Tachikovsky 交響曲第2番ハ短調「小ロシア」
Liadov 8つのロシア民謡(アンドレ・プレヴィン/ロンドン交響楽団)
Tachikovsky
交響曲第2番ハ短調「小ロシア」
Liadov
8つのロシア民謡
アンドレ・プレヴィン/ロンドン交響楽団
LP RCA Gold Seal AGL1-1265 1965年?頃録音(LP初出は1966年)
これはAndre Previn(1929ー2019亜米利加)ロンドン交響楽団音楽監督(1968ー1979)就任前のRCA録音。高品質データでの拝聴が可能みたいです。以前にネットよりLP音源入手、DVDに焼き込んで保存したデータ整理中に再発見したもの。.mp3/128bpsだから廃棄対象、内容確認して意外と悪くないな、ちゃんと聴けることに気付きました。オリジナルが優秀録音なんでしょう。30歳代イケ面、有名女優と浮名を流していた若い頃の記録、半世紀以上経てばいずれ皆鬼籍に入ってしまうものです。諸行無常。LP片面ずつのファイル作成。どちらも烏克蘭、露西亜の民謡を多く引用した懐かしい、魅惑の旋律作品也。それなり音質条件が整えば、どんな演奏でも楽しく聴ける作品です。
第1楽章「Andante sostenuto - Allegro vivo - Molto meno mosso」。初耳でも懐かしく感じるような冒頭ホルンの旋律は「母なるヴォルガの畔で」とのこと。やがて緊張感を高めて第2主題はRimsky-Korsakovの「ロシアの謝肉祭」の下降旋律と同じもの(吉幾三「酒よ」激似。但しテンポ速く決然として雰囲気は違う)登場、先の烏克蘭民謡と絡み合って力強く進行します。若いプレヴィンは劇的に、ちょっぴり力みが目立つでしょうか。ラスト冒頭のホルン旋律名残惜しく回帰して静かに終了。(10:51)
第2楽章「Andantino marziale, quasi moderato」はノンビリとして時に哀しみが顔を出す行進曲。ここもTchaikovskyのメロディメーカーの面目躍如、なんということもないシンプルな冒頭旋律はやがて賑々しく、優雅に成長して盛り上げます。民謡「回れ私の糸車」が引用されているとのこと。この辺り、若きプレヴィンの優しい語り口はこの頃から発揮されております。(7:38)第3楽章「Scherzo. Allegro molto vivace - L'istesso tempo」きりりとして緊張感のあるスケルツォ。プレヴィンのテンションは切れ味鋭く、オーケストラの反応も高いもの。後年だったらもっとマイルドに仕上げるでしょうね。ここには民謡の引用はないそうです。Wikiにもあるように、なんとなく民謡風懐かしく響くのがTchaikovskyのワザなのでしょう。(5:34)
第4楽章「Finale. Moderato assai - Allegro vivo - Presto」壮大なるファンファーレにて開始、後年の第4番終楽章を予感させるようなスケールの大きさ。それは短く終了して民謡「鶴」を主題として種々快活な変奏曲が躍動します。力感のあるオーケストラの大爆発は若さ漲(みなぎ)る迫力、ヴァイオリンによる優しい第2主題も絡みつつ、硬と軟の対比お見事。時にTchaikovskyの甘美な旋律も際立って、テンポ速めつつアツく疾走する終楽章に圧巻の9:44。客演での好評が評価されて、音楽監督就任に至ったのでしょう。
Liadovの作品は初耳。前作品との親和性を感じさせ、同じ(似たような?)民謡旋律が懐かしく、いくつか出現しております。プレヴィンは色彩も表情も豊かにていねいな仕上げ。(17:43) (2020年4月5日)
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