畑出身の人にとっては、あたりまえのレパートリーだったのでしょう。

 フルトヴェングラーやクナッパーツブッシュは、ずいぶん以前から聴く機会が多い演奏家でしたが、トスカニーニはなぜか縁が薄い。まだこどものころ、レコード屋さんの試聴でNYPOとの「ハフナー交響曲」「ベートーヴェン7番」を聴いてエラく感動しました。が、その後はいつ聴いても「?」状態。

 録音が残響が少なくて、金属的なことも原因のひとつでしょうか。本を読むと「最晩年の録音はもう歳を取っててダメ」とのはなしも有。いくつか聴いたなかでは、どれを聴いても同じような演奏と思うんです。(きっとワタシの耳が浅いだけ)

 明快で、テンションの高いアンサンブルは驚異的。とてもライヴとは思えない完成度。NBC響の実力は噂通り。いわゆるドイツ・オーストリア系の、鬱蒼とした森のような雰囲気はなくて、元気よく明るく歌う演奏。金管の開放的な切れ味は、やはりアメリカ的でしょうか。(とくにトランペット)往年の名歌手の迫力はたいしたもの。演奏会形式ながら、まとまったオペラの味わいもあります。

 凄い、巧い、繊細さも、力強さもある、が「震えるような感動」を感じないのはどうして?たんなるワタシの先入観でしょうか。

 音の状態は、この時期にしては出色でしょう。
 でも「録音状態」は、なんとも評価しがたいところがありまして、フルトヴェングラーのラジカセみたいな音でも、けっこうグッとくることもある。

 きっと、トスカニーニ・ファンはたくさんいるでしょうから、「トスカニーニはこう聴け」といったお叱りをお待ちしております。「読書百遍、意自ずから通ず」の精神でもう少し集中して聴いてみます。悪しからず。

完結編へと続く


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written by wabisuke hayashi