Tchaikovsky ヴァイオリン協奏曲ニ長調/
Glazunov ヴァイオリン協奏曲イ短調/
Prokofiev ヴァイオリン協奏曲第1番ニ長調(ナタン・ミルシティン)


EMI icon 6986672/8枚組 Tchaikovsky

ヴァイオリン協奏曲ニ長調(1959年)

Glazunov

ヴァイオリン協奏曲イ短調(1957年)

以上 ウィリアム・スタインバーグ/ピッツバーグ交響楽団)

Prokofiev

ヴァイオリン協奏曲第1番ニ長調

ウラデディミール・ゴルシュマン/セントルイス交響楽団(1954年)

ナタン・ミルシティン(v)

EMI icon 6986672/8枚組

 Nathan Milstein(1903ー1992/烏克蘭→亜米利加)によるEMI BOX音源は2025年HDD挙動不審事件にファイルを失い、幸い再度入手叶いました。但し、膨大なる新旧録音他あちこち十数年ほど掛けて集めたものは残念、雲散霧消。どうせ集めるだけでちゃんと聴いていないから天罰が下ったのでしょう。日本では同世代のJascha Heifetzas(1901ー1987里都亜尼亜→亜米利加)人気の陰に隠れて人気はいまいちでした。Capitalレーベルというのもイメージ的によろしくなかったかも。

 毎度同じことを書いているけれど、この人のヴァイオリンは背筋を凛と伸ばして、端正上品な音色。ハイフェッツの前のめり快速なテクニックも個性的で好きだけれど、こちらしみじみ作品の美しさを堪能せてくださって陶然と聴き惚れてしまいました。それに音質かなり鮮明、伴奏がソロに寄り添って息を合わせて美しい仕上がり、ハイフェッツの場合、あくまでソロ自己主張中心、伴奏は付け足しですから。

 たっぷり露西亜風粘着質に魅惑のクサい旋律、Tchaikovskyは1881年初演。さらさらと快速に走り抜けるハイフェッツもよろしかったけれど、こちらしみじみ中庸のテンポにしっとり歌って神経質さ皆無、味わい深い品のある音色と表現、スタインバーグの伴奏とのバランスも絶妙に美しさ際立つ演奏でした。

第1楽章「Allegro moderato」(17:11)「Canzonetta: Andante」(6:28)「Finale: Allegro vivacissimo」(8:48)

 Glazunovは1905年初演。かなり以前1949年の旧録音を聴いておりました。これもハイフェッツを思い出せば作品のイメージをがらりと変えるもの。あちらヘンドルの伴奏や音質印象か、もっと情感を廃してバリバリ突き進んで、テクニックを披瀝する乾いた作品〜だったはずが、浪漫の残滓たっぷりに甘美に魅惑の旋律に気付きました。凄い技巧と類推するけれど、ほとんど涼しい顔に旋律を歌って、スタインバーグの伴奏のニュアンスもおみごと。1957年時点で文句なしのステレオ音質でした。

第1楽章「Moderato」(4:03)第2楽章「Andante」(8:53)第3楽章「Allegro」(5:45)続けて演奏されます。

 Prokofievは時代下って1923年初演。モノラルだけど音質はさほどに悪くありません。これもかなり前衛的に硬派な作品との記憶でした。もちろん第1楽章から自在にハードな作品に間違いないけれど、弱音のデリケートさ際立って繊細なテクニックが冴え渡って、晦渋さを感じさせない。「Scherzo」の軽快な疾走とテクニックは聴きもの。セントルイス交響楽団もこの辺り、既にみごとをアンサンブルを聴かせてくださいました。終楽章にも哀愁が漂いました。

第1楽章「Andantino」(8:39)第2楽章「Scherzo: Vivacissimo」(3:46)第3楽章「Allegro moderato」(7:21)

(2026年7月4日)

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written by wabisuke hayashi