Stravinsky バレエ音楽「春の祭典」 Prokofiev スキタイ組曲 (スタニスワフ・クロヴァチェフスキ/ミネソタ管弦楽団)
Stravinsky
バレエ音楽「春の祭典」(1977年)
Prokofiev
スキタイ組曲「アラとロリー」作品20(1983年)
スタニスワフ・スクロヴァチェフスキ/ミネソタ管弦楽団
VOXBOX CD3X3016
これは1990年台前半LPを諦めてCDを集めだした初期のもの、VOXBOXは廉価盤の代表的なレーベル、せっせとお小遣いを貯めては購入しておりました。内容は(とくに音質)玉石混交状態、これはおそらくもともと別レーベル音源の優秀録音なのでしょう。このオーケストラはアンタル・ドラティ (1949ー1960)時代、ネヴィル・マリナー (1979ー1986)のいくつかの音源を聴いて、どーもオーケストラの音色が没個性的でオモロない、そんな印象を持っておりました。スタニスワフ・スクロヴァチェフスキ (1960ー1979)って随分長く首席指揮者を務めたのですね。”音色が没個性的”サウンドが正確無比クールな統率によって素晴らしい成果を上げております・・・(音楽日誌2017年10月より)
Stanislaw Skrowaczewski(1923ー2017波蘭?烏克蘭?)は最晩年日本とも関係が深くて(読売日本交響楽団常任指揮者)録音も多く残しておりました。このCD入手の経緯は上記の通り、10年以上掛けてCD処分継続して(データ拝聴に主体を変更)棚中生き残った愛着ある2枚組、Stravinsky+Prokofievの代表作品収録は攻めた内容。入手当時は長ったらしい名前の指揮者もほとんど知らなくて、お気に入り作品を”安いから”と入手したのでしょう。LP時代愛聴のピエール・ブーレーズ/クリーヴランド管弦楽団(1969年)のCDは当時贅沢品故購入不可、我らがSONYはんは20世紀中廉価盤にずっと不熱心でした。
閑話休題(それはさておき)久々の拝聴。誰でも知っている「春の祭典」印象は・・・上手いオーケストラやなぁ、”正確無比クールな統率”に間違いなし。各旋律の立ち上がり、縦線の合い方、リズムのキレも文句なく迫力有、細部迄明晰、録音も上々・・・要らぬ余情を加えぬ表現は基本好み(例えばロバート・クラフト)それでこそ作品本来の魅力が素直に表出する・・・はず。ところがこのオーケストラは”音色が没個性的”サウンド?妙にウソ寒くて、たしかに馴染みの旋律リズム、名曲中の名曲に入り込めないワタシ。なにが足らんのか?バーバリズムか、ブーレーズだって野蛮な演奏じゃなかった(知的な)はず、それでもスリリングな知的興奮がありましたよ。
これは聴き手の責任か。体調か、嗜好の問題か。32:46淡々と聴いてしまいました。21世紀、ほとんど全世界のローカルオーケストラは技術向上(毎年全世界2万人の音大卒業者が供給される結果とか)上手いオーケストラはたくさんありまっせ。スクロヴァチェフスキの統率になんの疑念もないけれど、稀代の名曲、20世紀の古典に新たな切り口が欲しい。
Prokofievはディジタル時代に入って(Digital録音なのか不明/オーケストラはネヴィル・マリナー時代)これも破壊的暴力的作品。Stravinskyほど聴き込んでいないけど、その魅力に負けぬ個性を最近愉しんでおります。20:40ほどのリズムの炸裂、野蛮なサウンドの爆発連続技、これも上手いオーケストラやなぁ、「春の祭典」ほど細部馴染んでいないせいか、作品のバーバリズムな性格と”正確無比クールな統率”バランスがみごとな演奏、こちらはたっぷり堪能いたしました。
残りCD2枚分、若い頃は気力体力充分に堪能したものだけど、もうあきまへん。根性ありません。 (2018年11月25日)
【♪ KechiKechi Classics ♪】 ●愉しく、とことん味わって音楽を●
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